2021ストラーデビアンケ

2021年3月9日

ストラーデビアンケ

2021ストラーデビアンケ/マチュー・ファンデプール

イタリア中部トスカーナ州シエナ地方をスタート&ゴールとする丘陵地帯で2007年から開催され、2021年の今年で第15回目の開催となる。歴史の浅いレースであるがUCIワールドツアーに組み込まれ、著名な有力選手がこぞって出場し、重要度と注目度を増しているワンデーレース。

今年は3月6日に開催された。

イタリア語で「白い道」を意味するStrade Bianche。断続的なアップダウンのあるコースは全長184.42km、獲得標高は3,342m。

コースには白い道の名の通り、長さ1~12kmの未舗装区間が断続的に現れる。ダート区間は計11セクター、コースの3分の1にも及ぶ全長63km。ゴール地点は最大斜度16%サンカタリーナ通りの石畳の激坂を超えた、シエナ旧市街カンポ広場に設定されている。

歴代優勝者にはファビアン・カンチェラーラ(2008,2012,2016年の3回)、ジュリアン・アラフィリップ(2019年)、ワウト・ファンアールト(2020年)など、錚々たる顔ぶれが名を連ねている。

レース結果|優勝者はマチュー・ファンデルプール

170km地点のセクター11、最大斜度18%距離1.1kmのレ・トルフェ未舗装路で、マチュー・ファンデルプール(オランダ)がアタック。先頭集団は現世界チャンピオンのジュリアン・アラフィリップ(フランス)と2019年ツール・ド・フランスの覇者エガン・ベルナル(コロンビア)の3人に絞られる。

砂埃舞う「白い道」で世界王者とツール覇者を下したマチュー・ファンデルプールが初優勝|Cyclowaired

ゴール手前サンカタリーナの石畳最後の登り、最大斜度16%の激坂で驚異的なアタックを決め、アラフィリップとベルナルを置き去りにしたマチュー・ファンデルプール。

リザルト

  1. マチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス、オランダ) 4:40’29’’
  2. ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ、フランス) +0’05”
  3. エガン・ベルナル(イネオス・グレナディアーズ、コロンビア) +0’20”
  4. ワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィズマ、ベルギー) +0’50”
  5. トーマス・ピドコック(イネオス・グレナディアーズ、イギリス) +0’54”
  6. ミヒャエル・ゴーグル(ミヒャエル・ゴグル、オーストラリア) +0’54”
  7. タデイ・ポガチャル(UAEエミレーツ) +0’54”

2位はマイヨーアルカンシェルを身にまとう現世界チャンピオンのジュリアン・アラフィリップ。

3位入賞と健闘したのはエガン・ベルナル。ステージレース総合系の軽量クライマーであるベルナルの入賞も驚きに価する素晴らしい走りを見せてくれました。

驚異的なアタック!豪脚大爆発である。

映像を見ただけで強烈なアタックの凄さが判りますが、その優勝したマチュー・ファンデルプールの出力データが公開されました。

優勝したマチュー・ファンデルプールの出力データ

https://twitter.com/AlpecinFenix/status/1368861696782045187

186kmのレース全体での平均出力は389w。アタック時60秒間の平均出力738w。

Mathieu van der Poel won Strade Bianche with a 1,000 watt attack|VeloNews

Strade Bianche 2021/Mathieu Van der poel/Strava

アタック時の出力を20秒間に絞ると、その平均出力は1,004w。最大出力は、なんと1,362w!!

その間の心拍数は20秒の短時間なので大きな変動はなく平均186bpm、最大188bpm。

ケイデンスは平均86rpm、最大101rpm。

凄い。人間離れした凄まじさと言うほかにない。

そして、もう一つの話題は使用バイク。

カスタム化されたCanyon Aeroad CFR

アルペシン・フェニックスはキャニオンがオフィシャルバイクサプライヤー。

Canyon Aeroad CFRを駆るマチュー・ファンデルプール。直前に出場したミニ・パリ〜ルーベの異名を持つクラシック1dayレース、ル・サミンでCanyon CF SLXのハンドルがブラケット部分から破損のトラブルに見舞われています。

ル・サミンのゴール手前では上ハンを持って集団をけん引。

右デュアルコントロールレバーをぶら下げながら先頭集団を引っ張っています。

優勝したストラーデビアンケで駆るバイクは映像を見ると判るように、コクピット周りのワイヤー&ディスクブレーキホース類は完全内装ではありませんでした。

CP00010コクピットを取り付けてカスタムされたCanyon Aeroad CFRは、ダウンチューブに穴が開けられており、破損トラブルに見舞われたハンドル幅調整可能なCP00015又はCP00018コクピットは使われていない。

完全内装やらエアロどこ吹く風である。空気抵抗なんのそのであります。

シーズン初めから注目を集めるマチュー・ファンデルプール。2020~2021シクロクロス世界選手権連覇の実力者でもあります。

今後もマチュー・ファンデルプールから目が離せませんね。

歴史が浅い割に注目度が急激に上がっているのも納得の、素晴らしい内容のあるレースでした。

キャニオンはこの破損トラブルを受け、ユーザーに使用中止を呼びかけ原因を調査しています。

対象バイクは新型 Aeroad CFR Disc R065及び、新型 Aeroad CF SLX Disc R081の2車種。

3月19日追加情報

日本語での情報が現時点でありませんが、キャニオンはユーザーにメールで交換対応する旨を連絡済みな模様。