発明家がオートマ変速システムを特許出願
ミネソタ州ミネアポリス在住の個人発明家のHaven Mercer氏が考案した、自転車用のオートマチックトランスミッションシステムの特許出願が22月23日に公開され話題になっています。
現在市場で普及している外装変速機=ディレーラーや内装変速機は、多段化や変速のスムーズさなど改良が施され進化はしているが、およそ100年もの間革新や変革は無いとも言える。
フロントチェーンリングは通常のギヤ=歯車形状では無い。小さな8つのプーリーとそれを支えるアーム、トルクに応じてアームを伸縮=回転半径を変えるバネから構成されている。
トルクが大きくなると回転半径が小さくなりギヤ比が軽くなる。
金属バネとエラストマーの違いはあれど、発想的にはフリーパワーに似ている。
リアスプロケット、実際にはスプロケットではなくて相当する部品、後ろのギヤはトルクが大きくなると回転半径が大きくなりギヤ比が軽くなる構造になっている。
オートマ変速であると同時に、無段階変速でもある。
バネを簡単に交換できる構造にして、様々なユーザーの脚力や使用状況に対応出来るようにすると言う。
発想は興味深くて、とても面白い発明だと思う。
スポーツバイク用に発展させるとすれば、とりあえず製造コストや価格、整備性は置いておくとしても、ヒルクライムと平坦路のスピードアップで踏み込みトルク同程度になったら・・・このシステムではギヤ比が適切ではなくなってしまう。
オートマチック変速なら電動アシスト自転車に使われているような車速センサーと連動させる必要がありそう。
シリアスなサイクリストのペダリング=高負荷に耐えられる構造なのかも現状では疑問が残ります。
しかし、発想としては細かな問題点が解決して実用性と普及に伴うコストが解決されれば・・・
スポーツバイク用途としては、むしろマニュアル変速とすれば、無段階変速で超ワイドレシオの理想的なギヤ比構成も可能になる訳で、発想自体は非常に面白い。
チェーンリングの8つのプーリーを支えるアームの回転半径を各々個別に可変可能にすれば、回転半径可変の楕円ギヤに相当することになる。
一般車用途ではシマノから1997年にオートマチック内装4段変速が発売されていましたが普及しませんでした。
また2023年ユーロバイクショーでシマノは、オートマ変速とABSを装備したCUESコンポーネントを発表もしています。
様々なトライが重ねられてはいますが、重量増や整備性とトレードオフになりがちな自転車のオートマチック変速システム。
アイデアとしては面白いものなので、今後の発展と改良には興味深いものがあります。
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