MAVICの新作COSMIC SLR 45 DISCがプレスリリース

2020年9月8日

2021年度NEWモデルMAVIC COSMIC SLR 45 DISCホイール

コスミックPROカーボン・シリーズの後継機種となり、事実上リム、ハブ、スポークを含めて刷新!

マイナーチェンジではない完全なNEWモデルと言えるでしょう。

MAVIC COSMIC SLR 45 DISCホイール

MAVIC Japanブログ

シクロワイアードMAVIC COSMIC SLR 45 DISC記事

Road.cc MAVIC COSMIC SLR 45 DISC記事

グラフィックは2020年度モデルから継続されている最小限のマーキング。派手さがないので好みが分かれるところですが、どんな自転車にも合わせやすくなっていると思います。

MAVIC COSMIC SLR 45 DISCスペック

MAVIC COSMIC SLR 45 DISC

ロードバイク用チューブレスレディホイールセット
リム:カーボン製。ハイト45mm、内幅19mm、外幅28mm
スポーク:エアロ楕円形状ステンレススチール、前後共に24H、フロント/リア共2クロス非接触
ハブ:アルミニウム製インスタントドライブ360フリーボディ
公称重量:1,470g(前後ペア)
価格:250,000円(税抜)EUでは£1,650
※11月上旬発売予定

COSMIC PRO CARBON SL UST Discは1590gだったので120gの軽量化。しかしMAVICのホイールは実測重量はカタログ公称値よりも実質若干増加傾向ではあります。

リム

カーボン製リムハイト45mm、外幅28mm、内幅19mm

前後輪共に24Hクロス組。交差するスポークは非接触。

ETRTO規格に準拠した寸法のチューブレス(レディ)対応。しかしUSTチューブレスタイヤとのセット販売ではなくなり、タイヤは別売り。

FOREテクノロジーを採用。R-SYSやアルミ系キシリウム、コスミックカーボン40Cで採用されている。リム内側に穴(ニップルホール)がないので、リムテープが不要になる。前モデル比で片輪30g前後合計で60gの軽量化。

シクロワイアードの画像では正確な判断が付きませんが、おそらくスポークホール部分にネジ切りされたアルミがサンドイッチされているのでは。カーボンに直接ネジ切りは無理なので。

・・・と予想したらフランス3bikes.frにリム断面の拡大図があり、詳しい解説がありましたので紹介します。

金属インサートはカーボン製リムと同時成形され、スポークはインサートに直接ねじ込まれます。このテクノロジーはまた、スポークが破損した場合にリムテープに穴が開くリスクを回避します。

https://www.3bikes.fr/2020/09/07/nouvelles-roues-mavic-cosmic-slr-45-disc/

やはりネジ山が必要なので金属、アルミをカーボンにはさんで成型しています。

リム内部の形状も見直され変更が加えられている。リム断面中央のU字型の溝が幅広くなっている。シクロワイアードの記事では「バンプが無くなり・・」と書いてあるが、画像を見る限り小さなバンプがあるような気も…

スポーク

スポークはフロント、リア共に24Hの全クロス組。MAVICお得意の後輪フリー側ラジアル組=イソパルス組ではなくなっています。ディスクブレーキ用のホイールなので、当然ながらディスクブレーキの場合ブレーキング時に捻じれトルクの発生する前輪もクロス組になっています。

潰しの入った所謂きしめんスポークではなく、断面は楕円形状。2020年度までは上位モデルのSLで採用されていた形状。2020年ノンSLのきしめんスポークよりも楕円形状の方がわずかながらに空気抵抗も少ない。

前後輪、後輪はフリー側、反フリー側全てのスポークが同じ長さになっている。

シクロワイアードで公開されている画像を見ると、コスミックカーボン40C(同じFOREテクノロジー)で使われていたスポークと同じ構造。ニップルの抑えになるリム内部側が真鍮製の金具をネジ込む形状になっている。

真鍮は金属中でも柔らかい部類です。そのためにクラッシュ等の、瞬間的に強い負荷が掛かりホイールが壊れる時は、FOREテクノロジーでネジ切りされたリム部ではなくて、この真鍮の頭が先に破損します。

コスミックカーボン40Cで経験済み。重量面では若干不利になると推測できますが、より高額なリムよりも先に壊れる箇所をあえて作っている配慮のある構造です。

ホイールに何か異物を巻き込んでしまった際、この真鍮ナットが先に飛び、リムにはダメージが及ばなかったことがありました。リムに直接ニップルをねじ込むネジ山が刻まれているので、先にリムのネジ山が破損すると、場合によっては高価なリムがオシャカになってしまいます。

