ブロガー版『悪魔の辞典』
本家『悪魔の辞典』と『ビジネス版悪魔の辞典』
悪魔の辞典
風刺と絶妙なパロディ、ウィットに富む社会批評で知られているアンブローズ・ビアス著『悪魔の辞典』
ビジネス版悪魔の辞典
そして日本型「会社」の実態を
悪魔の辞典と若干違うのは、風刺やパロディが目的ではなく、現実の日本企業を見た場合「本書の用語説明の方が教科書の定義より正しい」というのが、本書の基本コンセプト。
山田英夫著『ビジネス版悪魔の辞典』はしがきより
経営の勉強をしたくなる動機づけになるよう、極めて親切に設計された本。
ユーモアとブラックジョークに溢れた山田英夫著『ビジネス版悪魔の辞典』
どちらも、思わず苦笑いしてしまう名著である。
例えば
【人事部】
人生を決する非常に重要な事を、「ヒトゴト」として扱う部署。
【上司】
部下の提案を横取りするか邪魔をする人
と言うように。
しかし、この記事の目的は、これらの書籍紹介ではない。
これらに習って『ブロガー版悪魔の辞典』を書いてみようと思う。
ご気分を害してしまう可能性があります。
風刺やブラックジョークが苦手な方は、ブラウザを閉じてくださいませ。
ブロガー版『悪魔の辞典』
【インフルエンサー】
人々に『なんか凄い人』と思わせる演出に長けた新しい職業。
利己的で自己中心的な発言を認められた特権階級。誤った発言をしてしまったとしても、謝罪や訂正はしないで良いらしい人。
何故かSNS上だけでは人気を博している。
特定の考え方や対象に何度も接しているうちに、その対象に好意的な感情を抱くようになること。
当初から対象に好意的な、又は中立的な感情を持っていることが条件。
心理学者ロバート・ザイアンスが1960年代に初めて提唱した。
【仮想通貨】
インフルエンサーやブロガーの収益を水増しする隠れた特効薬。勧められてから買っても時すでに遅し。タイミングを逃している。
インフルエンサーにとっては”いいね”やリプライを稼ぐ目的に使われる。新しいことをいち早く柔軟に取り組む先進的な人を演出する効果がある。
【キーワード】
収益を目的とした餌。釣り師がエサの良し悪しや針への付け方にこだわりを持つように、一部のブロガーはこだわりを持ち釣果に差が出る。
【コンサルタント】
人心掌握術に長けた人が自称する、専門家とは異なる職業。
全く何の役に立たない内容をさも為になるかのような錯覚を起こさせる話術の得意な人。
成果に結びつかないノウハウを高額な料金を請求しながら、もっともらしく押し売りをする職業。
気分を売ることが上手。ポジティブシンキングが常套句である。
資格は必要なく誰でもコンサルタントを名乗ることが出来る。
【人脈】
本当に困った時に、何の役にも立たない知り合いのこと。損得勘定で繋がっている人間関係のネットワーク。
【独自性・専門性】
インフルエンサーのツイートに”いいね”しても、どんなにリプしても全く身に付かない知識と経験の蓄積。
【投資】
リターンの期待値が薄い情報商材を買うときにも使われる言葉のこと。
SNSでは投資と投機、投棄の用語が意図的に混同して使われている。
【今日の積み上げ】
結果が伴っていない人が、知識や知恵とは無縁の「頑張り」で、先の見えない未来に向かって、何故か希望を持って錯覚しながら行動すること。
尚「今日の積み上げ」には、将来への保障は何ひとつ約束されていない。
【社長】
本来、法人登記された会社ひとつに1人しかいないはずだが、女性がもてなしてくれるお店に行くと誰もがなれる役職。
twitterでは個人事業主でも『社長』を自称しているらしい。
【コアアップデート】
ブロガーを喜ばせたり、奈落の底に落としたりする定期的に行われるGoogleの行為のこと。生活そのものに関わってくる人もいる。
【サロン・セミナー】
効果は測定できないが、学習の場とされている高額費用を必要とする集まり。気持ちを高める為だけに数十万円の費用を投じることもある。
費用対効果の最も悪い学び方である。
前述したコンサルタント活躍の舞台。数十万円ものお金を騙し取る詐欺師が運営している。
【自己啓発】
何の知性や教養も身に付かない、学んだような気分を味わえるだけの、人間の無意味な行動心理のこと。
SNS上での自己啓発やマインドセットは、情報商材を販売する前段階の撒き餌や寄せ餌、フォロワー稼ぎに利用されている。
無能が並みの水準に達するには、一流が超一流になるよりも、はるかに多くのエネルギーと努力を必要とする。
P.F.ドラッカー
それは果たして自己啓発で可能なことなのであろうか?甚だ疑問である。
【収益】
物品は含まれていないのに「収入」と言わないのは何故なのだろうか?
