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『長岡鉄男の仕事』伝説のオーディオ評論家 その生涯とマスターピース

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長岡鉄男の仕事 伝説のオーディオ評論家 その生涯とマスターピース

音楽之友社より8月5日に刊行された『長岡鉄男の仕事』伝説のオーディオ評論家 その生涯とマスターピース

早速読了し、オーディオ観としても音楽ソフト評としてもお勧め出来る本なので紹介したいと思います。

長岡鉄男は1926年1月5日生まれ~2000年5月29日没、享年74歳。

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オーディオ評論

オーディオは次から次へとグレードアップの時代から、使いこなしの時代に入った。使いこなし次第では、20万円のコンポから100万円の音が出せる、というのは言い過ぎだが、フルに使いこなした20万円コンポは、下手に使われた100万円コンポを凌ぐ、ということは充分にあり得るのだ。

週刊FM 1981年11月号より『長岡鉄男の仕事』へ抜粋

コンポではなく単品価格になりますが、1981年当時のオーディオ機材の価格は、、、

JBL4344130万円
タンオイ・オートグラフ145万円
マークレビンソンLNP-2L152万円
マッキントッシュMC2500129万8,000円
EMT930st139万9,000円

アナログプレーヤー用トーンアームはSME3010Rが8万8,000円。サエク、FR、オーディオクラフト等の国産最上級も1桁万円だった時代です。

100万円が最高額や最高級の一つの目安として使われていた。

2026年現在は、市場規模が縮小し原材料や輸送費高騰、円安等々の様々な要因から価格高騰の一途をたどるオーディオ機器。
氏が在銘だったなら、今のオーディオ機材をどう評論するだろうか?

極めて個人的な趣味であるオーディオ。その音は部屋にも大きく左右される。自室の特性を最も知るのは自分自身。

機材高騰の今こそ、長岡鉄男の言う「価格を凌駕する使いこなし」を再確認するべきではないかと思う。

オーディオに於いては使いこなし次第で『価格の逆転現象』は充分にあり得るのです。

イチローや大谷翔平が安物バット、僕が最高級バットを使ったところで、比較するのも失礼なくらい天地の差がある。
ポガチャルが20万円、僕が10倍の200万円のロードバイクで挑んだところでポガチャルの方が圧倒的に速い。
オーディオもスポーツも同じかと。

使いこなしや組み合わせで音が変わるのは、改めて言うことでもないかもしれませんが・・・。

アンプやケーブルで音は変わりますが、その音質は価格に比例している訳ではありません。
部屋が狭いのに大型スピーカーを導入するよりも、吟味した小型スピーカーの方が良い音への近道かもですね。

「ケーブルで音は変わらない」派の人達は「50万円のケーブルで音が変わる測定値やエビデンス示せ」と言うけれど、金額の問題ではないんだよね。
オヤイデなどでOFC単線でスピーカーケーブル自作して比較試聴してみると良いと思うよ。銀単線は価格が上がってしまったけどOFC単線ならまだ安いし。スピーカーケーブルなら端子も端末処理も無しで、最短で繋げば最安数百円からの投資で比較試聴できる。
撚り線vs単線、平行線vsツイスト線など、構造の違いで音が変わる事を経験してみたらと思うよ。
銀単線も違いが分かりやすいのだけど、最近の価格高騰で気軽に試せなくなったのは残念・・・。

1985年発売ケンウッドKP-1100をカートリッジ次第だがと前置きした上でだが「CD時代に輝くADの星」、1999年発売ソニーSCD-1評では「CDはそのまま残りSACDはハイエンドユーザーに歓迎される」は、2026年の今読んでも通用する先見性。

アンプの音質差が大きかったとしても、ソースを含めた装置全体や、リスナーの識別能力次第では差が全然わからないこともある。平均からいえば、わからない方が多いかもしれない。
わからなければそれでいいのであって、気にすることはまったくない。サントリーとニッカの違いがわからないからといって、その人が能力が低いということにはならないのである。

多くの人が方舟を訪問した長岡鉄男氏と経験値は比較になりませんが、これには全く同感。

敢えて付け加えるなら部屋の音響特性、特に音響対策をしていない普通の木造住宅と鉄筋コンクリートのマンションでは同じ装置でも音がかなり変わる。
鉄筋コンクリートは反射が強くて部屋の音が支配的になりがち。インシュレーターやスパイク等の震動制御系アクセサリーも、盛大に震動しまくるヤワな木造住宅と鉄筋コンクリート造のマンションでは、音の変化量が大きく異なります。

音楽ソフト評

「いい音楽よりも、いい音を求めてソフトを集めた」「ゲテモノ好き」を自任する長岡鉄男。

「日本の自衛隊」など音楽とは言えないレコードも高く評価しているが、仏ハルモニアムンディ、仏オコラ、米ノンサッチなどのマイナーレーベルで、民族音楽やバッハ以前の古代中世の音楽の優秀録音を広めた功績は大きい。

