V-IZUトラックバイク正式発表

2024年5月13日

V-IZU

5月10日~12日の3日間に掛けて開催されたジャパントラックカップの最終日、トラック競技日本ナショナルチームが使用するV-IZU TCM1及びTCM2が公式に発表された。

V-IZU TCM1 & TCM2 公式発表

東レカーボンマジックとHPCJCによるV-IZUの記者会見は、ジャパントラックカップ5月12日(日)のライブ配信動画2時間11分あたりから。

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4月12~14日にかけて開催された2024トラックネーションズカップRound3・カナダミルトン大会でチームブリヂストンサイクリング所属の窪木一茂選手も男子選手としては初めてチームパシュート以外の種目でV-IZU TCM2を使用。

V-IZUトラックフレームは2022年6月22日にUCI Approved Models of Framesets(pdf)に認証。
これまで楽天Kドリームズ所属の女子選手中心に使っていた。8月の世界選手権では佐藤水菜選手と内野艶和選手が使用。2024年1月からは梶原悠未選手も乗っていました。
※梶原悠未選手は怪我のためジャパントラックカップは欠場。

今回の記者会見ではパリ五輪に出場する選手のほぼ全員がV-IZUを駆る方針であるとのこと。

2024ジャパントラックカップではチームブリヂストンサイクリング所属選手の内、兒島直樹選手を除く窪木一茂選手、橋本英也選手、今村駿介選手の3選手がV-IZU TCM2を使用。

チーム名は日本ナショナルチームとして出場。ウェアはブリヂストンではなく楽天Kドリームスのナショナルチームジャージを着用していました。

5月19~26日に開催されるツアー・オブ・ジャパンでは、パリ五輪出場が濃厚なトラック男子中長距離メンバーがチームブリヂストンサイクリングではなく『日本ナショナルチーム』として出場します。

ロード及びトラック競技双方で機材供給とスポンサードをしているブリヂストンサイクルとの兼ね合いがある為と予想。
TOJでサポートカーのラッピングがどうなるのか気になりますが・・・。

今までのトラック競技国際大会で日本記録の更新を重ね、パリ五輪出場をほぼ確定した男子チームパシュート。
チームブリヂストンサイクリングのメンバーで構成されるチームパシュートでもV-IZU TCM2を使用する方向で進めているのかも気になります。

V-IZU TCM1 TCM2

ジャパントラックカップの記者会見で東レカーボンマジック担当者は、応力解析と風洞実験から導き出した形状であるとの説明。

LOTUS HOPEに端を発するこのフレーム形状は、LOTUS HOPEによると約3%の空気抵抗を低減できるとのこと。

ライダー込みで乗車姿勢を加味した状態での空気抵抗、選手の脚の前後での整流と空気抵抗低減を狙うと自ずとこの形状に収束するのかもしれません。

マージナルゲイン=1%の積み重ね、否1%にも満たない改善を重ねる機材戦争においては、特に速度が上がれば上がるほど影響が増える空気抵抗の3%は大きなものになる。
※空気抵抗は速度の2乗に比例

記者会見で発表された選手の談話でも「低速では重さを感じるが、速度が上がると伸びが良く減速感が無い」とのこと。

部品構成

チェーンは2024年ネーションズカップ第1戦から、DID製Ni-PTFE複合メッキ鍛造ブッシュのプロトタイプチェーン使用している。
パリ五輪へ向けて大同(DID)が現時点では市販されていない新開発のチェーンをナショナルチームに供給。

6月14日追加情報

DID Ni-PTFEチェーンの市販開始!お値段なんと30万円!

クランクはLOOK ZED TRACK1又はSRMオリジントラックLOOKクランク+スギノ禅チェーンリングを使っている選手もいます。
BBは様々な規格に対応できるアダプター構造になっていると推測できます。
ドライブトレインが左側にある特殊な構造故に、通常のクランクの左右を逆に付けてもペダルのネジ山の向きが合わない。

LOOK ZEDクランクは現在唯一と言っていい、ペダル取り付け部を取り外し可能なクランク長可変システム(Tri-lobeテクノロジー)を採用している。
ペダルの取り付け部分を左右入れ替えれば、市販品のままでレフトドライブに対応出来る。

スギノもメーカーからのアナウンスはありませんが最大70Tまでのチェーンリングが市販されており、パリ五輪へ向けて機材開発に協力していると推測。

サイスポの記事によると使用カーボン・プリプレグはT1100G、M40X、M46X。

M46Xはスポーツバイクで使われるのは、おそらく世界初だと思われます。

車両重量はUCI規定6.8kgの15%増=約7.8kg。かなりの重さですね。

車両重量7.8kgはホイールやその他部品を軽量化しても、UCI規定6.8kgを下回らないようニマージン確保の意味合いもあると思われます。
しかし、変速機やブレーキの無いトラック競技では6,8kgを下回ってしまう事も少なくなく、重りを追加することもあります。

通常は横方向にもボリュームを持たせて剛性を上げているBB周囲も、薄く空気抵抗を減らすことを優先したような形状です。
横方向に薄くても剛性を確保するために、TORAYCA M40X,M46Xが選ばれたのだと推測。
※M46Xは2024年市販開始されたばかり。引張弾性率はM40Xの20%増。

このカーボン素材で車両重量7.8kg、太いチェーンステーを始めとするあのフレーム形状・・・相当に剛性高そうだな、と推測します。

そして、正面からの大きな画像でハンドルバーのメーカーも判明!

ニュージーランドVeloBike社製。

LOTUS HOPE HB.T、LOOK P24、そしてこのV-IZU TCM2。ロードバクのフレームでも空力を突き詰めると各社似たような形状になってしまい個性や特徴が薄れてきた、と言われて久しい。

トラック競技用フレームも同様に、空力を追求すると似たような形状に収束していくのかもしれません。

ホイールもTORAY製で開発。既存のメーカー製ではありません。

パリ五輪日本代表選手の活躍を期待すると共に、今までトラックナショナルチームのスポンサードをしていたブリヂストンサイクルとの関係や経緯が不明ですが、パリオリンピックでのメダルを期待しています。

D.I.D 大同工業 RACING-PRO CHAIN レーシングプロ チェーン 1/2 × 1/8 NJS認定
D.I.D 大同工業 RACING-PRO CHAIN レーシングプロ チェーン 1/2 × 1/8 NJS認定