BOMAエボリューション4試乗してきました
江戸川サイクリングロードみさとの風広場から程近い場所にあるBOMA本社で、試乗会及びショールーム一般開放が開催されたので行ってきました。
注目は2024年に発売されたエボリューション4!
ショールーム内では展示見本品だった商品の特価販売も有り。現品限りの目玉価格で販売されていますので、掘り出し物を目当てに訪れてみても面白いのではないでしょうか。
BOMAエボリューション4
グラフィックデザインは東京サイクルデザイン専門学校のデザインコンペから採用。
一時のTREKのようなダウンチューブのデカロゴは、デカロゴ派手マニアにはたまらないかも。
スペック
フレーム:1,065g、フォーク:450g、シートポスト:260g、ステム一体型ハンドルバーSTH-01:305g(395/90mmサイズ)
メーカー希望小売価格:330,000円(フレーム、フォーク、シートピラー、一体ハンドル込み)
BB規格:プレスフィットBB86
Fディテーラー直付け台座:アウター48~56T対応
タイヤ:30Cまで(クリアランス4mm、タイヤ及びリムの銘柄や経年変化で変化する場合があります)
※参考までにBOMAに限らず2019年以降JIS D9304-2019 4.5.1.2(対応国際規格:ISO 4210-2:2015)タイヤクリアランスで、ロードバイクのタイヤクリアランスは4mm以上なければならないと規格化されています。
2019年以前は1mm。フレームの年式で表記や実際の使用タイヤサイズが異なるので注意が必要です。
*基本設計は油圧ブレーキ / 電動シフトです。フルメカニカルで組む場合、フルアウター仕様対応コンポを使用してください。グロータック EQUAL のハードアウターで組む事は厳しいです。シマノ SLR アウター使用を視野に入れてください。
http://www.boma.jp/products/frame_set/evolution4/
試乗車はグロータックEQUALメカニカルディスクキャリパー&シマノSLRアウターワイヤーで組まれていました。
組み合わせを試した上でフル内装ワイヤーの引き回し的にグロータックEQUALハードアウターは厳しいとの説明。
ジオメトリー
フレームサイズはS,M,Lの3サイズ。フロントフォークのオフセットは1種類のみ。
サイズ | C-T | A | B | C | D | E | F | G | FC | H | R | SH |
S | 470 | 72° | 74.8° | 515 | 415 | 70 | 45 | 976 | 571 | 107 | 374 | 517 |
M | 500 | 72.3° | 74.3° | 532 | 415 | 70 | 45 | 986 | 582 | 130 | 380 | 540 |
L | 530 | 72.8° | 73.8° | 550 | 415 | 68 | 45 | 996 | 590 | 148 | 388 | 557 |
フレームサイズが合わない、と言うユーザーもいると思われます。この辺は低価格コスパの良さとは、どうしても相反してしまう仕方のないことなのかもしれません。
トレイルはフレームサイズとタイヤ(700×25C~28C)の範囲内の組み合わせで概算57から61までの範囲内に収まっています。
ヘッドアングルが3つのフレームサイズで大きく変わっていないため、極端なトレイルにはなっていません。
ダウンチューブはカムテール形状を8角形に角ばらせたような断面。剛性を確保するためだそうです。
フロントフォーク~ダウンチューブ~チェーンステーの自転車の下周りの剛性を上げ、トップチューブはペラペラに薄くという程ではありませんが、柔軟性を確保して振動吸収性を上げ乗り心地を良くしています。
シートステーは画像を撮り忘れましたがブリッジ有りで柔らかくし過ぎる事無く、ここでも剛性を確保する設計。
コラムスペーサーも分割式で組み易さに於いても考慮されています。
試乗インプレッション
試乗車はシマノ・アルテグラR8100Di2及び試乗車はグロータックEQUALメカニカルディスクキャリパー。
ホイールはBOMA THW-35TLDにiRCフォーミュラプロTLRスーパーライト700×25C(最新ではなく1世代前)
「試乗時間に特に制限なし」と仰って頂きましたが、次の方の待ち時間が長くなってしまうと申し訳ないので、30~40分ほど江戸川サイクリングロードに出て実走しました。
平坦路や登りでの加速はペダリングトルクをしっかりと受け止めて進む。シッティング、ダンシング双方で全く不満なくもどかしさもありません。
かといって剛性感バリバリで脚に堪えるような固さは無く、脚が売り切れるような疲労感はないでしょう。
低重心の安定感とハンドリングの機敏さのバランスが良く、クセや違和感は全く感じられません。
LOOK 785 Huez RSのBB周りを中心にした剛性感を10とすると、BOMAエボリューション4は8~9位の感じ。
体重や踏み込みのパワー、レースかロングライドかなどの乗り手の個人差や使用用途を問わず、万人に受け入れやすい剛性感です。
軽やかに加速すると言うよりは、トルクをしっかりと受け止めて重厚に加速していく感じ。
車に例えたら軽量スポーツカーと言うよりも重量級大排気量車に近い感覚です。
低重心でしっかり感があります。
25Cタイヤを履いていた為か、最近のディスクロードの中では比較的・・・僅かな違いですがハンドリングはクイックに感じられました。挙動の不安定さや神経質さがある訳ではありません。
まったりゆったりよりは応答性の良さに寄せた方向です。
ダンシングでのバイクの振りも、車重の割にハンドルバー始めバイクの上半分が軽いので、想像していた程重くなく振りやすいです。
