シマノクランク米国で集団訴訟

2023年10月13日

シマノクランク自主回収

シマノが北米で11速デュラエース及びアルテグラのクランクセットのリコールプログラム実施を発表したことを受け、アメリカで集団訴訟が起こされた。

この訴訟でシマノは、該当クランクセットが破損する可能性があることを何年も前から認識しながら、自主回収の実施を2023年9月21日の発表まで保留していたと主張している。

全くの推測ですが、コロナ禍で生産が間に合わず欠品や納期遅れが数年続いていた。
今年に入ってから欧州や北米など需要の多い地域でもスポーツバイクの販売伸び悩み。
欠品続きだったシマノ製品、クランク含むの生産が間に合い余力も出てきたからではないかと。
生産余力が無かったですからね。

該当クランクセットは自転車が高速で走行している際、事前の兆候無しに破損しユーザーに怪我を負わせたり、最悪の場合ユーザーに致命的な事故を引き起こす可能性があることも指摘されている。

北米で76万セットが対象

対象クランクは世界では280万セット以上あると推測されています。
うち、シマノが把握している破損事例は4,519件。

Cyclingnewsの記事によるとスペシャライズドやトレックも集団訴訟の対象になっているらしい。

イギリスでは「2005年一般製品安全規則の要件を満たしていない」として、製品安全基準局が製品安全報告書を公表しています。

日本国内では10月中旬にユーザーに向けて手順の正式発表。10月30日より自主点検プログラム受付店にて点検開始となる予定です。

自主点検プログラム受付店も10月中旬に発表される予定。

受付店で点検の結果、要交換と判断されたクランクは現行12速のデュラエース又はアルテグラクランクを11速用に対応させた専用品で対応するとのこと。

点検で異常無しと判断されたのちに万一クランクの破損が発生してしまった場合、シマノがユーザーとの対応に責任を持って対応し、受付店が責任を負う必要はないそうです。

road.ccの検証

また、この記事によるとroad.ccは該当クランク破損の原因を探るため、グリニッジ大学主任講師及び機械工学プログラムリーダーであるマーク・ピングリー博士に検証を依頼。

破損の初期段階では接着面の分離が認められるものの、中空クランク内部に重大な腐食の傾向は見られなかった、とのことです。

結果としてクランク内部に錆び=ガルバニック腐食の発生が見られた例はあるが、ガルバニック腐食そのものがクラックの発生原因ではないということ。

最初にクランク接着面にクラックが発生してからは、洗車で内部に水分が侵入し錆びが発生、クランク割れの進行が急激に早まってしまう可能性は考えられますが、クランク内部の錆びが直接の発生要因ではないということ。

個人的には豪脚さんの巨大パワーも直接の原因ではなく、進行を早める2次的要因に過ぎないのではないかと推測。

ペダルやクランクをぶつけた瞬間的な強い衝撃、攻撃性の高いケミカル洗剤の使用とすすぎ洗い残し、温度変化による収縮と膨張は金属と差がある・・・わずかなピンホールが発生してしまったら、雨天ライドや洗車で中空クランク内部には錆びと接着剥離が発生する・・・。

接着部を傷める様々な要因が重なってのことだと推測しています。

シマノ(SHIMANO) FC-R8100 170mm 50x34T 2x12S
シマノ(SHIMANO) FC-R8100 170mm 50x34T 2x12S