星井さえこ『おりたたみ自転車はじめました』

2021年3月13日

おりたたみ自転車はじめました|星井さえこ

星井さえこさん著&画『おりたたみ自転車はじめました』

ほっこり癒し系、お手軽自転車旅の入門書。

多忙な仕事に追われ、アウトドアの趣味や屋外でのアクティビティに無縁だった著者の星井さえこさん。

ふとしたきっかけから、折り畳み自転車に乗り始めます。

そして、風を切って走る爽快感や、目にする景色や新鮮な発見に目覚めていきます。

近郊ゆるポタ散策から始まって、輪行でしまなみ海道をツーリングするまでのコミックエッセイ本。

初心者からベテランまで、また自転車に興味がなくても楽しんで読める本になっています。

宿泊や遠くに出かけることだけが旅ではない

旅と聞くと数日の宿泊を含む旅行や、休日に遠方にお出かけすることを思い浮かべるのではないでしょうか。
しかし、旅は決して大げさなものだけではありません。たとえ数kmの距離であっても、ご近所であったとしても、訪れた場所で新たな発見や、たとえ小さなことでも心動かされる感動があれば、それが旅と言えるのではないでしょうか。

初めて乗るおりたたみ自転車。初めて走る道。近所の公園。初めて見る新鮮な景色。移り変わる四季折々の変化。

自宅から僅かな距離に、本書に描かれている『井の頭恩賜公園』『荒川河川敷』のような癒しの場所が、新鮮な発見と心動かされることが、素敵なお店がきっとあるはずなんです。

100km走った、200km走った。アベレージ何km/hで、獲得標高がどうした。レースで入賞した・・・etc

ストイックに身体能力を向上させたり、速さや順位を競うだけが自転車の楽しみではありません。

ちょっとだけ勇気を出して新しいことを始めてみる。そんな小さな初めの1歩にも旅の要素が詰まっています。

千葉県利根運河
千葉県利根運河

自転車は自由で選択肢が多いので迷いやすい

自転車は何処へ行こうと自由。どんな服装で乗ろうと、どんな自転車を買おうと自由。ペースも時間配分も自由。

交通ルールを守り、周囲に迷惑をかけない限り自由が保障されていると言える。

スタンスも取り組み方も、時間の使い方も、自転車に関わる全てが自由。

自由であるが故に、用品選びも遊び方も選択肢が無限にあるので迷ってしまいがち。また、出先でのパンクなどの予期せぬトラブルなどへの心配ごとで、初めの1歩が踏み出せないような人もいる。

単純に読み物としても面白い本なので、漫画本としてこの本を読んでも良いと思う。

しかし、ほっこりなごむイラストと丁寧な解説で、著者さんが後書きに記している「魅力の伝え方がとても難しい」は解消されている。
ご近所散策やサイクリングの入門書として楽しみが伝わりつつ、押しつけがましさのないノウハウが詰まった1冊になっています。

スポーツが苦手な人でも、老若男女問わずに、おりたたみ自転車や輪行に限らない。

ママチャリでもクロスバイクでも、ロードバイクでも良い。

たとえ限られた時間でも、本格的に取り組むことなく、休日のリフレッシュやワクワク感を得られるきっかけになる本です。

最近、仕事に追われるあまり、自分を見失う人が多いと感じる。

星井さえこ著『おりたたみ自転車はじめました』P8

自転車に興味が無くても、そんな人に読んで貰いたい本になっています。

楽しさが伝わるだけではありません。恐らく著者さんは職業柄、クリティカルシンキングが身についていると思われる。それ故に構成や内容がしっかりしているので、初心者からベテランまで読める本になっています。

クリティカルシンクングとは

感情や主観に偏ることなく物事を判断しようする思考プロセスのこと。 自分の考えや意見に客観性を持たせるために必要な手法。

批判的思考とも言う。

主題を適切に分析することによって最適解に辿り着くための思考方法である。論理構成や内容について、様々な角度や視点から検討を加えること。

特定の層だけに刺さる内容ではなく、幅広く受け入れられつつ思いを伝える表現は本当に難しい。

楽しさや手軽さを伝えつつ、必要な情報は的確に伝えること。

細部まで完成度を高める=絵の事だけに限りません、は並大抵のことではなかったのではないでしょうか。

輪行の実際も、経験者ならではのもの。

ひとつだけ些細なことにツッコミ。
「それぞれの交通会社の規約を確認した上で」の但し書きがあるので許容範囲ではありますが「輪行袋から自転車がはみ出していると危険!」⇒JRはじめ輪行袋に完全に自転車を包まなければいけない鉄道会社がほとんどです。

危険と言うより「自転車は輪行袋に収めて部品がはみ出さないように梱包」位が良いと思う。

著者の星井さえこさん

所有自転車はブリヂストン・トランジットコンパクト(2008)、ブロンプトンS6L(2013)。都内メーカー勤務の工業デザイナー。商品企画からプロダクトデザイン、CAD設計まで幅広く携わる。

本書出版前からTwitter ( @rinkosaeco ) でも人気のイラストとWEBサイト

須磨浦山上遊園の公式オリジナルグッズのデザインも担当

フルタイムで働きながら、これだけ描き込んだイラストを描くってホント大変だと思う。

ブログ書くだけで結構時間が取られるのに、、、まあ、ブログは好きでやっていることなんですが。

フルカラーで入念に描き込まれた絵。書籍版では192ページ、Kindle版では153.774MBの大容量の為、Kindle版にはこんな注意書きが!

この本はファイルサイズが大きいため、ダウンロードに時間がかかる場合があります。Kindle端末では、この本を3G接続でダウンロードすることができませんので、Wi-Fiネットワークをご利用ください。

https://amzn.to/30GXg0l

個人的には書籍版で手元に置いて読むと良い本だと思います。

「これから自転車に乗ってみようかな」という方に限らず、どなたでも楽しめるお勧め本となっています。

ほっこり癒されること間違いなし!

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