ショートクランクのトレンドについて|別府史之
ショートクランクの使い手の象徴的存在ポガチャル。
その圧倒的な強さと相まって、165mmショートクランクが話題をさらい流行にもなっています。

別府史之さんのfacebookより
ショートクランクと近年の前乗りポジションは誰にでも向くとは限らないし、安全面やバイクの操作では問題点もあるよ、という話。
全文を是非一読ください。
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しかし、安全面では注意が必要です。タイムトライアルのような深い前傾姿勢はバランスが不安定で、また前乗りで長いステム、狭いハンドルバーは確かにエアロ効果を高める反面、バイクコントロールが難しくなります。スキル不足の場合、落車のリスクが上昇し、近年レースでの事故増加の一因とも指摘されています。
ショートクランクのトレンドについて|別府史之
公道をタイムトライアルバイクのようなバイクのポジションのロードバイクでスピード追求するのはリスクが高く、一般ライダーにはおすすめできません。
結局のところ、自分に合ったカスタマイズと安全なライディングが最も重要だと私は思います。
最近話題のショートクランクについて – 世界の自転車学会の見解について
サンメリットBIKE FITスタジオ伏見真希門氏に見解
サイクリストとしてレベルが高くなるにつれ、ある割合のサイクリストの大腿部と臀部の腸骨付近の血流が阻害されるという議題でした。この講演をされた方もスケートから自転車に転向したが、レベルが高くなる過程でパフォーマンスが落ちるといった問題があったようです。ヨーロッパの医療界は過去から同じ問題があり、原因が腸骨付近の動脈の血流量が筋肉量の増大とによるものとする調査結果がありました。
さらに学会では腸腰筋の肥大で動脈の血流量が阻害されることが発表されました。これは非常にやっかいな問題ですね。スピードスケートの世界でも同じ問題があるようです。

ショートクランクとセットで出力が出しやすくなる
・極端な前乗り
・低いハンドルに深い前傾姿勢
・狭いハンドルバーにブラケット内向き
これらが重なると乗員を含めたバイク全体の重心位置が前方に。操作系を司る握りの位置が狭い事も相まって、一般サイクリストにとっては乗り物を的確に操作する点において、決して適切とは言えないポジションになっている。

ルーン・ヘレゴッツ(UAE Team Emirates)の極端な内向きブラケット。
空気抵抗を減らすには有効な手段なのでしょうが、緊急回避含めバイクコントロールの点では疑問も残る。
他者と共存する一般公道での走行。急な飛び出しを始め緊急回避や、段差や障害物やらを回避する場面で、素早く的確に自転車を操作するポジションやセッティングを忘れてはいけないと思うところ。
『急』を要する操作が必要になったとき重心位置が前でハンドルが狭いと、別府さんの言うように不安定な状態に陥り易く、コントロールしずらくて落車にもなりやすい。
一般サイクリストが公道での緊急回避→前乗りから瞬間的に後方重心に移動可能かどうか・・・しかも避けたりブレーキングしたり状況を見極めながら・・・。

親指を立てて5本指全部で上から鷲掴みするようなこのブラケットの握り方。
旧型比で最新のディスクブレーキ用STIレバーは握り易くなり引っ掛かりがあるとは言え・・・一般サイクリストがヘタに真似すると、段差に煽られてレバーから手がすっぽ抜けて離れてしまい落車に繋がってもおかしくない。

速く走ること、出力を上げることが全てじゃない。
どんな状況でもコントロールし易いポジションやフォーム、セッティングも大切だと思うところ。
僕自身のことと言えば、30代前半の頃までは典型的なハイケイデンス型。165~170mmまでクランク長試して、結局167.5mmを使っていました。当時は32Tなどの軽いローギヤが無かったため、インナー39Tのローギヤ25Tや最大でも28Tでのヒルクライムを強いられるので、90~100回転で回す平地とケイデンスが落ちるヒルクライムとの妥協点で167.5mm。
今は衰えを隠せず平坦路でケイデンス100回転維持は無理な話。170mmクランクでハンドル位置も低すぎず後乗りぎみ、ブラケットも平行のポジションに落ち着いています。
最強最速のプロ選手の手法が、サイクリスト全てに当てはまる最善最良の手法ではないと言うことです。
機材選びも同じですね。
シマノ(SHIMANO) FC-R9200 165mm 50x34T
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