ロードバイク・ホイールの選び方

2021年8月24日

ロードバイクの走りに大きく影響を与えるホイール。完成車付属のホイール=通称鉄下駄から最初のグレードアップにホイールの購入を検討するサイクリストは多いです。

ホイール選び。ローハイトvsディープリム

ここでは初心者向けにグレードアップのためのホイール選びについて、そのポイントを解説します。

目的に応じて、走り方や走るコース、巡航速度や体重や脚力によっても最適なホイールが変わってきます。

走り方や好みが多様化し、ホイール=製品の選択肢も増え、何を選んで良いのか迷っているサイクリストが増えています。

Twitterでも、自分のバイクの画像をUPして「このロードバイクにはどんなホイールが似合いますか?」

こんな質問がとても多いのです。

見た目のカッコ良さも気になるところですが、自分の走り方や脚質にマッチした、気持ちよく快適に走れるホイールを選んで貰いたいものです。

ホイールやタイヤ、自転車の足回りはロードバイクの走行性能に大きく影響するのだから。

通称「鉄下駄」完成車付属のアルミホイールは2.2~2.3Kg位ありますから、換えれば大抵は軽くなりますけれど。

速く走りたいのか、気持ちよく快適に走りたいのか

ロードバイクのホイール選び。簡易リスト

タイムを稼ぎ速く走るためのホイールと、気持ちよく快適に走るためのホイールは異なります。

ロングライドで距離を伸ばせば伸ばすほど、剛性が高くてロスがないホイールよりも、乗り心地の良い快適性を考慮しなければなりません。

最近のカーボンフレームはハイグレードなものほど剛性が高い傾向にあり、プロ選手のゴールスプリントでのMAX1,400wの大出力にも耐えられる高剛性。
適度にしなやかなホイールで逃げを作った方が、一般サイクリストにとって快適に走れるバイクの乗り味になります。

剛性が高すぎるホイールは脚に堪えるだけでなく、路面からの振動を伝え過ぎて乗り心地が悪い、とも言えるのです。
手がしびれたり、お尻が痛くなったままロングライドで乗り続けるのは不快この上ない。

リムハイトと重量に的を絞って初めてのホイール選びについて、その特性と選び方を解説します。

ディープリムかローハイトか

平坦路をメインに巡行速度25km/h以下で走っているサイクリストに「カッコいいから」「グレードの高い良いホイールだから」と50mm以上のリムハイトの重量もあるホイールを勧めてもミスマッチです。

常用速度が低ければ、リムハイトよりも重量を気にして、軽量なホイールを選んだ方が良いです。常用速度が低ければディープリムの空気抵抗低減のメリットは少なく、加速や登りの軽快感が失われないようなホイールを選ぶべきかと。

軽量ローハイトホイールよりも外周の重量が増え、スポークが短くなる結果としてホイールの剛性が上がるので、ある程度の脚力=出力W数=平坦路をある程度の速度域以上で走れないと、ディープリムのホイールは重く脚が削られる感覚を覚えるサイクリストも多いはず。

ディープリムのホイールを選択するなら、一定以上の脚力が必要になってくると感じています。

剛性が高くてダイレクト感が高く反応が良いホイールが好みなのか、乗り心地が良く楽に走りたいのか。スイートスポットはそのどちらかに極端に寄るのではなくて、サイクリスト1人1人に丁度良くバランスするポイントがあるはずです。

平坦の巡航速度重視ならディープリム

僕の感覚的な判断基準では平坦路の巡航速度30km/h以上。そして少しでも平地の巡航速度を上げて速く走りたい、と目的があるなら40mmハイト以上のディープリムホイールを選んでよいと思う。

但し40mm以上のリムハイトから更にハイトが高くなればなるほど横風の影響も受けやすくなります。個人的な感覚では春先に多い強風やビルの谷間の突風などでコントロールを失わない限界が40mmハイト。
更に30mm以下のローハイトリムのホイールの方が、風に煽られにくく安心感が増します。

45mm以上のリムハイトになると、その日の天候(風)やコースプロフィールの獲得標高などに応じて、もう少しハイトの低いホイールをチョイスしたくなるときがあります。

この辺りの線引きも、僕よりも体重があって出力も高くテクニックもあるサイクリストなら、少々の風や登りでもハイトの高いホイールを使いこなしてしまいます。

ビルの谷間の切れ目や橋脚、地形の変わるところでは、本当に突然に強烈な横風に見舞われることがあります。
ボトルを取るなど片手を放していたら瞬間的に落車してしまいそうな突風に。

ディープリムは条件が合えば空気抵抗が少なく平坦では速くなりますが、サイクリング用途では決して万能ではないと覚えておいてほしいです。

またリムブレーキの場合、クリンチャー(チューブレス含む)カーボンディープにはダウンヒルでのブレーキングで発熱、カーボンリムには変形や破損のリスクがあります。
カーボンホイールは発熱に強く破損事例の少ない信頼性の高いメーカーのホイールを選び、ダウンヒルでのブレーキング技術をマスターする必要性を感じます。

※カーボンリム用ブレーキシューによってもダウンヒルでの発熱の度合いは大きく違います。ディスクブレーキ車では、このような心配は不要になります。

加速やヒルクライム重視ならリムハイトより重量を基準に

完成車付属ホイール=通称鉄下駄の重量は約1.8~2kg程度もあります。これを1,600g台以下のホイールに交換するだけで、バイクの軽快感が増し加速と登りの性能はアップします。

