サラ・ヴォーン「ラバーズ コンチェルト」

2019年3月3日

A Lover’s ConcertoはフジTV月9のドラマ不機嫌なジーンやCM、映画の挿入歌にもなっているポピュラーソング。原曲はバッハのメヌエットといわれています。そのラヴァーズ・コンチェルトをサラ・ヴォーンがこぶしをきかせて大胆なフェイクで歌いあげる。

アルバムに収められているほかの曲も、馴染みのある名曲ばかり。ジャズボーカル入門から、いつまでも飽きずに聴けるエバーグリーンなアルバム。ゆったりした休日に聴きたくなるアルバムです。JAZZボーカル入門にもお勧めできます。

しかし、そこはサラ・ヴォーン、あっさりした軽さとは無縁、濃い~ですわ。肩の力を抜いて歌っても、少々の崩しが入っても、原曲を損なわずに、でも歌っているのはやっぱりサラ・ヴォーン。優れた歌唱力と説得力に満ち溢れたサラ・ヴォーンのボーカルに他なりません。

このアルバムのような「聴いた事ある~」曲からサラ・ヴォーンやジャズボーカルに触れて、枯葉にも辿り着いて欲しい。本当のジャズボーカルの魅力、サラ・ヴォーンの魅力や凄さは枯葉にこそあると、僕は思っています。

重苦しいとか、暑苦しい、くどい、と感じる人もいるかもしれませんが、ダイナミックにスイングする迫力と疾走感が、ジャズの魅力だと思っています。

パワーとエネルギーが伝わってくると言うか。

安心して聴ける無難ポピュラーソングから、ぶっ飛んだアドリブスキャットまで。ジャズボーカルの女王の名は伊達ではありません。

アルバム収録曲は

  1. ラヴァーズ・コンチェルト
  2. スターダスト
  3. 酒とバラの日々
  4. ムーン・リヴァー
  5. いそしぎ
  6. セプテンバー・ソング
  7. イエスタデイ
  8. ミスティ
  9. オール・オブ・ミー
  10. マイ・ファニー・ヴァレンタイン
  11. 煙が目にしみる
  12. 誰かが誰かを愛してる
  13. イパネマの娘
  14. シャレード
  15. ラブ
  16. ミッシェル
  17. ダニー・ボーイ
  18. 想い出のサンフランシスコ
著者 :
ユニバーサル ミュージック クラシック
発売日 :

サラ・ヴォーンのDVDも久しぶりに見直して、レビューしたいと思います。