著者 :
ビクターエンタテインメント
発売日 :
ビクター日本盤
これぞ高音質優秀録音CD。実在感ある生々しいボーカルや古楽器の音像と、前後に深い奥行きのある広大な音場が見事に両立している。
オーディオ試聴用&チェック用に最適。システムやセッティング次第で、音場の奥行きは大きく変わります。
60Hz付近の太鼓の低音もなかなかのもの。
ハルモニア・ムンディのグレゴリオ・パニアグア盤はどれもが優秀録音盤として間違い無く推薦出来る。その中でもこの『古代ギリシャの音楽』は最高傑作と言っても過言ではない。

芸能山城組も氏が評価したことで認知度が上がったことは間違いないところ。

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本書では引用はないが、古楽器や民族楽器の20kHzを超える複雑な倍音成分。アナログレコードとCDでの比較試聴では違いがあることも氏は語っている。

古楽器や民族楽器のパルシブで複雑な超高域の倍音成分は聴いていても気持ちよいし、オーディオ機材の比較試聴にも好適です。

1973年ラジオフランスにてスタジオ録音。ADD。デジタル化CD化は仏ハルモニア・ムンディ。
「演奏は超人的テクニック。FレンジDレンジ共に広大、歪みゼロ、透明度最高、トランジェントは前代未聞。ボリュームを上げて聴くと超高速の衝撃波が鼓膜を直撃。この録音の素晴らしさ凄まじさは言葉では表現できない」と故長岡鉄男が評した録音のCD盤。

自作スピーカー

スーパースワンやバックロードホーン型D-55など、氏の設計製作した6種のスピーカーを図面入りで紹介されています。

ソフトや機材の音出評価

長岡鉄男がオーディオ機器や優秀録音ソフトを評価する誉め言葉として、

・ハードでシャープに切れ込む

・エネルギー感が爆発

・トランジェント抜群

・まさに目が覚めるような

・広大な3次元音場

・筋金入りの低音

・叩きつけるような大迫力

等がある。

本書編集者の対談では「マニア訪問の取材で長岡スピーカーを使っている家で聴かせてもらうと、本当に素晴らしい音がする。でも自宅で流行りのポップスを聴いてもピンと来ない」
「スワンでワンポイントマイク録音のソフトを聴くと素晴らしい臨場感。でもマルチマイク録音やコンプレッサーを掛けたソフトを聴くと普通の音しかしない」

長岡スピーカーに限った話ではなく、解像度の高い3次元音場を提示するオーディオシステムでは同じ現象が起きる。
解像度を追求し過ぎると、ボーカルのピッチ修正やエコーやコンプ等の「後から編集で手を加えた」部分がはっきり分かるように聴こえてしまい、音楽を聴くうえで妨げに・・それどころか加工があからさまで白けてしまうソフトも少なからず・・・。

優秀録音ソフトはオーディオ機材の試聴用として優秀だし、機材のグレードをワンランクも2ランクも上げたのと同様の音質を得ることも可能なのです。

個人的にはマルチトラック録音と無指向性マイクのワンポイント録音、マイクを使わない電子楽器とアコースティック楽器のソフトは一部を除き、優劣ではなくオーディオ機器の比較試聴をする上では全く別物のソフトだと思う。
音場情報や位相差成分が含まれていないソフトでは、それらがどのように再生されるかが分からないので。

優秀録音ソフトを様々なオーディオ装置で聴いてみると・・・そのあまりの違いに驚くこと請け合いです。

好みの良く聴く音楽とオーディオ機材とのバランスのとり方や兼ね合いも大事ですね。

ハーベスやソナスファベールなどのスピーカー愛好者は、キリキリに解像度を追求し過ぎずにバランス重視な印象があります。

生まれから方舟新築・・そして・・

1927年の誕生から1985年の方舟新築までの引っ越しや興味を持っていた趣味、仕事や当時使用していたオーディオ遍歴など。

ここでは引用を割愛。興味があれば『長岡鉄男の仕事』をお読みください。

1926年1月生まれ2000年5月没、長岡鉄男生誕100年のまとめ本。
自作スピーカー、高価なオーディオ機材には目もくれず独自の視点でコスパ重視の国産機を評価。
1970年代からハリー・ピアソンが提唱した3次元音場の音場再生=ハイエンド・オーディオ(高額高級オーディオの意ではない)を日本国内で広めたのは傅信幸。この説に異論はないが、長岡鉄男もほぼ時を同じくして3次元音場を実践していた。
ソフト評では「音楽評ではなく音質評」「ゲテモノ」を自認するが、仏ハルモニアムンディ、仏オコラ、米ノンサッチ等の良質な録音に留まらないマイナーな民族音楽やバロック、ルネサンス期以前の古代中世の音楽を広めた功績も忘れてはならない。
芸能山城組も氏が評価して知名度が上がった。
市場規模が縮小し原材料や輸送費高騰、円安等々の様々な要因から価格高騰の一途をたどるオーディオ機器。オーディオの原点に返る意味でも、また高額オーディオに反感を持つ人にも読んで貰いたい。

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