ロードレースの高速化に伴い安全策を検討していたUCI。
ハンドル幅、リムハイト上限、ギア比制限等、機材に関わる競技規則変更の概要が公表されました。
クランク1回転で進む距離は10.46mが上限
2025年シーズン後半のステージ レースから実行される模様。
Implementation of “Maximum Gearing” Test Protocol (pdf形式)
Limiting the maximum gear ratio of the chainring and cassette to a distance covered per pedal
revolution of 10.46 meters or an equivalent of 54 x 11.
チェーンリングとカセットの最大ギア比を、ペダル1回転あたりの走行距離10.46メートル(54 x 11Tに相当)に制限します。
UCIはBikeCalcのサイトで算出しています。
オンラインで必要事項を入力すれば瞬時に算出されます。
チェーンリング歯数、スプロケット歯数、タイヤ幅、ホイール径から『クランク1回転で進む距離』を計算するのに便利に使えます。
700×28Cの場合、54×11Tで規則上限ギリギリのクランク1回転で10.46m進む。

厳密には同じ28Cタイヤでもメーカーによって太さや外径が異なるし、取り付けるホイールのリム内幅でも太さや外径が変わってしまう。タイヤは経年変化で太くもなる。
厳密に競技規則を適用すると個別の事例では『クランク1回転で10.46m』を超える28Cタイヤもあり得るはず。
実際にどこまで厳密に運用されるかは実施されてからでないと何とも言えません。
700×30Cタイヤの場合はトップ11Tならアウターギヤは53T以下なら使用可ということになります。

700×28CタイヤSRAMアウター50T×トップ10Tは規定外になってしまいます。

ハンドル幅、ブラケット内幅

A – 最小幅 400mm (2 つの外縁の間で測定)
B – 最小幅 320mm(ブレーキ レバーの内側の端の間で測定)
C – 最小幅 380mm(中心から中心まで測定)

ブレーキレバーの内側とハンドルバーの外縁との最大距離は50mm以内。
ハンドル周りの規則改正は物議を醸しています。
A寸法400mmは女性ライダーやハンドル幅を狭くしているライダーは交換や変更を余儀なくされます。
サポートを受けているプロ選手はともかくとして、ホビーライダーにとってステム一体型カーボンハンドル&フル内装バイクの部品代&交換工賃は結構な出費を強いられることに・・・。
個人的には幅の狭いハンドルと極端なブラケット内振りは操作性やバイクコントロールが損なわれるので懐疑派の立場ではありました。
空気抵抗のメリットは理解しつつもブラケットは並行でセットしていました。
ギヤ比制限の速度抑制措置と併せて、ロードレースでの落車発生や怪我の程度に効果がどの程度あるのか?
動向と経過を見届けたいと思います。
リムハイト
ロードレースで使用されるホイールのリムの高さは、2026年1月1日から65mmに制限されます。
フロントフォーク
最大内幅はフロントフォーク115mm、リアシートステー145mm
ロードバイクの場合は2026年1月1日、トラックバイクの場合は2027年1月1日から適用。
FACTORプロトタイプが狙い撃ちされたとの噂もありますが、トラックバイクではLOTUS HOPE等は確実にアウト。モデルチェンジを余儀なくされるでしょう。
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