ロードバイクに乗ると手がしびれる
ライドの悩み。ロードバイクに乗ると手がしびれる
ロードバイク初心者あるあるの悩みのひとつ。手(手のひら)の痺れ。
その対策と解決方法の解説。
一定以上の距離を乗ると、初めはロードバイクに乗り始めたサイクリスト誰しもが手がしびれてしまったり。
不快なものですし、症状がひどくなるとロングライドでは特にブレーキングやハンドル操作に悪影響を及ぼしてしまいます。
手のしびれが原因となって、ライドそのものが楽しくなくなってしまっては元も子もありません。
前傾姿勢によって手のひらに掛かる荷重や、ハンドルバーから伝わる振動が原因となり、手首の付け根内側にある神経束が圧迫されて起こる症状です。
今では手がしびれることの無くなったベテランサイクリストでも、おしりの痛みと共に過去に必ずと言っていいほど経験のあることなので、対策と解決案をまとめておこうと思います。
・初心者サイクリスト向け
・悩みのある人向け
手(手のひら)のしびれ対策と解決方法
どの方法がご自身に合うかどうかはケースバイケースとなります。原因も一つだけではなく解決策も人それぞれ様々なので、試行錯誤しながらご自身に合った方法を見つけてみてください。
また、一つの方法だけでは解決しなかったけれども、複数の方法を試したら解消されるケースもあります。
乗り心地の良いチューブレスタイヤが大好きで、振動吸収性が機材選びでも重要な位置を占める僕の経験と見解をまとめてみました。
1.ポジションを見直す
ハンドルバーの高さと角度を調整してみる。特に乗車時間のほとんどで握っていることになるブラケットの取り付け位置や角度は重要です。
ハンドルバーの高さは、速度が速くないのに前傾姿勢が強すぎると、必要以上に手のひらに荷重が掛かってしまいます。
初めは高めにセットしましょう。
同時にブレーキレバー=ブラケットの角度も、初心者は起こし気味にセットすると具合が良いようです。
手のひらとハンドル(ブラケット)の接触面積を増やす、なるべく広い面で接するように調整します。
ハンドルまでの距離=ステムの長さも調整が及ばず適切なライディングフォームが取れない場合には交換が必要になってくるかもしれません。
1.2ハンドル周りのポジションやセッティングが原因ではなく、サドル側に原因があるケース。
サドルのセッティングが極端な前乗り、又は水平から外れた極端な前下がりだと、適切なライディングフォームからずれが生じ、余計な前輪荷重=手のひらに荷重が掛かり過ぎてしまうフォームになってしまうことがあります。
サドルの極端な前下がりは体重を乗せたペダリングがし易く感じてしまう。極端な前乗りや高過ぎるサドルは、これも体重を乗せて強く踏み込みやすいと感じてしまうし、前傾姿勢を深くしても上死点で脚がつっかえにくくて苦しさが紛れる。
ポジションをいじり始めると陥りやすいのですが、適切なペダリングが未だ出来上がっていなかったり、体幹を使えていない未完成の状態で『良い』『踏みやすい』と感じるポジションです。
サドルの高さと前後位置、取り付け角度も標準から大きくずれていたら見直してみましょう。
2.体幹で上半身を支えることを意識する
上半身が直立した乗車姿勢で乗るママチャリとは異なり、前傾姿勢になるフォームで乗るロードバイク。
前屈みになった上半身の体重を腕や手のひらで支えるのではなく、体幹で支えるように意識すると手のひらに掛かる荷重を減らすことができます。
ライド回数が増え一定以上の走行距離を重ねたり、初めよりも徐々に早く走れるようになると、自然と『体幹で支えるフォーム』になる場合もありますが、意識して取り組んでみましょう。
意識的に体幹で上半身を支えると、手のひらに掛かる荷重を減らしゼロにすることもできるようになります。
ライド中で遭遇する路面の段差や荒れた道路。振動や衝撃が大きい場所を通過するとき、より体幹で支える事を意識して手のひらに掛かる荷重を減らします。
路面が荒れていて振動が大きいとき、特に強く体幹で支える事を意識してみるだけでかなり改善されるはずです。
3.空気圧を落としてみる
