ダイエットと食事のことなど

2020年12月25日

ダイエットと運動と食事

ロードバイクガチ勢向けの記事ではありません。初心者さんや一般向け、またロードバイクに乗っていない人にも役立つであろう記事になっている…はずです。

30歳半ばを過ぎると、流石に若くないなーと実感し始めるお年頃。仕事が忙しくなり思うように運動のための時間が取れなくなったり、年齢的に基礎代謝も落ち、食事量が変わらないと体重が増える。
若い頃はどんなに食べても太らなかったのに…と嘆く人も多いのではないでしょうか。

僕もそうでした。いや、現在進行形でそうなんです。

一時期仕事がモーレツに忙しい年が続き、週一以下で気分転換に短い距離を乗る程度。時間もなく仕事に疲れて長時間乗る気が起きない。

で、太りました。体重増えました。運動の頻度と時間が減ると遅くなる=体力が落ちるのと同時に、走っても30km以内で一休みして補給食というありさま。

我ながら情けないですねーw

今は100km以内なら補給食(間食)なし。食べるの好きなので体重は増えては減っての繰り返し。5kg以上の増量と減量をほぼ1年サイクルで繰り返しています。

逆に言うとダイエットのノウハウもそれなりに蓄積できたかな…と

ガチのヒルクライマーではなく、今はレースに出場することもないファンライド派です。体脂肪率10%以下に落とすような限界までの頑張るダイエットはしていません。しかし体重を減らそうと思えば、今では特別苦しくもなく比較的楽にダイエットできるようになりました。

そんな楽にダイエットできる僕なりの方法を紹介します。

運動と食事|長時間の有酸素運動と食事がポイント

摂取カロリー<消費カロリー

となるのが基本になります。しかし、それ以外にも食事に気を使うと楽にダイエットできるようになるポイントを紹介します。

ダイエットを始めて間もない時期は、運動後や食事時間になると「お腹すいた~」となり、ついつい余計に食べてしまいがち。
ロードバイクでは冬場のライドで食べるラーメンは体も温まるし美味しいですもん。

そこで必要となるのが運動に必要なカロリーを食事に頼るのではなく、ダイエットに繋がる体脂肪(特に皮下脂肪)を利用し、運動後でも空腹感を感じにくい体作りです。

慣れもありますがダイエット中の食事を改善することによって、運動しても空腹感を感じにくい痩せやすい体質に変化していきます。

無理なく続けられる有酸素運動

サイクリストたるもの自転車がおすすめ!と言いたいところです。が!

ロードバイクの冬装備はお金が掛かる。

冬にダイエットを始めるならウォーキングもお勧めです。

運動を始めるのに初期費用が掛からない。

その運動も短時間では効果が有りません。

低強度の有酸素運動を可能な限り長い時間を掛けて行うことがポイントになります。

なぜ低強度長時間の有酸素運動なのか

摂取カロリーを減らしてお腹が空いている状態、グリコーゲン=燃料の少ない状態で高強度の運動は出来ません。

特に普段から運動習慣の無い人が、一大決心で「ダイエットするぞ!運動するぞ!」となったとき、
食事制限をして摂取カロリーを減らすと、気力や元気が減少して高強度の運動を継続するのは難しい。

パフォーマンス向上が運動の目的ではなく体脂肪を減らすダイエットが目的なのだから、糖質をエネルギー源とする乳酸が貯まるような高強度の運動よりも、脂質をエネルギー源とする低強度L1~L2の長時間続けられる有酸素運動が効果的。

運動を継続していれば、ロードバイクであれば朝食抜きで1,000kCal~2,000kCal消費の有酸素運動を補給(途中のカロリー補充)無しで行えるようになります。

ガチの筋トレ勢なら高強度のウェイトトレーニングを継続して行えるでしょう。しかし運動習慣の無かった人が食事制限をしながらの高強度の運動をするのは無理があり、継続できない場合が多いのです。
「筋肉量を増やして代謝を上げろ」というけれど、1~2ヶ月程度筋トレを継続した程度ですぐに筋肉量は増えません。

