BS1スペシャル「銀嶺の空白地帯に挑む~カラコルム・シスパーレ~」

2019年1月16日

おそらく7回目にもなるNHK BS1での再放送。平出和也、中島健郎両氏のアルパインスタイルによる、パキスタン・シスパーレ(7611m)北東壁世界初登攀のドキュメンタリー映像。

初回2018年2月3日放送から、僕が放送で見たのはこれで3回目。録画もしているので、これで何回見直したんだろう。良い映像は何度見ても、いいものはいいです。

雪崩に巻き込まれたり、氷壁から中島さんが落下したり、胸あたりまである深雪でのラッセル・・・などなど、あっと驚く見どころがあり過ぎる。撮影しながらの事なので、その全ての映像がリアルそのもの。

山岳カメラマンでもあるお二人、雪崩に巻き込まれた後、中島さんが先ずやる事は・・カメラに付着した雪を拭う事。アイスアックスの先端をほんの数cmの岩の僅かな突起に引っかけたり、雪崩が迫ってくる映像など、迫真の映像が次から次へと押し寄せてくる。

登攀に備えた装備は選りすぐって、徹底的に軽量化し1人あたり13kg。食料は6日分をフリーズドライやアルファ米を中心に、1日分500kCalとここでも徹底した軽量化。どう考えても、

消費カロリー>>>摂取カロリー

撮影しながら困難で難易度の高い山に登るって、こういうことなんでしょうね。

本物のアルパインクライマーが撮影しながら、世界初となる困難な登攀ルートを登ることによって、こんな素晴らしい映像が記録されるんです。この映像をきっかけに、エベレストに登ることが1番凄い的な見方が変わってくれればいいな。

このシスパーレ北東壁初登攀によりピオレドール・アジア賞、登山界のアカデミー賞と言われる本家ピオレドールのダブル受賞。おめでとうございます!

Blu-ray版はBS1放送映像に無かった下山中の映像、疲労した中で悪天候と視界が悪くなり・・・これも過酷・・・が特典映像として収められています。

2020年2月18日(火)午前9時よりNHK・BS1で再放送があります。

アルパインスタイルとは

・ベースキャンプを出てからは第3者の誰からもサポートを受けない事。食料を受け取ることもNG。

・登っていくルート上に先行者がいないこと。(先行者がいれば雪道は楽して進むことができますよね)

・登山者は少人数(6人以内)

・酸素ボンベや事前の荷揚げ、固定ロープを使わない。

・ポーターの荷揚げはベースキャンプまで。ベースキャンプから上ではシェルパを使わない。

登山に必要な遠征費は安く済ませられますが、同じ山を登る場合でも難易度が格段に高くなります。

以上の条件を1人だけの登山者で行えば、単独登山ということになります。

平出和也、中島健郎両氏は三浦雄一郎氏のアコンカグア遠征にもサポート&撮影隊として同行。三浦雄一郎氏は残念ながら登頂を断念しましたが、平出和也、中島健郎両氏を含むサポート隊は、その後三浦雄一郎氏と分かれて登頂を果たしています。

三浦雄一郎氏がヘリで下山したことが一部で批判されていますが、三浦雄一郎氏の体力面への考慮だけでなく、サポート隊が氏と別れて登頂アタックできる、という両面からの判断だと推測します。

中島健郎さんはイッテQ登山部でイモトアヤコさんのサポート、平出和也さんはクレイジージャーニーなどでもテレビ出演されています。本物のアルパインクライマーが、一般の人の目に触れるメディアで紹介されるようになったことは、素直に嬉しい事です。

PEAKS2019年3月号登山者図鑑にも中島健郎さんが取り上げられています。

ピオレドール・アジア受賞後のイッテQ南極ヴィンソンマシフの放送でも、シスパーレ北東壁初登攀が紹介されています。

シスパーレ北東壁の登攀レポートはROCK & SNOW No078号

ベースキャンプに戻った平出和也さんが「これで限界を追い求めるようなアルパインクライミングは最後にして、今後の登山の方向性は変わるかもしれない。」と言っていました。しかし、後になって「次の目標はK2西壁」と公表。中島健郎さんと共に、更なる挑戦は続きます。

2019年7月14日追記

平出和也、中島健郎両氏がパキスタン・ラポカシ山登頂

平出和也、中島健郎両氏がパキスタン・ラポカシ山7,788mの南壁未踏新ルートより7月2日正午に登頂しました。

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