ニップル回しはどれがいいのか？
ニップルレンチのお勧め
結論から申し上げますと、スポーツバイクの手組みホイール用途なら、
仮組みからある程度スポークテンションを上げるまでは、作業のスピード重視で2面保持型ニップルレンチ。
スポークテンションが上がってきたら、ニップルの角をナメない4面保持型ニップルレンチ。特にアルミニップルなら4面保持型の使用がマストになってきます。
自転車用工具メーカーとして定評のあるPARKTOOLのニップルレンチでは、SW-〇(数字1桁)が2面保持型ニップルレンチ。SW-〇〇(数字2桁)の品番のニップルレンチが4面保持型となっています。
振れ取りなら適応サイズの4面保持型ニップルレンチを揃えておけば充分です。
手組みホイールを1から始めるなら、仮組みからの段階では作業スピード重視で2面保持型ニップルレンチ。スポークテンションが上がってきたら、ニップルの角をナメにくい4面保持型ニップルレンチをお勧めします。
海外製3.2mmニップル用ニップル回し
DT Swiss、ホイールスミス、MAVICスチールスポーク用四角形ニップルに使えるニップル回し
パークツールSW-0ニップルレンチ
2面キャッチ型。ニップルの横から工具を差し込むことが出来るので、スピーディーに作業が出来ます。
高テンションに上げたアルミニップルやナメかかったニップルを回すのには向きません。仮組み⇒ある程度スポークテンションが上がるまでに使用しています。
最後の本締めにはニップル4面で掴むタイプのニップルレンチがお勧めです。
特にアルミニプルで高テンションになると、2面キャッチ型やガタが大きいニップルレンチでは、ニップルの角をナメやすい。
4面キャッチ型ニップルレンチのお勧めは
パークツールSW-40ニップルレンチ
パークツールSW-1ニップルレンチ
DT Swiss、ホイールスミス以外の海外製(特に欧州製)スポーク用3.3mm
ニップルは精度のバラツキが大きくて、メーカー名で適合となっているけれど3.2mm用SW-0ではきつくてハマらない。3.4mm用SW-2ではガタが大きい、と言った場合に遭遇します。
JISでもニップル回しの掛かる2面幅の公称精度は、マイナス0mmプラス0.2mmの誤差範囲が認められています。
〇〇用という用途に囚われ過ぎないで、パークツールのニップルレンチは3サイズ揃えておくと安心です。
完組みホイール専用ニップル回し
シマノ、カンパニョーロ、フルクラム、MAVICなど専用規格のニップルが使われている完組みホイール用のニップルレンチ
カンパニョーロ・フルクラム
フルクラム・レーシングゼロは強烈なロックタイトが塗布されていて、メチャメチャニップルが固いです。「コレは回さない方がいい」と言った場合も…
パークツールSW-11ニップルレンチ5.5mm/6mm用
TOPEAKニップルレンチDTスクオルクス(T20トルクス)/カンパニョーロ6mm用
エアロスポークホルダー、エアロスポークの捻じれ止め工具が付属。
MAVIC
MAVICホイールには専用工具=ベアリングキャップ回し兼タイヤレバー兼ニップル回し(トルクス型)兼エアロスポーク回り止めの4徳工具が付属しています。
MAVICで言うところのFOREテクノロジー=リムに直接ニップルが噛むネジ切りがされているタイプのホイールは、通常はホイールの付属工具で充分です。
素材が樹脂製なので、古くなって固着してしまったニップルを回す必要に迫られた場合だけ、別途購入すれば良いかと思います。
6溝と7溝があるので注意が必要です。
5.5mm径6溝用
6.4mm径7溝用
FOREテクノロジー以外のMAVICホイール、四角形ニップルには2面幅3.2mm用ニップル回しが適合します。
シマノ
シマノ完組みホイールは新製品が出ると、ニップルの寸法が専用の特殊規格になっていたりしてややこしい。
ニップルレンチはホイールに付属していますが、なくしてしまった時など適合品を探すのに手間が掛かります。
シマノYS4Y11000
3.75mmWH-9000用
シマノY4EF28000
WH-RS80/WH-7850CL/TU等用
シマノY4CK19000
WH-M785/975/770/776/985、WH-7850-C24-TLなどの六角形ニップル用
シマノY4A014000
WH-R600,601、WH-M965、WH-5600等の2面幅4.3mm/4.4mm用
パークツールSW-14.5
2面幅3.75mm/4.3mm用
パークツールSW-3
WH-RS21/RS31等の2面幅3.9mm用
シマノWH-RS21はJIS規格の2面幅3.9mmとは少し寸法が違い、3.95mmらしいという噂話を聞いた事があります。
詳しいことをご存知の方がいらっしゃいましたら教えてください。
ママチャリ用#14,#13ニップル回し
JIS規格準拠の国産スポーク(ニップル)用のニップルレンチ
Ice ToolZニップルレンチ0C53
2面幅3.45mm=3.4mmニップル用。4面キャッチ型で工具がニップルに掛かる深さ(高さ)が十分にあり、最もナメにくくて高いテンションまで回せる優れもの。
角が丸まってナメかかったニップルを回すときのリカバリー用としても使えます。※ガタが少なくて工具で咥える深さがあることがポイント。
パークツールSW-2ニップルレンチ
2面幅3.4mm国産#14ニップル用の2面保持型ニップルレンチ。
通常ママチャリなど一般車に使うなら、これで十分かと。スポーツバイク以外のニップルは鉄製がほとんどで一部真鍮製。
パークツールSW-42ニップルレンチ
アルミニップルやナメかかったニップルに使うとき、又はより精度の高い作業をしたい人向きに。4面保持型のパークツールSW-42。
一部の電動アシスト付き自転車の後輪など、2面幅3.6mmの#13ニップルを回すには
HOZANニップル回し
2面幅3.6mmの#13番ニップル回しは適合品が少ない。子供乗せ電動アシスト自転車後輪のニップルなどに#13ニップルが使われている場合があります。
精度に不安が残るノーブランド製よりHOZAN製を推薦します。
#13スポークでも通常のママチャリのニップルや電動アシスト付き自転車は#14番のニップルが使われています。バテッドになっています。
使用頻度は少ないですが、必要に迫られる場合があるので紹介。#14ニップルには他社製ニップル回しの方が使い勝手は良いです。
2面保持型なのに工具の厚みがあり過ぎる気がする。
エアロスポーク捻じれ止め工具
エアロスポークには必須のスポークねじれ止め工具。
スーパーBエアロスポークキー5502
樹脂製でスポークを傷付けたり、カラースポークのアルマイトや塗装を傷付けにくい。
スポークと接触する幅が大きい。エアロスポークをしっかり固定できるので、スーパーBエアロスポークキー5502はお勧め。
幅が狭い＝高さの無いエアロスポークホルダーは、素材が樹脂製なので勘合部が潰れて寿命が短い例が多いです。
エアロスポークの振れ取りやホイール組みには必ず揃えておきたい工具です。