散歩やサイクリングなど、無理なくできる低強度の有酸素運動を効果が出るまで継続することがポイントです。

継続は力なりなのです。

痩せやすく体脂肪を減らしやすい体質作り

オメガ3脂肪酸を豊富に含む魚介類

摂取カロリーを減らす糖質制限ダイエットなどもありますが、並行して運動を増やしていると始めは運動した分で空腹感が増し、つい「運動したからいいよね」と摂取カロリーも増えてしまいがち。または食事の量を減らせなかったり。

そこでダイエット中は食事にも気を使っていく必要があります。

体重計測について

食事や水分補給、発汗や排泄などの諸条件で、体重を測ったときに1kg前後は上下します。

数百g体重が減ったからと言って一喜一憂しないことです。ダイエット失敗する人って、これで喜んでカロリー高いものを食べてしまうんですよね。

うんちとおしっこして汗をかけば1kg以上は簡単に減らせるのだから、体重は短期で見ないで長期的に見ることが大切です。

また1日に何度も体重を測ることによって「今は運動後だから実質体重は〇〇〇gプラス」「夜食後の計測で〇〇kgだから、朝起きてトイレに行った後なら〇〇〇g減ってるな」等の変動が大まかに把握できるようになってきます。

白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞

体脂肪は余剰エネルギー由来で蓄えられた白色脂肪細胞と、脂肪を燃焼する褐色脂肪細胞が存在しています。それらが体内でカロリーの貯蔵と消費のバランスを取っているのです。

人体は寒さに晒されると交感神経の刺激により褐色脂肪細胞の活性化を促します。そして白色脂肪組織、特に皮下脂肪がエネルギー源として変換されやすいベージュ脂肪細胞に変化します。その結果、脂肪を分解してエネルギー源へと変換していきます。

これが体脂肪を減らしながら行うダイエットの原理です。

そして褐色脂肪細胞やベージュ脂肪細胞の働きを助け、効率よく体脂肪を減らしダイエットするために必須の栄養素がオメガ3脂肪酸

オメガ3脂肪酸は体脂肪を効率よくエネルギーに変え、ダイエットするために必要な栄養素です。

オメガ3脂肪酸が不足していると、ダイエットしてもなかなか体重が減らなかったり、お腹が空くのを我慢できなくなってしまいます。

蓄えられて体重増加に繋がってしまった体脂肪を効率よく落としてダイエットするには

摂取カロリー<消費カロリー

なるべく長時間の有酸素運動

オメガ3脂肪酸

寒さと運動

がポイントになります。

オメガ3脂肪酸

オメガ3脂肪酸は不飽和脂肪酸の1種で、体内のさまざまな機能にとって重要な栄養素です。オメガ3脂肪酸のEPAやDHAは、脂肪が多い魚や甲殻類などの海産物に多く含まれています。オメガ3の異なる種類であるALAは、植物油など他の食物に含まれています。

オメガ3脂肪酸は健康な肌を保ち、動脈硬化の予防に繋がります。また心疾患や関節リウマチの罹患率を減らし、妊婦さんにとって非常に重要な栄養素であるという研究結果があります。

DHAは神経系の機能にも関わっています。αリノレン酸は人体で合成できない必須脂肪酸です。

魚を食べよう

オメガ3脂肪酸が多く含まれる食品

サバ、サケ、マグロ、イワシ、サンマ、アジ等(魚介類の脂肪酸|ウィキペディア

アブラナ(キャノーラ)、大豆、エゴマ、亜麻仁油、クルミ等

健康を保つために必要な栄養素であるオメガ3脂肪酸。

体脂肪を効率よくエネルギーに変え、ダイエットにも必須であることはご理解頂けたでしょうか。

食事制限を徹底するあまり、タンパク質の摂取量も減ってしまい筋肉量まで落ちてしまっては本末転倒です。

オメガ3脂肪酸と同時にタンパク質を摂取できる魚介類を積極的に食事に取り入れましょう。

朝食抜きや夕食の炭水化物抜きは比較的取り組みやすい食事法です。しかし必要な栄養素まで不足してしまっては元も子もありません。

魚介類でオメガ3脂肪酸とタンパク質を取ると同時に、野菜や果物を増やしビタミンやミネラルが不足しないように心がけましょう。

東京オリンピック代表にも選ばれている自転車競技短距離ナショナルチーム所属の新田祐大選手。度々SNSに魚を捌く光景をあげています。魚を沢山食べるようになってから体重が増えないと動画の中でコメントしています。

