デジタルはかりタニタKD-320
部品の重量を計るために、マニアなサイクリストの必需品となるデジタルはかり。
カタログスペックとは誤差の大きいパーツも少なくありません。タイヤのようにカタログ公称重量からある程度の幅があるのは仕方ない部品もあります。
そこでパーツの重量を計測して実際の重量=実測重量を計る必需品デジタルはかりを紹介します。
記事を書くに当たってAmazonで検索したところ、この製品を買ったのは2014年5月18日。8年近く愛用していることになりますので、自信を持って紹介します。
モデルチェンジがなく、長年製造し続けられているのもユーザーが安心して使える指標になります。
タニタKD-320デジタルはかりスペック
・最小計量単位:0.1g
・最大計測重量:3kg
・本体サイズ:幅150×奥行き210×高さ35mm / 本体重量:約410g
・Made in China
・本体素材:ABS樹脂
・ケース付属
・使用電池:単3乾電池×2本(アルカリ、マンガン電池どちらでも使用可能)
・オートパワーオフ機能:使用停止後約6分で自動的に電源が切れるので消し忘れがありません。
・高精度:地域ゼロ補正機能付き(後述)
・カラーはホワイトとありますが実際はクリーム色というかベージュっぽい(年式で異なるかもしれません)。
現物を撮影したTOP画像よりも実物の方がベージュっぽさが濃いです。
但し0.1g単位まで計れるのは300gまで。0〜300gでは0.1g単位、300〜1500gでは0.5g単位、1500g〜3000gでは1g単位での計測になります。
さすがに3kgまでの計量全域で0.1g単位の計測が補償されている訳ではありません。家庭用でこの価格の製品にはこれ以上の精度は望めないと思います。
計測精度 | ||
標準モード(1g) | 0~750g:±2g | 750g~3kg:±3g |
微量モード(0.1g) | 0~75g:0.2g | 75~300g:0.3g |
微量モード(0.5g) | 0~375g:±1.0g | 375~3000g:±1.5g |
え!誤差があるの?と思われるかもしれませんが、同じタニタの1g単位計測KJ-210の計測精度は『0~500gまでは±2g、500~2000gまでは±3g』となっています。
1,000円ほどの価格差でより高精度に計量できるので、0.1g計量のKD-320がお勧めできます。
キッチンスケールに限りませんが、同じ程度のスペックを宣伝している格安製品も増えています。しかし、このような製品は精度が悪く、まだまだ公称スペック通りの計量が出来ない誤差が大きなはかりがほとんど。
計る度に重さが変わってしまう、数g程度の誤差がある製品も少なくありません。
計測計量機器は信頼できるメーカーの精度の高い製品を選ぶべきです。
タニタKD-320レビュー
特に何の不満も無く使い続けています。計量用の天板が平らではなく反っているので、落っこちやすい部品の計量には、一旦電源を入れてお皿やトレーを乗せたら『0表示』ボタンで0gにリセット。
元々キッチンスケールなので液体や粉を計量するための、この『0表示』リセット機能は何かと便利に使えます。
タイヤの重量計測にも、事前に輪ゴムだけを乗せて『0g表示』にリセット。純粋にタイヤだけの重量を計測出来ます。
試しにシマノ・アルテグラCS-R8000カセットスプロケット11~32Tを計量してみます。
ホルダーを付けたままの状態で、目盛りは287.5gを表示しました。
ホルダーのみの重量は6.5g。シマノ・アルテグラCS-R8000カセットスプロケットの実測重量は287.5ー6.5=281gとなります。
シマノCS-R8000カセットスプロケット11~32Tのカタログ公称重量は292g。公称値よりも実測重量が軽い珍しい例になりました。
シマノ CS-R8000 11S 11-32T 12346802582 ICSR800011132続いてMAVICイクシオンPRO 700×25Cクリンチャータイヤの重量を計ってみます。
メーカー公称重量は210g
新品のタイヤなので、折りたたまれたクセがそのまま。広がらなかったので輪ゴム出止める必要はありませんでした。
重量は213.0g。カタログ値より3g重いという結果になりました。※タイヤはゴム製品の為、数g程度のプラスマイナスは普通です。
続いて軽量ポリウレタンチューブTubolito。700×18~28Cバルブ長42mm。カタログ公称値は38g。
バルブキャップとゴム製Oリング付きの状態で39.8g
バルブキャップとOリングを取り外すと39.4gでした。
[2個セット] Magene(マージーン) EXAR TPUチューブ 700C 36g (60mm)使用上の注意
・電源を入れてから使用開始可能になるまで、約3秒ほど待機が必要です。
・0.1g単位の微量モードでは特に電磁波の影響を受け、誤差が生じたり計量値が揺らいで安定しない場合があります。電磁波を発生する家電製品から離れて使用しましょう。
・屋外で自転車を整備しながら計量する際など、微量モードでは風の影響を受け計量値が揺らいで安定しない場合があります。
何も載せていなくても風を受けて表示が0.1~0.2~マイナス0.1gなどと0.0gにならなかったり。風の無い屋内で使用しましょう。
・息を吹きかけたり、手のひらで計量天板をあおっても計測値が変動します。0.0gで初期値も安定しないので取扱注意です。
・本来のキッチンスケールとして使う場合でも、コンロ使用中など強い空気の対流が発生している場合、グラム表示が安定しない場合があります。エアコンや扇風機の風が当たっても表示は変動してしまいます。
それだけ繊細で精密にできているはかりなんです。
計量精度を高める地域設定の方法
使用地域により重力の影響が異なる為、計測誤差を生じる場合があります。使用する地域を設定することにより、タニタKD-320は誤差を解消することができます。
異なる地域に引っ越しをしない限り、初期設定として最初に1度だけ設定すればOKです。
まとめ
部品のカタログ公称重量の中には「カタログ補正」と言われていたり、フレームやフロントフォークは無塗装だったり最小フレームサイズをカタログ値としている製品もあったりします。
サイクリスト誰もが、ここまで細かく重量にこだわる必要は無いとは思いますが「知りたい」「調べたい」好奇心を満たし、加速やヒルクライムには確実に影響する自転車の重量。
重量と軽量化が自転車の性能の全てではないことを理解した上でデジタルスケールを活用すれば、サイクルライフの楽しみと奥深さに繋がります。
自分で部品交換やメンテナンスをするサイクリスト、重量を気にするこだわりサイクリストは、ひとつタニタKD-320を持っておいても損はないと思います。
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