ホイールの重量、正確には外周部に当たるリムの重量ですが、軽くなればなるほど加速性能とヒルクライムの性能には優れます。

個人的な感覚ではリム重量が450g以上になると、加速時に重さを感じるしヒルクライムでは使いたくないほど重さを感じます。
ホイールの重さでは1,500g以上は平坦専用、ヒルクライムではそれ以下の重量で使い分けたいところ。
ヒルクライムでは420g以下のリム重量で軽ければ軽いほど楽ですね。(ホイール剛性は、ここでは分けて考えます)

また平坦路の巡航速度30km/h前後以下なら、ディープリムの空気抵抗が減る恩恵よりも軽量化のメリットが大きいと感じます。

体重の軽い女性ビキナーサイクリストやゆるポタライドならば、カーボンディープを選ぶ必要性はないと思っています。

アルミローハイトなら値段も高くはなく、1,600g台や1,500g台のアルミローハイトホイールなら、充分に軽さを実感できるはずです。

超軽量な一部のハイエンドカーボンホイールを除けば、アルミリムのホイールでも充分な軽量化を果たせるのです。

この記事では特定の製品(ホイール)を勧めたり晒したりするつもりは無かったのですが、、、

僕の好みに合わないシマノ・デュラエースC24、前輪スポークが16本と少なくダンシングで剛性不足を感じ(後輪も)、その少ないスポークが細くてテンションも高い為に折れやすく耐久性に欠ける。
そしてリムが柔らいせいもあると思いますが、その張力が高く少ない本数のスポークが折れると、ホイールの振れが大きく走行不能に陥りやすい。

個人的には嫌いなホイールなのですが、、、

しかしダンシングしない体重の軽いサイクリストにとっては、僕が感じる剛性不足が快適性と乗り心地の良さのメリットとなり、ホイールに掛かる負荷が軽いので簡単にスポークが折れるようなこともない。

乗り手次第で気持ちよく軽く走れるホイールになるのです。

逆に自分に合わないホイールを選んでしまうと、不満や後悔が重なってしまうばかりになってしまうことも。

空気抵抗、重量、価格、加速性能や振動吸収性、耐久性やメンテナンス性…etc

ホイールには優劣を比較できる特性がありますが、それ以上に1人1人のサイクリスト自身の走り方や好みに合っているのか。これがホイール選びの判断基準として最も重要なことであると感じています。
シリアスライダーや少しでも速くなりたいと、強い目的を持ったサイクリストなら尚のこと。

またホイールに限りませんが、インプレや測定値に囚われ過ぎないことも大切だと感じます。

谷崎潤一郎が『文章読本』の中でこう語っています。

鯛のうまみを味わうのには、鯛という魚を科学的に分析しなければならないと申しましたら、きっと皆さんはお笑いになるでありましょう。

谷崎潤一郎『文章読本』

「数字は嘘をつかない」とデータ至上主義になってもいけない。走行抵抗の軽さ全振りのタイヤはウェット路面でグリップを失うと、一気に滑ったり欠点少なくなかったりします。

ホイールもまた然り。プロ選手が使う平坦路最速のホイールが、出力の劣る一般ライダーにとっては重くてさほど速く感じなかったり。

出力が低く常用速度が低めなら、ハイトの低い軽量ホイールの方が気持ちよく走れることも多いです。

まとめと注意点

ハブやスポーク、メーカーごと、製品ごとの詳細は初心者向けのこの記事では割愛します。

チューブラーは少数派になったとは言え、チューブレスやフックレスリムまで登場し、全てを説明すると逆に迷ってしまうと思います。
走るコースに合わせて何本か用意するのも、最初の1本では無理な話です。
チューブレスタイヤを使ってみたい希望があるならチューブレス互換のホイールを選んでください。基本的にはクリンチャータイヤ用のホイールを基準にした記事になっています。

ホイール選びの注意点として、一部のフレームはナローリム(目安として内幅15mm、外幅20~21mm)のホイールしか取り付け出来ない。タイヤも23Cまでしか取り付けできないフレームがあります。
※数年前のエアロ全振りフレームなど。

ディスクブレーキ用のホイールの場合、ローターの取り付け方法=6ボルトなのかセンターロックなのかの違いがあります。これによってブレーキローターも追加購入する必要があります。

チューブレスタイヤの走行感は好きで常用していますが、フックレスリムになると現時点ではタイヤの選択肢も少なく、よほど好みに合った選択をしないと、、、と思います。
チューブレスホイール&チューブレスタイヤも、タイヤの嵌めやすさやビートの上がり易さなどの相性があるため、ホイールもタイヤも「好きなの選べば良い」だけでは後悔してしまうのでは、と感じます。
はまらない、外せない、パンクしたら自分で直せない、などなど、組み合わせの選択を誤ると苦労が増えるだけになってしまったり。

MAVIC、DT、カンパニョーロ、フルクラム、EASTON等のフリーホイールはメンテナンス必須。ほぼノーメンテで長く使い続けられるシマノのフリーボディとは異なります。

特にMAVIC ID360とDTスターラチェットの面ラチェット構造のフリーボディは『ノーメンテで乗り続ける⇒ラチェットが摩耗して寿命を迎えてしまう』サイクルが短く、定期的なグリスアップが必須です。
メンテしないズボラな人、もとい忙しい人には向かないかも…

MAVICインスタントドライブ360
MAVICインスタントドライブ360ギヤ。工具不要で分解可能。

好きになるなら、購入を決定するのなら、見た目だけではなくホイールの特性や性能、耐久性や整備性を調べてから好き嫌いの判断をしても遅くはないのではないでしょうか。

ホイールも御多分に漏れず通信販売で買うサイクリストが増えています。

いざ故障したとき、メンテナンスが必要になったとき、修理が必要になったとき。

補修部品を取り扱っている、修理やメンテナンスを請け負ってくれるお店が近くにある、このような点もいざとなれば重要なポイントです。

ホイール選びの初歩や基礎知識として、お役に立てれば幸いです。