トレーニングや2020全日本選手権1kmタイムトライアルで大会新記録で優勝したゴール後の酸欠で悶え苦しむ映像も必見です。

体重計に乗る前にその時の体重をピタリと当てたり、オメガ3脂肪酸のことにも触れています。

記事の趣旨とは無関係ですが、新田選手の部屋にサーベロのディスクロードが鎮座してる。

ビタミン、ミネラルの摂取も重要

炭水化物や脂質の代謝を助けるビタミンB群、特にビタミンB1、B2、B6も大切。

即効性はありませんが、長時間の有酸素運動+オメガ3脂肪酸+ビタミンB群は、ダイエットや健康な体作りを助けます。

炭水化物ダイエットとオメガ3脂肪酸

炭水化物ダイエットとオメガ3脂肪酸摂取を並行して行うのは、プロロードレースの分野でも当然のごとく行われています。

動物性脂肪は高カロリーなので、ダイエット中はなるべく控えるべき。

参考までに脂肪1kgは7,200kcal。社会人が平日のオンタイムに運動で消費できるカロリーではありません。

仮に体重60kg、体脂肪率25%とすると体脂肪の重量は15kg。15kg×7,200kcal=108,000kcal

一般社会人が運動だけでこれだけのカロリー、たとえこの半分でも消費して体脂肪を減らすのは容易なことではありません。

食事制限をした低血糖状態はやる気パワーというか、運動時のパフォーマンスが低下したり、モチベーションが上がらない場合があります。

そんな時、高強度の運動はそもそもモチベーションが湧かないし、無理に体を動かしてもパフォーマンスは低下しています。

しかし低強度長時間の運動なら、低血糖な状態でも慣れてくれば運動を持続できるのです。

ゆっくりペースのサイクリングやウォーキングは、脂肪をエネルギー源として利用しやすくする体質作りと、頑張らなくても運動を継続できるところが特徴です。

始めこそ空腹感や脱力感を感じますが、持続し継続する事によって慣れてきます。空腹を感じている状態や、多少の低血糖状態でも運動を持続できるようになっていきます。

すぐに効果は出ない場合もありますが、継続は力なりなのです。

ダイエットを始めても8割の人は目標を達成できなくて続かないという統計もあります。

脂肪1kgは約7,200kcal

脂肪1kgは約7,200kcalもあります。これはフルマラソン3回分の消費カロリーに相当します。

運動習慣のない人が、いきなりフルマラソン完走は至難の業。

これを1,000kcalを消費する有酸素運動×7回、とすると

サイクリングやウォーキングが最も無理なく持続できて、無理なく継続もできる運動です。

プロのスポーツ選手でさえ食事に気を使っているのです。思うように運動の時間が取り難い一般社会人なら尚更、有酸素運動を習慣化すると共に食事を考慮すべきです。

菓子パンやパフェなどは400~500kcl程度もあります。有酸素運動でこの熱量を消費するには、1時間以上の運動が必要になります。

但し度を越した食事制限は筋肉や内蔵組織まで悪影響を及ぼしかねません。食べ過ぎによる糖質の量を減らし、野菜や果物、魚中心にタンパク質とオメガ3脂肪酸は不足しないように充分すぎるほど摂取しましょう。

ロードバイクお勧め本の記事で紹介した『世界最高のサイクリストたちのロードバイク・トレーニング:ツール・ド・フランスの科学

体脂肪が増えて体重が増加してしまうと、てきめんにパフォーマンスが落ちてしまう自転車ロードレース。

体脂肪率10%以下、5~6%の選手もザラにいる自転車競技ロードレース選手の食事法が本書で解説されています。

低強度長時間のトレーニングをしながら、その食事を要約すると、

シーズン前の脂肪をエネルギーにする減量トレーニング

食事は炭水化物を減らし、オメガ3脂肪酸を豊富に含む魚介類を増やす。

脂肪燃焼を助けるために摂取カロリー<消費カロリーに気を付けながら、油脂類はオリーブオイルや亜麻仁油などを使う。少量のナッツ類も有効。

野菜や果物、オレンジジュースなどは積極的に取る。抗酸化食材は摂取カロリーを減らしても疲れにくい体を作ることに役立つ。

コーヒーなどに含まれるカフェインも脂肪燃焼の補助となる。但し砂糖抜きなどカロリーには気を付けるべき。

※レースシーズン中は1日で8,000kCalを超えるようなハードな運動量になるため、シーズン中の炭水化物は消費カロリーに応じて食べています。

運動のための時間が取りずらい社会人は、平日はどうしても短時間しか運動できなかったり。30分しか運動できないからといって強度を上げてしまっては、ダイエットのための運動からかけ離れてしまいます。

