栗村修の輪生相談|削除⇒再掲載は何だったのか

2023年1月20日

サイクリング

【輪生相談】近年のロードバイクの値段の高騰について、お聞きしたいです│サイクルロードレースコラム

J-SportsWEBサイトの人気連載記事、栗村修の輪生相談に1月18日に公開された記事が公開後約半日も経たずに非公開。その後再掲載されTwitterでも話題になり物議を醸しました。

業界の未来を危惧する真っ当な意見だと思うのですが「圧力がかかったのではないか?」「メーカーに不都合がある記事だから?」などなど・・・。

記事の削除再掲載についての憶測はともかく、業界の将来について問題提起となる記事なので、内容を深堀して議論を進めることは大切なことではないかと思います。

近年のスポーツバイクの値上げについて

ロードバイク

コロナ禍、円安による為替の影響、原材料や人件費の高騰、輸送費の値上がり・・・などなど

様々な理由でスポーツバイクの値上がりが止まりません。スポーツバイクに限らずママチャリや電動アシスト自転車、全ての自転車の値段が上がっています。

自転車に限らず、食品を始め全ての物が値上げになっている訳ですが・・・。

5万円でお釣りが来ていたクロスバイクの代表格GIANTエスケープR3も、2023年モデルは税込み79,200円にもなっています。
仕様はほぼ変わっていないのに。

このご時世で値上げは仕方がないことだと思います。しかし・・・他の商品やサービスで価格が1.5倍以上になっているモノがあるのだろうか?

エスケープR3を例に挙げましたが、ママチャリや幼児車からハイエンドロードバイクまで、何から何まであらゆる自転車がおよそ1.5倍以上の値上がりになってしまっています。

ママチャリや幼児車、電動アシスト自転車は生活必需品。スポーツバイクは趣味のアイテムの違いはありますが。

栗村さんも危惧しているように、このままではスポーツバイク人口の減少や、市場の縮小が進んでしまうのではないかと。

只でさえ少子化で若年層の人口が減少傾向なのに、ですよ。

値上げがケシカランと言っている訳ではない

値上げ、価格改正

このご時世、繰り返しますが値上げ自体は仕方がないことです。値上がり自体に文句を言っているのではありません。

マイナースポーツとも言える自転車趣味が、このままでは10年後20年後には先細りになってしまうのではないか?

モノや情報が溢れ価値観が多様化している現在に於いて、入門者がその趣味に必要なモノを揃える金額は低いに越したことはない。

既にロードバイクに乗っている人、スポーツバイク趣味を持っている人にとっても、継続するには価格上昇は最小限であるに越したことはありません。

「ロードバイク買うなら105以上でないと」・・・ディスクブレーキの普及で廉価版でもブレーキの効きが良くなりこの言葉も過去のものになりつつありますが、ソラもティアグラもアルタスだって値上がってるのだから105縛りの考え方がおかしいと言うのは議論のすり替えのように感じてしまいます。
入門者やライト層に用途や予算を聞くことも無く勧めてしまうのは問題ですが。

ハイエンドバイクやデュラエースを選択肢から外せば良い、と言うのも議論のすり替え。デュラエースやハイエンドバイクだけ値段が上がっているのではないのですから。

ウェア等はワークマンやブランド品以外のアパレルメーカーが増えて価格破壊が起こっています。しかしハードウェア=自転車本体や部品の価格は上昇していくばかり。

業界の未来はどうなっていくのでしょうか。

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自動車のようにメーカー主導で認定中古車であるとか、オートバイのように中古車の信頼性向上や普及も今後必要になるのではないでしょうか。
中古市場の整備と活性化だけで解決する問題ではありません。

グレードアップするユーザーや(まだ使えるのに)買い替えるユーザーがいるから、中古市場に製品が出回って来る訳で。
製造メーカーもサイクルショップも、新車が売れなければいずれは衰退に向かうだけになってしまう。

中古市場にも製品は出回らなくなってしまう。新製品の需要と供給があってこそ、中古市場が循環しているのだから。

栗村さんの記事はスポーツバイク業界や界隈への問題提起である

スポーツバイク環境の未来

記事や栗村さんの発言に対して様々な意見があると思います。

車社会で決して自転車、スポーツバイクで走るには決して優しくない日本の道路事情。

昨今の実質1.5倍以上の値上げで界隈の未来がどのように変わるのか?

スポーツバイク業界や趣味の環境の10年後、20年後はどうなっているのか?

2022年は一般車を含めた自転車の輸入台数が大幅に減少したとも聞きました。

部品の供給が間に合わず生産できない事情もあったかと思われますが・・・

2台目3台目の購入を検討している経験者は納期の遅れや入荷待ちは、今乗れるバイクがあれば欲しい物が手に入るのを待つことが出来ます。

しかしこれから始める入門者さんが欲しい自転車を買うのに半年待ちや1年待ちとなってしまうのは問題。

現在のスポーツバイク市場の状況が続くと、ユーザーの環境や新規参入者の動向がどのように変わっていくのか。

今後も考え、見届けていきたいと思います。