特に前輪の空気圧は手のひらに伝わる振動に大きく影響しています。空気圧を落とすとハンドル=手のひらに伝わる振動を減らす効果があります。
タイヤの細いロードバイクでは、空気圧は0.1Bar(気圧)10Psi変えただけでも乗り味や振動に与える影響が大きいです。
ロードバイクの適正空気圧はタイヤの太さや乗員の体重によって変わります。
どうしても手のひらのしびれが収まらない場合には、この適正空気圧よりも前輪の空気圧を減らしてみると更に効果的です。
また、特に荒れた路面では高すぎる空気圧よりも走行抵抗も減り、走り自体も軽く快適になります。
機材的にはタイヤを太くしたり、硬く剛性の高いタイヤから柔らかく振動吸収性の高いタイヤに交換してみることも有効です。
運用に知識と技術が必要になり煩わしさもありますが、ラテックスチューブやチューブレスタイヤは振動吸収性に優れ、手のひらに伝わる振動を減らすことができます。
フレームやホイール、ハンドルバーやステムの剛性も振動吸収性に関わり、手のひらの痛みに影響します。
手のひらやお尻に痛みが出やすいサイクリストは、そのためにわざわざ機材を買い替えるまで必要はありませんが、購入する機材を選ぶ段階で振動吸収性を意識して、乗り心地の良い機材を選ぶようにしてください。
4.バーテープ・グローブ
厚手でクッション性に優れたバーテープに交換してみる。
グローブは必ずしも厚手で衝撃吸収パットを備えた厚手のグローブが良いとは限りません。薄手で手のひらにフィットしたグローブの方が痛くならない場合もあります。
ハンドルバーを握ったとき、グローブの手のひら側にしわが出来てしまい、そのしわが痛みの原因となってしまうこともあり得ます。
ピッタリとフィットしたグローブのサイズ選びも大切です。脱ぎやすいからと言って大きめのサイズのグローブを選んでしまうと、手のひら側にしわが寄りがちです。
適切なサイズでご自身に合ったグローブを選びましょう。
4.1ホイール・タイヤ・フレームなど乗り心地に関わる機材選び
上半身=手のひらに伝わる振動に影響を及ぼす機材、タイヤ、ホイール、(2台目以降の)フレーム、ステム、ハンドルバーを振動吸収性の高い乗り心地の良い部品を選ぶ。
機材によって伝わってくる振動が大きく違ってきます。
SNSでのアドバイスは「好きなものを買えばいい」で会話が終わってしまっている例が多いです。
「デザインに惚れた」だけで好きになるのではなく、機材の特性を良く調べて悩みの解決に向かう選択をするようにしましょう。
フレームの高剛性化とフロントホイールはラジアル組み全盛。ホイールの縦剛性は上昇傾向で、その分どうしても振動吸収性は悪化します。
ローハイトアルミリム+クロス組みホイールの選択肢もアリだと思う。
入門用クリンチャータイヤとチューブレスタイヤやビットリア・コルサなど乗り心地の良さに定評のあるタイヤとの乗り心地の差は大きい。
ホイールによっても伝わってくる振動は大きく異なります。先ずはタイヤとチューブに乗り心地の良い機材を選択。
僕の使用している3Tのカーボンハンドルも柔らかめの部類で、乗り心地は良い方。
驚くほど変わるはずです。
5.速く走れるようになると自然と解消
2の体幹で支えると重複する部分もあります。
ライド回数を重ねて乗車頻度も増え距離も徐々に伸ばして、ロードバイクに乗り慣れてくると自然と速く走れるように成長していきます。
速く走れるようになったということは、その分ペダリングの踏み足が強くなって、踏み込む力によってサドルやハンドルに掛かる荷重が減っています。
ゆっくりしたペースだと、その分どうしても踏み込みの力が弱いので、サドルやハンドルに荷重が掛かりがちになります。
ケイデンス〇回転を意識し過ぎて、どんな状況でも高いケイデンスを保って走るよりも、ある程度ケイデンスを落とし踏み込みを強くした方が、お尻や手のひらに痛みが出にくくなります。
荒れて振動が大きい路面を通過するとき、ケイデンスを上げるよりも重めのギヤでケイデンスを落として踏み足を強くすると、サドルやハンドルから伝わる不快な振動を減らすことができます。
