ロードバイク・タイヤの適正空気圧
空気圧はロードバイクに超重要!
ディスクブレーキの普及でロードバイクのタイヤは太くなる傾向にあります。それに伴いリム幅も広がり低圧運用が可能なチューブレスタイヤやフックレスリムも徐々に増えてきています。
クリンチャータイヤに限っても一昔前と比べて、最適な空気圧は下がってきています。
ライダーの体重によってタイヤの接地面積も変わってしまう。タイヤが違うのに、体重が違うのに、ガチ勢のトレーニングなのか乗り心地重視の快適サイクリングなのか走り方のタイプも違う。
自分の走り方にとって、自分の機材にとっての最適な空気圧を見つけてみましょう。
ロードバイクは空気圧を変えてみると、驚くほどそのフィーリングが変わります。
MICHELIN版簡易編
700Cクリンチャー20~28Cタイヤに対応しています。
世界で最も古い企業キャラクターであるビバンダム(ミシュランマン)が分かりやすいグラフでタイヤの適正空気圧を教えてくれています。
20Cから28Cまでの太さの700Cクリンチャータイヤを使用する際の、適正空気圧をライダーの体重別によってグラフ化。
一目で把握できるので、手軽に取り入れられるのではないでしょうか。
25Cタイヤが普及してきた現在「あれ?空気圧高過ぎだったんじゃね?」という人が多いのではないでしょうか。僕も25Cタイヤを使い始めたばかりの頃は23Cと変わらない100psi程度入れてたので、偉そうな事は言えませんけれども。
小柄で体重が軽い人でも、タイヤ指定空気圧の上限120PSIとか・・・入れ過ぎな人が多い印象です。
このグラフで示された空気圧=700×25Cタイヤ使用でライダーの体重が64kgの場合、ミシュランが推奨する適正空気圧は約85psi。100psiから85psiまで空気圧を落としても、体感できるほど路面抵抗は増えず重くは感じません。
振動吸収性=乗り心地の良さが際立ち、疲れにくく快適になります。ロングライド派やゆるポタ派には特にお勧めします。
距離の短いロードレースや短時間での強度を上げたトレーニングの場合は、もがいた時に一瞬反応が遅れているような、タイヤのヨレを感じてパワーをロスしているように感じられます。
この場合は乗車時間が短時間なので「長時間乗っていると振動で疲労が早まる」ことは考慮しなくて良い。ミシュランマンの推奨空気圧よりも高くして構わないと思います。
但し路面がウェットの場合にはグリップを少しでも上げるために、普段よりも空気圧は下げた方が良いです。
ロードレースでは、コーナーでスリップして落車→他の人を巻き込んでしまう場合も想定できますから。
MAVIC版|MyMAVICアプリを使った適正空気圧算出方法
残念なことに2021年秋以降アプリダウンロードが廃止され、新規利用が出来なくなりました。
既にアプリをダウンロード済みなら利用可能です。しかし・・・エラー表示が出まくり・・・。
算出された空気圧は僕の好みに最も一致していて信頼していました。過去形で書かなければいけないのが悲しい。
アンドロイド
iPhone
リム内幅、タイヤ太さ、ライダーの体重、自転車の重量等をアプリに入力すると適正空気圧が算出されます。路面がドライなのかウェットなのか等の選択肢もあり、より正確に自身の適正空気圧をセッティングしたい人向け。
インターネットに接続されていないと使えないのがこのアプリの欠点。
スマホアプリMyMAVICをインストール。アプリ起動後に「Calculate my tyre pressure」をタップ。
選択項目は
1.PERFORMANCE、VERSATILE、COMFORT
パフォーマンス=短距離のサーキットロードレースなど、バーサタイル=万能、コンフォート=ロングライドやゆるポタ
つまり、走りの目的によってもタイヤの適正空気圧は違うという事を理解しましょう。
2.TUBE TYPE、TUBULAR、TUBERESS
チューブレスをクリンチャーと同じ空気圧で乗ってるサイクリストもいたり…
タイヤの構造が異なると適正空気圧も異なります。
3.WEATHER(DRY or WET or MIXED)
ウェット路面ではグリップを稼ぐために空気圧を落とします。
4.RIM WIDTH(13mm~26mm)リム内幅
同じタイヤでも装着するリムの内幅の違いで太さが変わってしまいます。タイヤの太さが変われば適正空気圧もまた変わります。
5.TYRE WIDTH(23C~50C)
タイヤが太くなればエアボリュームが増え、空気圧を落とすことができます。
6.BRAKE TYPE(RIM or DISC)
リムブレーキかディスクブレーキかで適正空気圧を変える。
7.ライダーの体重
8.自転車の車両重量
自動車でも乗車人数や積み荷の重量が変われば、タイヤの適正空気圧が変わります。自転車もまた然り。
タイヤ本来の性能を最大限発揮させるために、ライダーの体重+車両重量で適正空気圧を調整します。
タイヤの性能=グリップや適切な変形(衝撃吸収)を最大限に発揮できるポイントです。
以上を選択入力し「Calculate」をタップすると、適正空気圧が前輪後輪それぞれ別に算出されます。
MAVICホイール(リム)を使っていなくても、リムの内幅(外幅ではありません)が判っていれば算出可能です。MAVICユーザーでなくても使えるアプリです。
パフォーマンスを選択しても、やはりMyMAVICアプリでも低めの空気圧が算出されます。あるタイヤメーカーの中の人は「日本人は空気圧を高くし過ぎている。タイヤの性能を充分に発揮できているとは言えない。」と言っていました。
僕はチューブレスタイヤで荒れた路面を走る場合、ロングライドで瞬間的な速さを求めない場合などは、フロント70psi程度まで落とすときもあります。特にチューブレスタイヤでは、低圧でも走行抵抗が増えて重くなるような感覚がない。
乗り心地重視でのセッティングではMyMAVICアプリで算出された推奨空気圧がお勧めです。路面からの振動で手が痺れる人にもお勧めします。
My MAVIC推奨空気圧のメリット
・振動吸収性が良くなり乗り心地が良い。
・タイヤのグリップが良くなりコントロール性も増す。ダウンヒルの安心感、安定感にも繋がります。
・ウェットや浮き砂利、荒れた舗装など、路面状況が悪条件なときほど跳ねないのでバイクの挙動が安定してグリップを失いにくい。
・長時間のライドで疲労が少ない。快適。
・走行抵抗は増えない。特に荒れた路面では逆に走行抵抗は減ってロスも少ない。
・新ETRTO規格対応で設計製造されたタイヤが増えてきています。タイヤの太さだけでなくリム内幅が入力項目にあるのはポイント高い!
SRAM タイヤプレッシャーカリキュレーター
SRAM The tire pressure calculator
オンライン上で適正な空気圧が算出できます。MyMAVICとほぼ同じ入力項目ですが、アプリをインストールしなくても計算できるので便利です。
各入力項目に従って入力して『CALCURATE』をクリック
推奨空気圧が算出されました。
オンラインで手軽に利用できるのでお勧めです。
スマートフォンにアプリをダウンロード。各項目を入力して最適な空気圧を自動計算。
SILCA Pro Tire Pressure Calculator
ロードバイク、トラックバイク、グラベルバイクに使えるオンライン空気圧計算器。
フックレスの選択肢はありません。
1.Enter Total System Weight=体重とバイク重量の合計を入力。単位はkgを選択
2.Surface Condition=路面状況を選択。通常はWorn Pavement / Some Cracks=荒れも含まれた舗装路で良い。
3.Measured Tire Width=タイヤ幅を選択
4.Wheel Diameter=タイヤ幅を選択(20~65mmまでの選択肢)
5.Tire Typeを選択。クリンチャータイヤの場合ラテックス or ブチルの選択肢も有ります。
6.Average Speedを選択。プロツアーのロードレースからゆるポタサイクリング(グループライド)まで
7.Weight Distribution=重量配分を選択。個人的にはサドルを後ろ目に引いてセットしているなら47/53グラベルバイクを選択しても悪くないと思います。
8.Calculateをクリック
MAVICアプリMyMAVICとほとんど同じ適正空気圧が出ました。
リム内幅の入力項目が無いので心配でしたが、コレは使えるかも!
Tire Pressure Calculator CS|Cycling Sport
英語ですが選択入力項目は理解し易いです。リム内幅の入力有り。フックレスも選択肢有り。
個人的な印象では低めに空気圧が計算されるので、まったりサイクリング向け。
SIRICAの実験
路面の荒れや振動は、どの程度抵抗に影響するのか?
空気圧は上げれば上げるほど良い訳ではないという話。
ここではライダーの体重やタイヤの太さが不明ですが、100psiがブレークポイント=変換点となり、それ以上に空気圧を上げても逆に走行抵抗は増えてしまうという実験結果。
高圧に上げ過ぎて荒れた路面でポンポン跳ねながらのライドでは、ロスが大きいということ。
C15⇒C17⇒C19ディスクブレーキ用ホイールに至ってはさらに広がるワイドリム化に伴って、ロードバイクタイヤの適正空気圧はさらに下がっていく傾向にあります。
【タイヤの科学】ロードバイクのタイヤは速く走るほど低い空気圧が良いという話
愛三工業レーシング所属、大前翔選手のブログ|Roadbike Academy
まとめ
Twitterで度々見かける質問とその会話
ロードバイクのタイヤ何気圧にして乗っていますか?
7気圧です!
冒頭に述べたように、サイクリストそれぞれのバイクのタイヤの太さが違う。体重が違う。クリンチャーやチューブレス等使っているタイヤの構造が違う。
空気圧だけを質問したり答えたりでは意味が無いんです。
カリキュレーター(計算器)の普及でタイヤの種類や太さ、ライダーの体重等に合わせて適切な空気圧に調整することが普及するのを願っています。
空気圧を高くすればするほど、タイヤが細いほど走行抵抗が減り軽く走れる訳でもありません。25Cタイヤの方が転がり抵抗は少ない。快適なライドを楽しむためにも空気圧を是非見直してみてください。空気圧を0.2barずつ変えて乗ってみて、自分の感覚で試してみるのも良い方法だと思います。
むしろ、ある程度低めの空気圧の方が振動吸収性が増し、快適なライドが楽しめます。
ミシュランやマビック、スラムの空気圧推奨値は乗り心地が良くなり、安定感が増します。荒れた路面のダウンヒルなどでもバイクが跳ねにくくなり、バイクコントロールがしやすくなります。
乗り心地重視、ダウンヒルが苦手、ロングライドで手や肩の疲労が早く振動が苦手な人なども、ミシュランやマビックの空気圧推奨値は試す価値があると思います。
タイヤやホイールを変えると、走りの感覚が大きく変わります。それと同様に空気圧を変えても走行感は大きく変わります。特に高圧で乗っている人(短距離のロードレース除く)は、空気圧を見直してみると良いのではないでしょうか。
圧力ゲージ付のフロアポンプがお勧め
ロードバイクやクロスバイクなどフレンチバルブで高圧タイヤに空気を入れるには、圧力ゲージ付の専用フロアポンプがお勧めです。
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