【取捨選択】
必要なものを捨て、視野を狭めて先の見えない未来に妄信すること。思考停止し知性や教養をないがしろにすること。
【成功者に習う】
インフルエンサーに媚びを売り、稼げないまま消えていくこと。
インフルエンサー側が、この言葉を使う場合は、盲目的な信者育成と囲い込みを目的としている。
【ブログ】
参入は容易ではあるが、誰でも稼げるような錯覚を起こさせつつも、実は開始1年で9割ものブロガーが人知れず消えていく敗者の屍の後に残されたWEB媒体。
上位1%以内にランクされないと稼ぐことは出来ない。覚悟して取り組むように。
【ブログ書け】
やる気も能力もないブロガーに向けて、モチベーションを上げて継続を促す際に用いられる用語。
ハッシュタグを付けて使用する。
【副業ブログ】
リターンの得られないことに、永遠に時間と労力を費やすこと。
【WEBマーケター】
人心掌握術に長けた人が自称する職業。能力が無くても稼げるような錯覚を起こさせるときに用いる。
駄物や程度の低い情報を多くの人目に晒すことが、その役目である。
アドバイザーとして無益。スキルのない人に集客させて、何を売るのだろう。
【モチベーション】
これだけでは何の成果にも結び付くことの無い人間の行動心理のこと。知恵や知識、含蓄、実力や能力の対義語。
マルチ商法やネズミ講のようなもので、駆け出しの新規参入者が継続的にに流入してこないと、ブロガーのカースト上位は稼げなくなってしまう。
だからこそ新規参入者を自己啓発系の浮ついた言葉で煽り続けたり、大したことでもないのに褒めて居心地の良い雰囲気を演出する必要があるのだ。
【ユーザー目線】
結果が出せない人に、永遠に向けられる言葉。
【有料テーマ】
優れていると思い込ませるために価格を提示したWordPressテーマ。アフィリエイトで悪用される場合もある。
ブログ初心者への撒き餌。
【有料級情報】
ググれば同じ内容の情報が簡単に得られる文章のこと。Twitterだけで情報を得ようとすると、発信者の策に陥りやすい。
【勧誘DM】
「だめでもともと勧誘してみる」の頭文字。ネットビジネスでノマドライフを送る夢を持っているが、それに敵わず稼げていない人が、師匠の配下となり勧誘DMを送ってくる場合が多い。
【稼ぎ方教えます】
嘘つき
【詳しくは公式LINEで】
欲に目が眩んだ初心者が狩りにされる場所。
【Googleアドセンス】
合格すると多くの人から称賛されるが、その後は何の役にも立たないものの例え。
稼げるようになれば、うまい棒が買える。
【note】
ブログやTwitterで初心者に親身になってアドバイスしていた人が、Twitterフォロワーに向けて最初に販売する情報商材のこと。Brainが代わりに利用されることもある。
正当な理由がないままに、一定期間経過後に値上げされるWEB媒体。
近年「情報商材は悪ではない」などと、利己的な理由も同時に添えられて販売されていることが増えている。
【SEO】
少し聞きかじっただけで信者を増やせる魔法の言葉。但し発言を行うには情報発信のテクニックだけは身に付けておかねばならない。
類義語に「プログラミング」がある。初学者をカモにする場合に用いられる用語。
「SEO対策がされているテーマ」のように用いると、他より優れているような錯覚を誘発する用語。
ブロガーが命がけで争う陣取り合戦の場でもある。構造化データの適正化などは朝飯前に出来ていなければならない。
【Twitterプロフィール】
160字以内で創作できる物語性をもった文章のこと。ドキュメンタリーではないために、その正確性は保障されていない。
例として、月収手取り16万円⇒師匠に出会い稼ぎ方を習う⇒一発奮起ブラック企業退社⇒月収7桁自由な生活など
資産〇〇億、〇社経営、お金配りなどでプロフやHPに誘導して鴨にします。
30万受け取るなら先ずは1万円指定口座に振り込むなどの誘導したりするとか・・・。
【WordPress】
多くのブロガーが利用しているCMS。インターネット上のコンテンツの実に4割ものシェアを誇る。
しかし、その本質を深く知っている者は極少数に限られている。
【#ブログ初心者】
Twitterで使われているハッシュタグ。「商材屋さんセミナー屋さん勧誘してください」の意。
勧誘DMが送られて来るので、その利用に注意が必要。『#プログラミング初心者』も同様である。
【#ブログ仲間と繋がりたい】
同上。
【#今日の積み上げ】
第3者には全く無意味で役にも立たないことを「即行動」「継続」「頑張る」と言いながら、半年以内で辞めること。
更新が途絶え半年で6割、1年で9割もの人がリタイヤするのがブログである。
最後に:セルフチェック
用語の半分以上の意味を理解し、半分以上は笑えた方⇒ブログ初心者を脱し中級者以上です。
用語の全ての意味を理解し、全てに笑えた方⇒ブログや副業ばかりにコミットせずに、会社の仕事も頑張りましょう。
思いついたら用語を追加していく予定です。
サイクリスト版『悪魔の辞典』の記事も書こうかしら!?
SNSの情報はもっともらしい甘い言葉を囁き、新規参入者をカモにして金銭を得ようとする輩が大勢います。
取捨選択をして内容を見極めながら、有効に活用したいものですね。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません