ピュアオーディオにおけるステレオフォニックな音場再生
2chオーディオで形成されるファントム音場は、音源の方向と距離を感知できるようにプログラムされている我々人間にとって、本来不自然な現象なのかもしれない。
試聴位置と音像音場の関係

元記事では「左右スピーカー中央のスイートスポットから1人分ズレると~」とある。しかし1人分程度では横にズレても音像の配置や音場に変化が無い場合も少なくない。
なので、これを拡大解釈して試聴位置をスピーカーの外側まで更に広げて見た場合・・・
自宅のオーディオ部屋は横長配置なので、スピーカーの外側2mまで外れた位置で聴いてみる。
すると、図(b)のように近いスピーカー側に全ての音像が音場が移動し、遠いスピーカーからは音が出ているようには聴こえない音楽ソフトが多い。
オーディオフェア等の会場でも部屋のドアを開けたとき、又は横の壁際で聴いたとき、(a)のように音像定位がズレない場合と(b)のように音像が近いスピーカー側に引き寄せられて聴こえる場合がある。(ドアがスピーカー設置に対して横にある場合)
元記事:2チャンネルサウンド再生の魔法 -なぜこれほどまでに知られていないのか?(pdf形式)
IOAはイギリスの音響専門研究機関。

試聴位置が横にズレても音像定位が変わらないようにするために、元記事では要約すると部屋の音響特性とスピーカーの音響特性次第だとしている。
後方の壁からスピーカーを1m以上離し、また側方の壁からも1m以上離す。スピーカー後方の壁は反射性、リスナー後方の壁は吸音性が望ましい。
スピーカーは所謂3次元音場再生に優れたスピーカーが必要となる、としている。
ソフトの違い:ワンポイント録音とマルチマイク録音
引用が目的ではなく、ここからが本題。
どうやら試聴位置がずれると、ソフト次第で音像が片方のスピーカーに寄りやすいものと、試聴位置がスピーカーの外側2mまで外れても定位や音場が崩れないソフトがある。
マルチマイク録音、ミキシングで音像配置を編集しているソフトは、音像が片方のスピーカーに寄りやすい。
ワンポイントマイク録音、無指向性マイク録音でソフト自体に残響成分が含まれていると、スピーカーの外側2m離れても音像定位や音場がスピーカー中央のスイートスポットで聴くのと変わらない。
マーキュリー・リヴィング・プレゼンスやデッカのように3本1セットの無指向性マイク録音、ハルモニア・ムンディの教会録音などは、試聴位置を大きくスピーカー外側に取った場合の聴こえ方が明らかに違う。
音像定位や音場の形成が崩れない。
ノートルダム・ド・フォントヴロー王立修道院にて1991年11月録音。
マルセル・ペレスは1956 年アルジェリア生まれの音楽史研究家兼指揮者。1982年に中世音楽を演奏するアンサンブル・オルガヌムを結成。
演奏会場の広さ(壁)や天井の高さがはっきり見えるように残響が明確に聴こえる。
残響◯秒と再生音で計測出来そう。
合唱も録音も共に5つ星の超絶優秀録音の推薦盤。
どうやら、音場の前後方向の奥行き再現だけでなく、マルチマイクのミキシング編集されたソフトと、編集で可能な限り手を加えないワンポイントマイク録音のソフト、無指向性マイクで残響成分が収録されたソフトの違いが、試聴位置を大きく外した場合でも違いがあるようだ。




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