石畳で有名なレース、パリ~ルーベを走るプロ選手は体幹で支えることとギヤや踏み足で意識してフォームやペダリングを変えて振動対策をしています。
僕の場合は、速度や状況によって変えていますので目安になりますが、荒れた路面情況を通過するとき、ギヤを1~2段シフトアップして重くしつつ、ケイデンスを通常より5~10回転落としてやり過ごすように走っています。
※無理をして速く走ることを推奨している訳ではありません。適切なフォームとライディングポジション、適切な機材と経験が整ってくると、どんなにゆっくり走ってもゆるポタでも手のひらに痛みを感じなくなります。
また、ロードバイク=ドロップハンドルに乗り慣れていない時期は、リラックスできなくて上半身がガチガチになりがち。
自然体の長時間乗っても疲れない姿勢が出来て来ると、肘や肩甲骨周りの柔軟性で振動を吸収できるようになってきます。
6.乗車中に姿勢を変える
長時間常に同じ姿勢、同じフォームで乗り続けるのではなく、乗車姿勢を変えてみることも有効です。
全く同じ姿勢を保ち続けると、体の同じ個所に負担が集中しがち。これがお尻や手のひら、肩の痛みの原因に繋がってしまいます。
肘を曲げる、伸ばす。僅かな変化でも手のひらに掛かる荷重が変化します。
見通しの良い安全な場所では、ドロップハンドルを持っている手の位置を変えてみる。同じ姿勢で長時間乗り続けない事を意識して実行してみてください。
指1本分握りの位置を変えるだけでも効果的です。手のひらに痛みが出やすいサイクリストは特に、短時間で定期的に握りの位置を少しずつ変え、同じ姿勢同じフォームで乗り続けないように意識してみてください。
こまめに乗車姿勢を変えたり、握りを変えることで1か所に荷重が集中することがなくなり、
長時間のロングライドでの痛みや疲労軽減に繋がります。
7.ドロップハンドルの握り方
腕や肩に力を込めて、力んで姿勢を保っていると、路面の振動や衝撃が体に伝わり易くなり痛みが発生しやすくなってしまいます。
手のひらで力いっぱいハンドル(ブラケット)を握り込んでいても、同じように手のひらを含めて肩や腕に痛みが発生しやすくなってしまいます。
イメージとしてはバトミントンのラケットの握り方。
手のひらは柔らかくグリップを包み込むように握り、決して力いっぱい握ってはいません。なのにラケットを振ってもグリップがスッポ抜けることはなく、どんな体制やフォームでもシャトルが打ち返せるように対応します。
手首、肘、肩は柔らかく動くように意識します。腕や上半身の関節が例えるならサスペンションとして動作して振動を吸収し、衝撃や痛みから防ぐように働きます。
肩肘の関節をサスペンションのように柔らかく動作させて振動を吸収。
路面からの衝撃を和らげます。
但し段差等の強い衝撃や緊急回避で決してハンドルから手が離れないように注意してください。
基本はブラケットを握る時間が長いですが、そもそもドロップハンドルは状況に応じてさまざまに姿勢を変えて、ドロップハンドルのどこでも握れる構造になっています。
状況に合わせてドロップハンドルの握りの位置を変えることによって、姿勢の変化に繋がりこれも手のひらの痛みを無くすことに繋がります。
まとめ
手のひらの痛みの原因は必ずしも一つではなく、複合的、総合的な場合がほとんど。
ひとつの対策で解決することは稀で、いくつかの対策を重ねて初めて解決することが多いです。
ベテランサイクリストでも、仕事が忙しくて数か月ぶりにロードバイクに乗ったときなどに、手のひらやお尻に痛みが出ることも多いです。
趣味で乗り始めたロードバイク。ロードバイクに乗ることによって新たな発見や知識が得られたり、本来は楽しい趣味であるはずです。
機材を揃えるのも決して安く手軽に始められる趣味ではありません。
健康や運動のため、楽しみのために始めたロードバイクから少しでも悩みや不快感が減り、充実した趣味になる手助けになれば幸いです。
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