LOOK 785 Huez RS とデュラエースST-9070の組み合わせは最も軽い部類。普段コレに乗っていて不満が出ないのですから、大半のサイクリストにとっても違和感は感じられないと思われます。
軽快感はハンドル周りの軽さとジオメトリーから来るものだと思われます。
平坦路の高速巡行ではフル内装の最新バイクの良さは感じられます。しかし、S-WORKSターマックSL7やヴェンジ程の空気を切り裂く感は感じられませんでした。
※35mmハイトホイール分を脳内補正済みのつもり。
江戸川サイクリングロードを走ったので距離は短いですが、登りはペダリングをしっかりと受け止めるフレームなので踏めば踏んだだけしっかりと進み登ってくれます。
しかし、車重があるために羽のように軽快とか劇的な軽さは感じられませんでした。
重量や価格比で考えると優秀な部類だと思います。
評価基準をどこに置くかで表現が変わってしまうのですが、普段乗っているバイクや試乗経験のある他社製ハイエンドバイクとの比較です。330,000円というお手頃価格でのコストパフォーマンスを軸にすると、BOMAエボリューション4は非常に良く出来たバランスの良いバイクだと感じられました。
25Cとは言えフォーミュラプロチューブレス履いているのに、乗り心地はお世辞にも良いとは言えないな~と思ったら・・・チューブレス運用ではなくて試乗車にはTPUチューブが入っていました。
乗り心地に独特の硬質感があり個人的には嫌いなTPUチューブが・・・28Cチューブレスタイヤで振動吸収性を確かめたかったところです。
チューブレスタイヤにTPUチューブ分を割り引いて乗り心地を想像してみると、なかなか悪くない部類だと思われます。
ホイールやタイヤの足回りを好みに合わせれば、ほとんどのサイクリストが不満を感じるようなことはないでしょう。
カーボン素材は帝人テナックスUTS50
BOMA、正式な会社名はASKトレーディングは、自転車業界参入前からカーボン素材を扱っています。
東レ、三菱レーヨン、そして2024年に発売された新型エボリューション4では帝人テナックスと国内カーボン製造メーカー各社から適材適所にカーボン素材をチョイスしています。
BOMAエボリューション4では帝人テナックスUTS50カーボンを採用しています。
帝人テナックス・カーボンの特性
引張強さ(MPa) | 引張弾性率(GPa) | 伸度(%) | |
帝人UTS50 | 5100 | 245 | 2.1 |
24t相当で引張強度が高く伸びが比較的大きい。東レTORAYCAと比較するとT700S相当の特性を備えています。
フレームの断面形状や積層、パイプ太さなど全ての要素が乗り味に影響するので一概には言えませんが、ペダリングを受け止めるしっかりした剛性感がありながら、ガチガチ感が無く脚当たりの優しさがあるのも帝人UTS50の特性故なのかもしれません。
一部の高弾性カーボンフレームのように軽くて固くてパリッとした乾いた踏み心地ではなく、粘りと重厚感がある踏み心地。
但し高弾性カーボンではないので価格を安く作れますが、フレーム重量はお世辞にも軽いとは言えません。
高弾性カーボン使ってフレームサイズもフォークオフセットもサイズ展開増やせば・・・そのままコストにも反映してしまいますからね。
指でパイプ断面を潰すとしなるようなペラペラ極薄ではないので、最軽量ハイエンドカーボンのように取扱いに注意を払わなくて良いのもメリットといえるかもしれません。
BOMA STH-01ハンドルバー
BOMAエボリューション4試乗車に付いていた、ハの字末広がり形状のステム一体型カーボン製ドロップハンドル。
380mmの表記サイズの下ハン幅は395mm、400mmサイズ表記の下ハン幅は415mmとなっています。
リーチ82mm、ドロップ125mm
個人的にはリーチがもう少し短く80mm切ってくれると嬉しい。しかし試乗で違和感を感じるほどではありませんでした。
適度な柔らかさがあり、3Tエルゴノバチーム位の硬すぎない快適さが感じられました。ガチガチに固いハンドルを好む一部のJBCFサーキットレースやクリテリウムを主戦場にするサイクリスト以外に、万人受けする普遍的なサイズと剛性感だと思います。
ワイヤーの引き回しにも拡張性があるので、エボリューション4以外でも様々なフレームに合わせ易いと思われます。
ワイヤーフル内装、ハンドルバー付け根から外出し、ステム中央部で外出し、などフレームに合わせたワイヤールーティングがとれるハンドルバーです。
10万円を超えるステム一体型フル内装対応ハンドルバーばかりになっている昨今、ハンドルバー単体もサイズや乗り味が好みに合えば、お勧めできる製品です。
BOMAショールーム一般開放
B to Cの企業ではないので、試乗会開催日、ショールーム一般開放日のみに一般ユーザーがBOMA本社に訪問が可能です。
駐車場も有り遠方から車で訪問もできます。試乗会当日はサイクルラックを建物内に設置してくれていました。
試乗中の自分のバイクから離れる場合も、これなら安心できますね。
フレームのカットサンプル。内部も綺麗に仕上がっています。
振動試験機
カーボン製スーツケースやアタッシュケース、ヴァイオリンケースなど
スーツケースはめっちゃ軽くてカッコ良かったです。
まとめ
ロードバイクの値上がりが叫ばれる昨今、メーカーの対応も良く価格もお手頃なBOMAはサイズやジオメトリーが合えば間違いなく推せるブランドです。
330,000円・・・シートピラー、ハンドル付属で・・・の価格を考慮すると非常に良くできたフレームだと思います。
なにせ他社ハイエンドフレームの1/3の価格でこの性能なのだから。
試乗会やショールーム一般開放は定期的に開催されていますので、機会があれば是非訪れてみてください。
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