FTP値以下の運動、ゼーゼーハーハー息切れしない有酸素運動を可能な限り長時間継続することが、体脂肪の燃焼を促し痩せるための運動になります。

単純にカロリーを消費すれば良し、という訳ではありません。

毎日とはいかなくても最低1時間以上、休日には2~3時間以上の有酸素運動を継続する事によって、体脂肪を燃焼しダイエットに繋がっていきます。
個人差がありますが脂肪燃焼域に入る運動には最低20~45分を要し、それ以上の時間運動を継続することによって、体脂肪をエネルギーに利用しやすい体に変化していきます。

ロードバイクを初めとするスポーツバイクなら、2~3時間以上の有酸素運動は訳なく出来るはずです。ダイエットのためには頑張って速度を上げる必要はありません。
ゆるポタや景色を楽しみながらのんびりサイクリングでOKなのです。

ママチャリでも構わないし散歩でも良いです。ウォーキングやハイキングなどもお勧めです。

冬場の自転車は速度を上げると体感温度が下がります。冬用ウェアーの装備がないと、かなり寒く感じます。

一般的には散歩やハイキングがお手軽に始められます。初期導入費用も安く済むはず。

無理のない強度の有酸素運動をなるべく長時間行うことが、ダイエットのためには有効です。

短時間の運動や強度の高い運動は、肝臓や筋肉中に蓄えられたグリコーゲンをエネルギーとして利用します。

ダイエットに繋がる脂肪燃焼を促す運動になっていないので、運動しているのになかなか体重が減らない、というケースに陥りがちです。

肝臓や筋肉に蓄えられるエネルギー源となっているグリコーゲンは、
個人差もありますが約2,000kcalほど。
高炭水化物の食事を取りながら運動は短時間
これではグリコーゲンを使っているだけで体脂肪燃焼にはなっていないのです。

強度は低くても良いから、なるべく長時間の運動を心掛けましょう。前出の通り、寒い中で乗長時間運動は尚のこと効果的です。
低強度だから長時間の運動を続けられる、ということです。

食事制限と運動を冬場に行う場合、ガッツリ食べた後の方が血糖値が上がっていて即熱量に変わるので寒さを感じにくいです。

糖質制限を始めたばかりの時期は、まだ体脂肪⇒エネルギー変換がスムーズではありません。空腹感も寒さも感じやすいです。しかしオメガ3脂肪酸を充分に取り続けることによって寒さに慣れやすい、体脂肪を熱量に変換しやすい体質に変わってきます。

ダイエットには運動と食事はセットで考える

ちょっとした運動を始めただけでは、なかなか体重は減りません。

間食を控えダイエット中はお菓子やスイーツはできるだけ食べない。

朝食のパン抜き、朝食抜き、夕食の炭水化物抜きは比較的取り組みやすいカロリー制限。

脂身の多い肉や揚げ物もカロリーが高い。体重の推移次第で減らした方が良い場合も。魚を多く食べることで相対的に減らしても良いタンパク源です。

可能な限り長時間の有酸素運動。

野菜や果物は食事から減らさない。オメガ3脂肪酸を豊富に含む魚介類を多く食べる。

短期間で頑張ってダイエットに取り組む方法も否定しません。

しかし少し食事のことを考えてカロリー制限をして、長時間の有酸素運動を継続する事によって、空腹感からつい量を食べてしまうことに悩まされなくなります。

我慢しなくてもダイエットが自然にできるようになり、無理なく健康に体重が落ちていきます。

参考文献及び資料

オメガ3脂肪酸について知っておくべき7つのこと|厚生労働省

健康と美容に良いオメガ3 脂肪酸の効果・効率よく摂取する方法とは|NHK

体に優しいオメガ3脂肪酸を動かし肥満を抑える新しい脂質代謝酵素の発見|国立研究開発法人日本医療研究開発機構

体重を減らす、ダイエットに取り組むなら、食事に気を使いつつ長時間運動を心掛けてみてください。