注)どのような状況のクラッシュでも、リムが壊れないという意味ではありません。

ハブ

インフィニティハブと命名された。

インスタントドライブ360のフリーボディは継続。フリーボディの交換でシマノHG(11Sまでの現行モデル、10S以下はスペーサーで対応)、カンパ、スラムXD対応。そしておそらくデュラエースR9200で採用されるであろうマイクロスプラインドライブ12Sにもフリーボディ交換で対応出来ると思われる。

ハブは従来モデルと比較して軽量化。ベアリングも変更されている模様。

※インスタントドライブ360は面倒がらずに、こまめにグリスアップ推奨です。

付け外し可能なラバーダンパーを使用すると、大音量または静音のフリーホイールサウンドを選択できる。

爆音フリーはベルを鳴らさなくても前方の歩行者が気付いてくれるので、音が静かなフリーよりも好き、ってサイクリストがいます。

感想と総括

まだ試乗もしていないホイールの総括と言うのもおかしいかもしれませんが、一応のまとめ。

一時資本提携先を模索していたMAVICですが、ブラッシュアップされたNEWモデルが発表され、いろいろと噂されていた時期にも開発は進んでいたのだなーと一安心です。

2020年COSMIC PRO CARBON SL UST DISCの国内定価は295,000円(税抜)。タイヤ分を差し引いても実質値下げになっています。しかし…このNEWモデルのために現行ホイールの在庫捌き目的でしょう、海外通販で2020年モデル爆安祭りがあったのでしょうね。MAVICブランドを扱えないはずのWiggleでも売っていたのですから。

USTチューブレスレディタイヤはホイールには付属しません。別売りで製造と販売は継続される模様です。

リムテープが不要になったことで、チューブレスレディタイヤの付け外しとエア漏れなどのあいまいさは完全とは言わないまでも改善はされている。リムテープを厚く巻くと、タイヤ脱着の難易度が上がります。

チューブレスリムテープの劣化による空気漏れとタイヤ着脱の労力は、チューブレス運用のボトルネックになっています。
装着の固いチューブレスタイヤをやっとの思いで取り付け⇒空気を入れたらリムテープを傷付けてしまい(劣化していて)エアー漏れ⇒やり直し・・・
めんどくさくて大変だけど走行感を取るか、運用の手軽さ容易さを取るのか、といったところ。

チューブレス(レディ)ホイールがリムテープ不要のニップルホール無しになるのは必然の流れなのかもしれません。

スポークの長さが全部同じなのは、メーカーやショップの製造や在庫の観点からは望ましいことなのかもしれません。我々ユーザーのメリットは旧モデルのスモールパーツ在庫切れや品切れで入手できなくなるようなリスクが減るくらいでしょうか?

後輪のスポークテンション左右差がどの程度なのか気になるところです。

リムブレーキ仕様ならばフルクラムのような後輪ハイローフランジがスポークテンションの左右差是正には有効。この仕様変更が乗り味にどのような影響があるのか、興味が尽きないところです。

日本国内限定のジャパンモデルも発表されました。

COSMIC SLR 45 DISC JAPANモデルとCOSMIC SL 45 DISC JAPANモデル

MAVICコスミックSLR45ディスク・ジャパンモデルホイール

こちらは先行して9月にデリバリーされる。SLは9月8日、SLRは9月末の予定となっています。SLの170,000円(税別)はお手頃価格を狙った戦略モデルでしょうか。安いなあ。

SLRジャパンモデルはマーキングが異なるだけ。

SLはリムテープを必要とする。フリーボディは鉄製。きしめんスポークでコストダウンを図っています。カタログスペック115g増はアルミからスチール製になったフリーボディの重量差かな。

という事はスチール製ID360も出来たということですね。補修で単品発売されたら価格次第でこちらの選択もありかもしれません。

MAVICはコロナが一段落してイベントが昨年通り開催されるようになれば試乗会もあります。機会があれば是非試乗してみたいホイールです。

肝心なのは、乗ってみてどう感じるかなので。

時期ディスクロード用の有力候補ホイールになるかも?

10月4日追加情報

MAVIC Japan動画 ホイールは外周の軽さと横剛性で決まる!170,000円SLのコストパフォーマンス

動画の解説は概ね同意。しかしユルポタさんにとっては適度に剛性落として振動吸収性を上げた方が疲れにくいホイールになる、とも言えます。

走り方や乗り方で『良いホイール』変わってくると思います。

Jベンドスポークのホイールだって、マッタリライドやツーリングで「いいなあ」と感じる人もいますしね。