竹取物語 竹竿を自作してみようか その2

2021年1月9日

竹竿を自作してみようか その1』の続きになります。

前回の記事

また竹を採ってきた

別の場所で竹竿の素材となる竹を採ってきました。

和竿とは

5代目泰地屋東作松本栄一著『和竿辞典』による和竿の定義

日本特産の竹を原料竹とする延べ竿と継ぎ竿とを総括して和竿と言う。

まだグラスロッドも、ましてやカーボンロッドもなかった第2次大戦前後から流通した西洋式の6角竿、断面が3角形の竹を貼り合わせて作る、と区別するために伝統的な竹竿を和竿と言う。

竿の出来不出来は問わないようです。

しかし江戸和竿師系図に載っていたり職業としての和竿師、職人とアマチュアの作った竿とははっきりと区別しておきたいところ。

女竹1年子を追加

女竹1年子

笹っぽく見えますが女竹の1年子。竹藪の2年子3年子は地面に近い下の方からも枝が出ていました。

竹藪の北側に生えている1年子は、ご覧のように枝が無くすらっと真直ぐに伸びていました。

長さは1.4~1.6m位です。最盛期のテナガエビ釣り、用水路のクチボソ釣り用に仕上げられるだろうか。

この状態だと、かなり柔らかい。乾燥させて火入れをすると、どの程度の調子になるのだろう?

全く想像がつかないけれど、望み通りに仕上がるといいなあ。

男竹の枝

男竹の枝

こちらは男竹の枝。真竹や淡竹ほど背は高くなかった竹。種類は不明。

長さと柔らかさから試しに採ってきてみました。

竹藪の南面、日当たりの良い枝が長く伸びている。目測1.2m以上の長さのある枝は竹藪の日当たりのよいところ。
小枝も多くて節は膨らんでいます。

節はコツゴツしているし見た目は宜しくないかもしれませんが、小物釣りでもグワ~ンと曲がる調子の竿に仕上がることを祈りつつ…

皮を剥き枝や芽を取る

竹の皮を剥ぎ枝や芽を取る

取ってきた竹の皮を剥ぎ、枝や芽を取ります。

女竹の葉が出ていない節からも、皮を剥ぐと小さな芽があります。こちらも取っておきます。
新芽なので柔らかいです。手でちぎれる。

取って来てから2時間ほど経過、皮を剥いで約1時間経過した程度です。こんなわずかな時間でも、日なたに干しておくと僅かながら乾燥し始めています。少し反りも出てきた。

葉が出ていた先端は節は詰まっているけれど、水っぽくて柔らかいです。このまま使えるようになるかなあ。弱すぎて切り落とすことになるかもしれません。

乾燥させて火入れをしてからでないと判断が付かないところが、未熟ながらも悩ましい。

1年子は枝が出ていないの出見た目は綺麗です。しかし水分が多くて繊維はコシや張りがなくて柔らかい。果たして必要最低限の強度が確保できるのかどうか。

女竹は矢竹などと比較すると折れやすいらしい。

初めてなのでホント乾燥させてみてからでないと判りません。竹の内側を削る『浚い』の道具も技術も持ち合わせてはいません。

アレルギーはほとんどありません。しかし流石にうるしとなると、扱えるかどうか自信がない。

男竹の枝は女竹の1年子よりも繊維自体はずっと硬いです。

こんな道をMTBで散策しながら竹藪を探します。MTB ( JAMIS Dragonslayer S2 ) はロードバイクと比較して速度が遅いので、冬の寒い季節でも比較的寒さを感じにくいです。平坦路とはいえオフロードでは、そこそこ踏み込んでペダリングしているせいもあります。

※画像のエリアは田んぼなので竹藪はまったくありません。あっても農家さんの矢竹の生け垣だったり(採ってはいけません)。

創業1788年(天明8年)江戸和竿総本家東作の6代目松本三郎さん。
その歴史をかくまつとむさんがインタビュー形式で書籍化。
6代目松本三郎さんは、最後の弟子となる東亮(6代目東作の甥。東作本店店主の息子で5代目東作の孫に当たる)にその技を受け継ぎ、2015年に95歳で永眠。
江戸時代から脈々と受け継がれる伝統工芸の歴史が刻まれた書。