ロードバイクのステアリング特性

2021年12月1日

ヘッドアングルとフォークオフセットにより操作性やハンドリングに違いが生まれるロードバイク。

フィーリングや走りの気持ちよさにも関わってくるトレール値について、思うところを記事にします。

トレール値の重要性

自転車のハンドリング性能の目安となるトレール値

直進安定性と軽快な操作性をバランス良く両立させる理想的なトレール値は、、、

小柄でサイズの小さいバイクの選択に迫られる日本人、特に女性には気にして欲しい大切なポイントになります。

走りの気持ちよさや安全性にも関わってくるロードバイクにおける重要な指標がトレールです。

一定以上のハンドル切れ角になると、急に切れ込んだり戻しにくかったり・・・

走行中における如何なる操作でも違和感なく自然に、意のままにバイクコントロールしやすいジオメトリーとは?

ブリヂストンANCHORの設計思想

ブリヂストンANCHOR推奨トレール値

トレール値は車輪径、フロントフォークオフセット、ヘッドアングルの3つの要素から導き出せる。

ブリヂストンANCHORが700Cホイールのロードバイクで推奨する適正トレール値は55~58mm。
許容範囲は50~64mmとしています。

ANCHORはフロントセンターを確保するために、フレームサイズによって変わってくるヘッドアングルに対して、この理想的なトレール値のジオメトリーに設計する上で、フロントフォークのオフセットを3種類(最少サイズのラインナップが無いモデルは2種類)用意しています。

フレームサイズによって直進安定性や操作性が大きく変わってしまうことがないように、フロントフォークのオフセットを変えているのです。

メーカーによっては製造コストとの兼ね合いなのか、フレームサイズやヘッドアングルが変わっても、フロントフォークは1種類しか用意さてていなく、トレール値が大きく変わってしまっているモデルもあるので注意が必要です。

フロントフォークオフセットを1種類しか用意していないメーカーを
あえてここで挙げてディスることはしませんが・・・
バイク購入のときに気にして欲しい寸法がトレール値です。

特に多くの日本人に該当する小さいフレームサイズの場合オフセットが1種類しか用意されていないと、フレームサイズが小さければ小さい程、トレール値も比例してどんどん大ききくなり理想値から離れていってしまっています。

直進安定性が強いけれど、ハンドルが一定以上の切れ角になると急に切れ込んだり、曲がる⇒直進の操作でクセを感じたりなど、トレールが推奨値から大きく外れると操作性が損なわれてしまうのです。

トレールとP点

前輪のハブ軸中心と地面を結ぶ垂線と、フロントフォーク中心線との交点をP点と呼ぶ。

ブリヂストンANCHORトレール設計値

このP点の地面からの高さの違いもハンドリング特性に影響を与える。

P点が地面から高くなるほどハンドリングは機敏になり、低くなるとフラつきにくく安定感はあるが鈍くダルな操作性となります。

僕の中で整理がついていませんが、ハンドルを切ってバイクを傾けて”曲がる”操作の際だけでなく、曲がるから”直立直進”の操作性にも大きくかかわってきている寸法だと感じています。

理論を確立していませんが、直立直進状態に戻しやすい戻しにくいと言う操作性だけでなく、直立状態になった瞬間に揺れ戻しを感じるようなクセのあるバイクも中にはあったり・・・。

トレール値とP点はサイクルスポーツ誌発行の自転車道総集編Vol.01のブリヂストンサイクルの取材で特集されています。

機材好きやメカマニアにお勧め
万人向けではないということで☆1つ減らしているだけ
内容は入念な取材に基づいて充実

LOOK 785 HUEZ RSのジオメトリー

LOOKはフロントセンターやトレール値を公表していないメーカーが多い中、フレームジオメトリーに関わる全ての寸法を公表しています。
しかも厳密にはタイヤ太さによって車輪径が変わるので、676mmとホイール径まで公表している丁寧さ。

フレームサイズによってフロントフォークオフセットを2種類用意。

XSからXLまで5サイズあるフレームサイズのどれを選んでも、トレール値は58.4~58.5と僅か0.1しか変わらず、全てのフレームサイズでANCHORのトレール許容範囲内、推奨値から小数点以下の差に収めています。

LOOK 785 HUEZ RSジオメトリー

トレールの推奨値は55~58mm、適正値の許容範囲は50~64mmという寸法は、ANCHOR独自の設計思想ではなく、ロードバイク全てに普遍的に当てはめられる指標となりえると言えるでしょう。

どんな速度域でも、どんなステアリング切れ角やバンク角でも、クセを感じさせない自然な操作感が得られる。

トレールの許容範囲の中でハイエンドのピュアレーシングモデルは機敏な操作性を重視。ロングライドや初心者向けモデルは疲れにくいように直進安定性重視など、モデルによって操作性の味付けを変えるのはアリだと思う。

自転車の特性として、速度が遅い程直進安定性は低くなってしまいます。非レース用初心者モデルは、ハンドルのキレよりも低速での直進安定性を強める設計にした方が安心感が得られるはず。

しかし同じモデルなのにフレームサイズによってトレールが変わってしまう=操作性が違ってしまうのは、個人的には手抜き設計ではないかと感じてしまいます。

トレール値を気にして欲しい

ロードバイクの操作性や軽快感、乗車フィーリングや意のままにバイクをコントロールするために、重要な指標となるトレール値。

ジオメトリー表でトレールを公表していなくても、ヘッドアングルとオフセットをANCHORのトレール値早見表に当てはめて換算することが出来ます。

以前はANCHORのWEBサイトでこの早見表が公開されていたのですが、現在は残念ながら非公開となってしまいました。
股下寸法に係数を掛けて算出するサドル高さの割り出し方も、基本としてお勧めできる方法だったのですが、こちらも現在は非公開になってしまっているようです。

ロードバイクの操作性や乗車フィーリング、走りの気持ちよさに関係してくるトレール値とP点。

ロードバイク購入のときに気にして欲しいと思います。

機材好きやメカマニアにお勧め
万人向けではないということで☆1つ減らしているだけ
内容は入念な取材に基づいて充実