ピエト・モンドリアン

2019年11月21日雑感

ピエト・モンドリアン(Piet Mondrian)

オランダ出身の画家。1872年3月7日生まれ~1944年2月1日没。ピカソやブラックが提唱するキュビズムの影響を強く受ける。その後、具体的な対象物を描かない抽象画への志向を強める。

キュビズムとは20世紀初めのパリで、パブロ・ピカソとジョルジュ・ブラックによって生み出された、新たな美術表現の試み。 一つの対象を固定した単一の視点で描くのではなく、複数の視点から見たイメージを、1枚の絵の中に集約し表現した。大きな革新であり変革でもあり、20世紀美術史上の革命と言われている。

モンドリアンは自身の作風と芸術理論を新造形主義と名付ける。対象をどのように描くかではなく、その形そのものに美が宿るのだと。絵画の枠を超えて、デザインや造形、設計に通じるものがある。

新造形主義は垂直線と水平線によって図柄をデッサンし、直線のみによって形作られるグリッド(格子)を赤、青、黄の三原色を基本に配色。他の色は白、黒が使われるのみ。一部に灰色を補色に使用する。神智学に基づく合理性の高い、秩序と調和の取れた構成になっている。

デザインやファッションに多大な影響を与えた

ファッションやデザインのモチーフとしても使われ、モンドリアン絵画の象徴となっている作品コンポジション。数々のバリエーションを経て赤、青、黄のコンポジションにたどり着くまでにおよそ10年。1965年にイヴ・サンローランもドレスにそのデザインを取り入れている。ナイキやコンバースのシューズにも取り入れられている。

「モンドリアンルック」はサンローランを筆頭にしたファッションデザインのことだけれども、自転車乗りにとっては自転車メーカーのLOOKや、ツールドフランス5回優勝のレジェンド、ベルナール・イノーが在籍していたプロチームLa Vie Claireのこと。

LOOK Bikes

La Vie Claireプロサイクリングチームの正式なチーム名は、La Vie Claire Terraillon→La Vie Claire Wonder Radar→TOSHIBA LOOK La Vie Claireと変遷。

ラ・ヴィ・クレールは実業家ベルナール・タピがオーナーのフランスの健康食品チェーン。LOOK社や電池や自転車のライトを製造していたWONDER社もタピの所有だった。Terraillonも当時はタピが所有していた体重計やキッチンスケール、時計や家電を製造しているフランスの企業。サッカーチームを所有し会長職に収まったり、アディダスの筆頭株主だった過去もある。テレビ出演や政治家として名を馳せたこともある野心家。

東芝以外は全てベルナール・タピが所有している企業がスポンサーになていた。LOOK、La Vie Claire、WONDER社の企業ロゴには、全てモンドリアンカラーがあしらわれていた。だからチームウェアもモンドリアンカラーになったのですね。

ルコックスポルティフからもモンドリアン柄のサイクルジャージが一時期発売されていて、まるでLOOKだ!と話題になっていた。

サイクリングの休息中にサイクリストではない人から「こんにちは。すいません、話しかけてもいいでしょうか?」と突然声を掛けられたことがあります。話が進むと、なんとその人はニューヨーク近代美術館にモンドリアンの赤、青、黄のコンポジションを鑑賞しに行ったことがあるという人でした。楽しく話ができ、出会いって素晴らしいな、と思えた経験でした。モンドリアンカラーのLOOKに乗っていると、こんな出会いにもめぐり合えるんだなと。

モンドリアンにインスパイアされデザインされた住宅

Branimira Ivanova(ブラニミラ・イヴァノヴァ)さんとDesislava Ivanova(デジスラヴァ・イヴァノヴァ)さんの2人のデザイナーが、このインテリアデザインを手掛けた。

超かっこいい!凄い!でも僕のような俗な人間には、生活感が全くない部屋は絶対に似合わないな。おそらく僕には買えないような価格だろうし。

そして、こちらは・・・

実在する住宅ではないそうです。

智慧と青黄赤白黒とモンドリアン

Amazonでも生活雑貨やポスターを始め、モンドリアンカラーのグッズが今でも沢山あります。

モンドリアンの新造形主義は時代に流されることなく、一時の流行で消える事は無い。理にかなった造形なのだなと思います。優れたものは決して消え去ることがない。時代を超越し不滅なのだと。

幾何学的に直線で区切られた四角形に青黄赤の色彩。

和食の盛り付けの基本に青黄赤白黒(しょうおうしゃくびゃっこく)の概念があり、この5色を仏教では五色(ごしき)と呼び智慧を表している。

智慧(ちえ)とは一切の現象や現象の背後にある道理を見極め、真理に即して正しく物事を認識し判断する能力の仏教用語。

モンドリアンは仏教に通じていたのだろうか。

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