シマノ新型デュラエースR9200 & アルテグラR8100正式発表
シマノ公式ロードバイク専用ティザーサイトのカウントダウンが2021年9月1日午前1時にゼロになり、世界中のサイクリストの期待通りにシマノ新型デュラエースR9200とアルテグラR8100が正式発表されました。
Twitterでは、本命の写真集はまだか!とジョークも飛び交っていましたが(笑
新型デュラエースR9200
正式な品番はDi2電動コンポーネントなのでディスクブレーキ仕様はR9270、リムブレーキ仕様はR9250になる。
・12速化
・デュアルコントロールレバーのみ無線化したセミワイヤレス
・バッテリー~フロントディレーラー~リアディレーラー間は有線接続
・HGカセットスプロケット。ホイール(フリーボディ)は11Sと互換性を保つ
※上位互換:11Sホイールに12Sカセットは取付可だが、新発売のシマノ12Sホイールに11Sスプロケットは取付不可
・リアディレーラーに充電ポート、ジャンクションA機能、ワイヤレス通信機能を備える
・リムブレーキ仕様も発売されるがDi2電動シフト仕様のみで、機械式変速は発売されない
・エレクトリックワイヤー&充電ポートは従来品と互換性無し
公式発表からわかったデュラエースR9200
事前情報ではわからなかったデュラエースR9200の詳細スペック
・セミワイヤレス化されたSTIレバーに内装されるボタン電池はCR1632。持ちの目安は1.5~2年で残量インジゲーターを装備
・ブラケットエアロポジションを取りやすく、変速操作し易く改良されたデュアルコントロールレバー
・セミワイヤレス化されたSTIレバーは有線接続も可能※リムブレーキ仕様ST-R9250は有線接続のみ
・12速化されたカセットスプロケットはMTBで先行していたHYPERGLIDE+メカニズムを取り入れる
・接着工法を採用していた左クランクは中空鍛造による一体成型品に変更
・カセットスプロケットのスパイダーアームはカーボンからアルミ製に変更
・HGタイプのフリーボディはラチェット構造のみXTRのクイックエンゲージメントを採用
・ディスクブレーキキャリパーBR-R9270はパットクリアランスとコントロール性を改良。エア抜き作業も容易に
・フロントディレーラーはアームを介さず、モーターが直接パンタアームを動かし変速性能向上
・カセットスプロケットは11~30Tと11~34Tの2種類の歯数構成
・ロー最大使用可能スプロケット34TのGSタイプのリアディレーラー
・フロントチェーンリングは50-34T、52-36T、54-40T3種類の歯数構成
・FC-R9200のクランク長は160mmから用意される
・ FC-R9200クランクのQファクターは148mm。FC-9100までの従来は146mm。2mm増えている
・ディスクローターはXTR共通のRT-MT900が標準
・チェーンはXTR12S用のCN-M9100と共通
・エレクトリックワイヤーの互換性はないが、変換アダプターEW-AD305が用意される
・シマノ初となるチューブレスフルカーボンホイールが同時発売。リムハイトは36mm、50mm,60mmの3種類。
ツール・ド・フランス等でプロトタイプが使われていたホイールは、ディスクブレーキ仕様はチューブレスとチューブラーの2種類。リムブレーキ版も発売されるが、リムブレーキ仕様はチューブラーのみの発売。
価格も妥当で値ごろ感有り。リムブレーキチューブレス仕様のホイールも発売すれば、そこそこ売れそうな気もします。
ホイールに関しては周回遅れだったシマノが挽回を図ってきたように感じる。
MTBで先行していたHYPERGLIDE+メカニズムは、ワイドレシオのスプロケットでトルクを掛けて踏み込んでいても変速はスムース。
謳い文句通りリア変速58%向上を体感できるかどうかはともかく、変速性能向上は乗れば実感できるはず。
但しトルクを抜いて軽くペダリングしているときの変速性能は感じにくいかも。
地味で目立たない改良点だがカセットスプロケットのスパーダーアームをアルミ製に、左クランクを接着工法から鍛造一体成型品への変更は大歓迎。
僕は壊したことはありませんが、使用状況がハードなレース志向のサイクリストでは、この2か所が壊れる例が見られた。耐久性は間違いなく向上していると思われます。
しかし、右クランクは従来通り接着構造なのか?これでは片手落ちである。
スペックから推測するに、11速R9050,R9150とのコンポーネントミックス互換性は無い模様。
パワーメーターのソフトウェアは買収したパイオニアの仕様を奇襲しているのだろうか?パワーメーターはソフトウェア次第。ここが重要なポイントではないかと思うところ。
⇒ベクトル表示ができるようです。
ブラケットを握った内向きエアロポジションが取りやすくなったデュアルコントロールレバーは、サイクルスポーツ誌の画像がわかり易い。
上から見たSTIレバーはカンパっぽいかも。
カセットスプロケットCS-R9200歯数構成
11~30Tと11~34Tの2種類となったCS-R9200の歯数構成。その詳細は、
CS-R9200 | TOP | 11th | 10th | 9th | 8th | 7th | 6th | 5th | 4th | 3th | 2th | LOW |
11~30T | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 19 | 21 | 24 | 27 | 30 |
11~34T | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 17 | 19 | 21 | 24 | 27 | 30 | 34 |
参考までに11Sの従来品CS-R9100の11~30Tと比較すると
CS-R9100 | TOP | 10th | 9th | 8th | 7th | 6th | 5th | 4th | 3th | 2th | LOW |
