スギノB.B. CONVERTER IDS24
シマノ製ロードバイク用クランク・ホローテック2に対応した、シャフト径24mm互換のスギノBB。
2台に取り付けて使用しておりシマノ製BBと比較検証。雨天走行含めてかなりの期間経過を確認できたので改めてレビューします。
BB86規格用SHPFのレビューになりますが様々な規格のBBに対応した製品となっており、基本性能や構造は同じです。他の規格のタイプのBBでも参考になるかと思います。
スギノSHPF BB86スチールベアリング・ボトムブラケット
内径41mmシェル幅86.5ｍｍ圧入式BB86規格対応
https://www.suginoltd.co.jp/products/bb/converter.htmlBB86対応以外にも、スレッド式BSA(JIS)、BB386EVO、PF30、PF30A、BB30、BB30Aに対応したバリエーションがあります。
インプレッション
シマノ純正BBとの比較では回転が軽いです。乗って差を感じるほどではありませんが、BB単体を手で回してみると明確に差が分かります。
シマノの名誉のために補足すると、シマノ製BBは接触シールベアリングに2重シールをさらに追加した構造のため、シールの回転抵抗が増えてしまうためです。
ベアリング自体の精度や回転性能が悪い訳ではなく、雨や埃への耐性を含めて耐久性とメンテナンスフリーで如何に長く使えるかを考えているからです。
そのシマノBBより回転が軽くて、セラミックベアリングのように高額でない比較的お手頃な価格。
コスパと耐久性や回転の軽さのバランスの取れた落としどころの丁度良いところに、スギノ製スチールベアリングBBのポジショニングがあると感じています。
スギノ製BBにはセラミックベアリング仕様もあります。しかし正直に打ち明けると、セラミックベアリング仕様はお勧めできません。
理由はグリス粘度の影響で回転が特別軽い訳ではない。無負荷空転手回しでも僅かな差しか感じられないし、乗車してのペダリングではスチールベアリングと全く差が感じられない。
そして何よりも耐久性に難があります。セラミックボールの硬度に負けてベアリングのレースが削れガタが直ぐに出てしまう。
スギノ・セラミックBBに限った話ではありませんがレースに特殊な耐摩耗コーティングされていないと、寿命の短いセラミックベアリングは多いです。
走行条件、ゆるポタかレース含めた高負荷トレーニングか、使い方でBBに掛かる負荷が違うので一概には言えませんが、3,000~5,000km程度でガタやゴリつきが発生してしまい寿命を迎えてしまいます。
後輪タイヤとほぼ同じ製品寿命では流石にお勧めすることは出来ません。
その点スチールベアリング仕様なら、耐久性に全く問題はなく安心して使い続けられます。
2台のバイクに取りつけて5年以上経過していますが、異音の発生や埃の侵入など気になるトラブルも一切なし！
安心して使える、自信を持ってお勧め出来るBBです。
スギノBB取扱いの注意点
カートリッジベアリングが使われている圧入式BB故に、基本的に頻繁な付け外しは避けるべき。
フレームのためにも、取り外すときは新品に交換するとき、と考えておく方が良いです。
高圧洗浄禁止。埃の溜まりやすいBB付近を高圧洗浄してしまうと内部に水が浸入しやすいです。
分解禁止！保証対象外になります。
メーカーの注意事項を理解した上で、自己責任において構造を確認するために分解してみると・・・
ベアリングは特殊サイズではなく既成の6805が使われています。
シマノ製BBは外径内径は同じですが、厚み6mmの特殊な専用サイズのベアリングが使われていたりします。
6805ベアリング：外径37mm×内径25mm×厚み7mm
雨天走行するサイクリストや耐久性重視、可能な限りメンテナンス頻度を減らしたいなら接触シールタイプを
雨の日は走らない、回転の軽さを重視するなら非接触シールタイプのベアリングをお勧めします。
しかし・・・
樹脂カバーの外周に取り付けてある、この細いゴムパッキンが注意事項の説明の通り元に戻せなくなってしまいます。
防水性、対塵性が落ちてしまいます。構造確認のため自己責任で分解しました。お勧めは出来ません。
しかし防水防塵のために必要なシールですが、抵抗となるので外すと回転はさらに良くなります(小声で)
構造やデメリットを理解した上で、自己責任でのチューニングも可能です。
注意事項を理解した上での通常使用なら、故障やトラブルもなくシマノ製BBよりも回転は軽く、スギノSHPF BB86スチールベアリング・ボトムブラケットはお勧めのBBです。
繰り返しますが、お勧めはスチールベアリング仕様のBBです。
