
ジャズとクラシック以外の高音質CD、優秀録音CDを紹介します。音楽ジャンルに囚われない、オーディオに拘るなら、試聴や装置の追い込み用としてもお勧め出来る高音質優秀録音CDです。
単純に音質が良いだけでなく音場の左右のみならず、前後の奥行きや高さを聴き取りやすい、高音質優秀録音CDを中心に紹介。
ジェニファー・ウォーンズ/ザ・ハンター
オーディオチェック試聴用として、優秀録音CDとして全世界のオーディオマニアを震撼させた、定番中の定番の優秀録音CD。
ジェニファー・ウォーンズのボーカルとアコースティック楽器の音像の高さと前後位置、打ち込み系低音の広がりなど、前後左右に広大に広がる音場と、そこで展開する音像の位置と高さがオーディオ的にはチェックポイント。
単純な音質だけでなく、音場の広さ(高さと前後の奥行き)、音像の大きさや輪郭と密度のチェックや確認に好適。オーディオ部屋と装置の違いが露わになる。
エンジニアはバーニー・グランドマン。
https://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0901/26/news063.html
蛇足ですがステレオサウンド社から2010年に高音質石英ガラス純金CD盤で、限定100枚お値段12万円也でも発売された。
エンジニアは数々の優秀録音盤を生みだしたバーニー・グランドマン。
ピンクフロイド/Dark Side of the Moon(狂気)
AAD=アナログ録音、アナログ編集、デジタル・マスタリング(CDのみ)。
複雑に幾重にも重ねられた効果音をレコーディング・エンジニアのアラン・パーソンズは半年も!の期間を掛けて編集。パソコン編集、低コストでのアルバム編集が当たり前になってしまった現代では、このようなアルバムは2度と生まれてくることはないだろう。
音場の高さや奥行きも出ている。歴史的名盤。
全世界で5,000万枚以上も売れたアルバムでマスターはアナログ。USキャピタル盤CDだけでも再販に次ぐ再販が繰り返されプレス工場が異なったりする。
国内盤やミックス違い盤との音質比較は出来ないが、レコーディング・エンジニアのアラン・パーソンズが半年もの期間を掛けて編集した、1973年当時のマスタリング技術最高峰のひとつが聴ける。ジャケットに記載は無いがAAD。
デジタル編集全盛の現代でも、十二分に通用する優秀録音。幾重にも重ねられた効果音が注目されがちだが、音場の高さや前後感の奥行きも表現されている。
正に狂気!
ノラ・ジョーンズ/カム・アウェイ・ウィズ・ミー
ジャズに分類されることもありますが、ポップス好きの音楽ファンでも違和感なく聴ける癒し系アルバムなのでここで紹介。
全世界で3,000万枚以上のセールスを記録した今更言うまでもない優秀録音CD。
鮮度感が高く音質も良い。オーディオ装置の欠点を曝け出すタイプではなく、どんなシステムで聴いても良い音質で聴けてしまうのが敢えて言えば欠点か。
録音も良く2002年の発売当時は、オーディオ視聴チェックCDとしても一世を風靡した。
改めて聴き返してみても、決して色褪せることの無いエバーグリーンな大人のためのアルバム。
JAZZや音楽ジャンルの枠を超えた名盤中の名盤。本気で聴くも良し。BGMとして聴くのも良し。多くの人に聴いて貰いたいアルバムです。
但しこのアルバムに関しては再販盤SACDの意味はない。
今さら語るまでも無い高音質盤ではありますが、SACDリマスター盤のSACD層の音質はお勧めできません。SACDの音質はむしろ悪化しています。
ノラの歌、声の生々しさや実態感が薄れ、解像度や情報量も減っている。高域も伸びてない。SACDの長所が皆無。
ジャケ帯の宣伝文句
✖スーパーオーディオCDで蘇る
〇スーパーオーディオCDで劣化している
https://www.stereophile.com/content/5th-element-26
端的にまとめると、2002年初版オリジナルの録音はADD=アナログ録音デジタル編集デジタル・マスタリング。
編集済み16Bit44.1kHzCD用フォーマットのデジタル音源をSACDで再生できるようにリマスターしている。何故アナログマスターまで遡りSACDフォーマットに再編集マスタリングし直さないのか。SACD層は完全なる制作側の手抜き。
この音で「SACDの音は~」と語ってはいけない。
stereophileは詐欺だと断罪している。
ステレオファイルの記事が書かれた2004年時点でのアルバムセールスは全世界で800万枚。2025年現在3,000万枚のセールスを記録している。
儲かってるのに手抜きするな!
藤田恵美/camomile Best Audio 2
カモミール・シリーズは1作目から全てアナログテープ録音。76cm/sマルチトラック24chで直接音だけではなく、スタジオ録音ながらボーカル及び小編成アコースティック楽器の残響成分も別マイクで収録。
基本的に1発録りで、マスターの継ぎ接ぎ編集やピッチ編集は行っていない。
ProTools192kHz/24bitへデジタル変換の後、編集作業とマスタリングを行っている。
デジタル全盛時代になってからもADD=アナログ録音、デジタル編集、デジタル・マスタリング。
作品の音質にこだわり、敢えてコストも手間も掛かる手法を採用している。
音場の高さにもこだわった編集とリマスターで、オーディオ的にはカモミールシリーズの中では一押し。
ナチュラルな質感で、パソコン編集との違いを確認できるかも?ですね。
パソコン編集ではピッチ調整や数トラック収録しての継ぎ接ぎ(倍音や子音すら継ぎ接ぎ)が、今や当たり前になってしまっています。
一部には高域の位相がグチャグチャに乱れたCDや、音場が平面的になってしまう傾向があります。
アルバム制作に時間とコストを掛けられなくなってしまった弊害なのかもしれません。
優秀録音CDノンジャンル番外編
音楽的にはキワモノ。愛聴盤になるかどうかはアナタ次第。しかしDレンジ、Fレンジ共に広く超の字が付く優秀録音で音場も広大。オーディオチェック用として最高の4枚のCDを紹介。
GregorioPaniagua/La Folia/Harmonia Mundi Fr
スピーカー後方3m以上から発せられる炸裂音!他にもお茶目なパニアグアのいたずらが満載。
CD.SACDハイブリッド.アナログレコードの各メディアで発売されていた。
ハルモニアムンディ・レーベルから発売されたグレゴリオ・パニアグアのCDは、どれもが優秀録音高音質盤として推薦できます。
芸能山城組/恐山
大音量再生でご近所に音が漏れ、警察に通報されないように注意が必要。女性の悲鳴と言い怪しげな集会と誤解される可能性が大である。しかし、この広大な音場はヘッドフォンでは真価が発揮されない。オーディオ装置で聴きたいところ。装置の差が如実に出る。CDでもその音質は健在。
1.恐山はビクタースタジオ、2.胴の剣舞は杉並公会堂で収録。収録場所の音場感や空気感の違いが出るかもチェックポイント。
Googleで「芸能山城組」を検索すると予測変換で「宗教」と出るw
芸能山城組は宗教団体ではないが、人間の声の強烈な説得力や浸透力、そしてある種の異様さと危険性・・・声にはこれほどまでの情念や怨念が込められるのかと。そのような誤解や思い込みが生まれるのも理解できなくもない。
芸能山城組/輪廻交響楽
長岡鉄男「輪廻、翠星翠星交響楽を再生し切るのは、筆者のスピーカーしかないのではないか」
高島誠「CDではスペアナの20kHz、LPレコードでは25kHzが一瞬振れてLPレコードとCDの差が見られる。しかしLPレコード25KHzの振れはレコードを十数回もトレースすると消え去る運命にある」
芸能山城組/翠星交響楽
XLO Test & Burn-In CD
トラック6のキース・O・ジョンソン博士の語りと共に、音場空間の確認が出来ます。
3m後方(奥)からの音声がオーディオ装置ではどのように聴こえるか。スタジオ録音ながらも音場の奥行きや広さが感じられる、キース・O・ジョンソン博士が提唱する「ステレオフォニック・フィールド」マイキング手法を堪能あれ。
音楽ではなく『語り』なので、音場空間の中での『音像の立ち位置』を明確に判断できます。
スタジオ録音なのに録音技術が優秀だと、ここまで収録空間の広さや天井の高さが実感できるのです。
XLOケーブルの輸入代理店ノアの日本語解説書(20ページ)付属。
各種テストトーンに加えて、トラック6のキース・ジョンソンの音場空間解説は圧巻。
ジョンソン氏はリファレンス・レコーディングス社及びスペクトラル社の中心人物。音場の3次元空間録音及び音場再生オーディオシステムに確たる信念を持っている。
CD化はキース・O・ジョンソン博士が主幹するリファレンス・レコーディングス社。
今や入手難となってしまいましたが、同社のCDはテラークやマーキュリー・リビングプレゼンスと並び、優秀録音高音質盤が多数あります。

レーベルとして一貫したポリシーや、レコーディング・エンジニアが誰なのか、が高音質優秀録音盤が生まれる秘訣なのかもしれませんね。
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