11~30T | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 17 | 19 | 21 | 24 | 27 | 30 |
12速CS-R9200の11~30Tで16Tが追加されたのは良い傾向。平坦路で細かくギヤ比の変更ができる。
僕のように小煩い事を言わなければ、通常は11~30T12Sで。脚質やコースに応じて山岳では11~34Tを用意すれば事足りるだろう。
それでもスプロケットのバリエーションは増やして欲しいなあ・・・。
CN-M9100チェーン
チェーンはMTB12SコンポーネントXTR共通のCN-M9100
表面処理や素材の見直し。そして変速性能の向上=変速性能向上は余計な摩擦を減らすということでもある。
12速チェーンは予想に反して耐久性は向上しているのです。
新型アルテグラR8100
デュラエースR9100と共通スペックを備えてアルレグラもフルモデルチェンジ。デュラエースR9100と同時に発表された。
正式な品番はDi2電動コンポーネントなのでディスクブレーキ仕様はR8170、リムブレーキ仕様はR8150になる。
事前情報通りリムブレーキ版も発売される。
デュラエースR9200と共通となるアルテグラR8100のスペックは、
・12速化
・デュアルコントロールレバーのみ無線化したセミワイヤレス
・バッテリー~フロントディレーラー~リアディレーラー間は有線接続
・HGカセットスプロケット。ホイール(フリーボディ)は11Sと互換性を保つ
・リアディレーラーに充電ポート、ジャンクションA機能、ワイヤレス通信機能を備える
・エレクトリックワイヤー&充電ポートは従来品と互換性無し
・Di2リアディレーラーはGSタイプの1種類のみ
公式発表からわかったアルテグラR8100
事前に噂されていた情報ではわからなかったこと。追加で判明した詳細スペックなど。
・パワーメーター付クランクFC-R8100-Pが発売される
・ブラケットエアロポジションを取りやすく、変速操作し易く改良されたデュアルコントロールレバー
・12速化されたカセットスプロケットはMTBで先行していたHYPERGLIDE+メカニズムを取り入れる
・接着工法を採用していた左クランクは中空鍛造による一体成型品に変更
・ディスクブレーキキャリパーBR-R8170はパットクリアランスとコントロール性を改良
当て効き~MAXまでの間のコントロールがし易い
・歯数構成はフロントが52-36Tと50-34T、リアが11~30Tと11~34Tの2種類ずつのみ
・シマノ初となるチューブレスフルカーボンホイールが同時発売。リムハイトは36mm、50mm,60mmの3種類。
カセットスプロケットは11~30Tと11~34Tの2種類のみ。個人的にはこれは頂けない。ジュニアギヤは発売しないのだろうか?
そしてクロスレシオを含めて歯数構成のバリエーションは増やしてほしいところ。
U18の競技選手にはトップ14Tからのジュニアギヤはレギュレーション上、絶対に必要。そして非レース派のツーリング系サイクリストやサイクリングロードメインで走っている人達の中には「11Tや12T使った事ない」と言うサイクリストも多い。
一般公道で11Tや12Tを踏むと、、、制限速度違反になってしまうスピードでもあるし。
機械式変速仕様は完成車メーカーの2022年度ラインナップを見る限り、11速のアルテグラR8000が継続される模様。
ホイールはディスクブレーキ仕様のみだが、リムはデュラエースと共通。前後セットで143,000円とお手頃な戦略的価格。ホイールの人気はないシマノだけど、これは売れそうな予感。
E-Tubeプロジェクト用PC接続機器SM-PCE1や充電器兼用SM-BCR2の互換性は保たれているのだろうか?この点が現時点でのシマノ公式やメディア発表からは不明です。
リアディレーラーの接続端子の規格が変わっているけれど、接続ケーブル変更のみで使えるようになら嬉しい。
スマートフォンからの設定変更が出来ないトラブルに見舞われて、PCリンケージデバイスSM-PCE1やSM-BCR2で変速調整や設定変更する必要に迫られることも度々だったのに・・・。
E-Tubeプロジェクトスマホアプリの改良も必須事項だと思うところ。
9000系又は9100系の違いでSM-PCE1は使えないがSM-BCR2は使える、又はその逆なんてことがあったり。
ジャンクションAや無線通信ユニットがリアディレーラーに内装されて不要になり、値段の高かったエレクトリックケーブルの本数も減ります。
組み上げた状態のフルコンポでは、それほどの価格上昇は無いのではないかと言う印象です。(正確な計算はしていませんが)
充電器や周辺機器、エレクトリックケーブルの単品価格を早く知りたいところです。
供給当初は完成車へのコンプリート発売が優先。その後コンポーネントセットの供給、単品供給は当分先になりそう。
僕自身はこれからも情報収集を進めつつ、詳細が分かってから検討を進める予定です。
【SHIMANO 新製品発表 生配信】オンラインユーザーショー
9月1日午後8時よりR9200新型デュラエースのオンライン発表会がYouTubeで行われます。
動画の埋め込みが出来ない設定の為、こちらをクリックしてご覧ください。
シマノ担当者による新製品DURA-ACE R9200のコンセプトやテクノロジー、開発秘話についてのトークセッションが行われる。
・充電器は必要なくUSB端子を備えた専用ケーブルを介した充電になる。
2倍になるなんて当時は想像もつかなかったよ…
シマノテクニカルマニュアルに早くも9200&R8100のディーラー整備マニュアルや互換性情報が公開されています。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません