コラムカットについて

LOOKコラムカット

ロードバイク・カーボンフォークのコラムカットと注意点

憧れのロードバイクが納車され、ステムの高さやブラケット角度(ハンドルバーの煽り角度)などポジションを何度も調整しつつ走り込む。

自分のライディングポジションが決まったら、適切な長さでのコラムカットを推奨します。

必ずステムを下げていきコラムを切らなければならないということではありません。

「コラムカットしてステムを下げるとカッコいい」「ベタ切りカッコいい」などとカッコでコラムカットするものではないと思います。

快適なライドのために、あくまでも自分自身のポジションを出すことが最優先。
ロングライドでも疲れにくく快適に、そして速く走れ加速も効くポジション。シッティングとダンシング。ブラケットやハンドルバーのどこを持っても違和感の無い疲れない姿勢が保てるように。

そのポジションが決まったら、必要であれば初めて「このバイクの状態ならした方がいいかな」となってくるのがコラムカット。

見た目優先でカーボンコラムをベタ切ツライチにする弊害も解説します。
※エアロ形状一体型ステム等ではベタ切り推奨の例外もあります(それに対応したプレッシャーアンカーを使用)。

コラムは長い場合には再び切ることが出来ますが、一旦カットすると元通り長くすることは出来ません。

充分にライディングポジションが固まって「今後これ以上ステムを上げることはない」とか「僅かに調整幅を残してカット」となってから、慌てて急いでやらないようにしましょう。

コラムカットBianchiの場合

カーボンコラムの破損事故、コラムの変形や割れ、ステム抜けなどの重大な事故や怪我を防ぐために、各完成車メーカーではカットするコラム長さの指定があります。

事故や怪我を未然に防ぎ、末永く愛車を大切に使い続けるために、必ずメーカーの指定を守りましょう。

Bianchi|フルカーボンコラムへのコンプレッションデバイスの取り付け方法について(pdf形式)

Bianchiコラムカット|フロントフォーク取り付けの注意点
ステム下部のコラムスペーサーは5mm以上35mm以下にすること
Bianchiコラムカット長さの注意点
コラム上端はステムより2mm以上の出代を取り、コラムスペーサーは5mm
Bianchiコラムカットの注意点

・ステム下部のコラムスペーサー高さは5mm以上35mm未満にすること

・ステム上部には2mm以上コラムの出代を取り、5mmコラムスペーサー1枚を入れる(但しコラム出代は5mmスペーサーの高さ未満)

コラムカットブリヂストンANCHORの場合

ブリヂストンANCHORカーボンコラムカット
ANCHORカーボンコラムカットの注意点

・コラム上端より最低5mm以上の隙間(クリアランス)が取れるコラムスペーサーを使う

・ステムの固定位置は必ずプレッシャーアンカーの範囲内とする

クリアランスで5mm以上の指定なので、5mmスペーサーではスペーサーとコラムが掛かりません。ステム上側のコラム出代を考慮すると、実質10mmのスペーサーが必要ということになります。

コラムカットLOOKの場合

LOOKカーボンフォーク取扱説明書

LOOK付属のテーパー状のアルミ製コラムスペーサーは10mmです。

ワコーズ・シリコーングリス及びシマノ・プレミアムグリスの指定は、LOOK日本正規代理店Mr.LOOK氏自身が長年使用して、カーボン樹脂や部品を傷めない確認済みのグリスです。

押し子タイプのステムは、1部分だけに力が加わりステムを固定する構造。カーボンコラムの変形を招き易いために使わないように指示されています。

テーパー角度の合わないカートリッジベアリングを使ってはいけないのは、LOOKに限った話ではなく各社共通です。

理論的考察:共通する注意点

Bianchi、ANCHOR、LOOKの例を挙げて解説しましたが、これらから読み解けるコラムカットの理論的な注意点を解説していきます。

1年で自転車を乗り換えるプロとは異なり、僕を含めてアマチュアライダーは自転車を耐久消費財として使っています。

末永く愛車を使い続けられるように、そして事故やトラブルを未然に防げるように、コラムカットの注意点を理論的に読み解いていきます。

基本的にバイクメーカーの指定や指示を守るべきですが、理屈が分かれば応用が効くようになります。
「こうして組んでおけば耐久性があり安全」と理解できるようになるはずです。

Bianchiとは違うメーカーの自転車だから、関係ないということはありません。理論的な共通事項があるのです。

コラムとスペーサーの高さ

コラムカットの高さ合わせ

画像はヘッドのガタの無い状態でのクリアランスです。

コラムとスペーサーの高さ関係は、コラムよりスペーサーが数mm(目安として2~3mm程度)高くなっていなければなりません。

逆にコラムの方が高いとヘッドのガタが取れません。

自分でコラムカット作業を行う場合、ヘッドにガタがある状態でコラムの長さを決めて切ってしまうと、いざ作業が進みヘッドのガタを取った段階でこの寸法に狂いが生じてしまいます。

必ずガタの無い状態でカットするコラムの長さを決めるように作業を進めます。

ブリヂストン説明書での指示事項「最低5mm以上~」との説明は、ヘッドにガタがあるバラ完からの組立作業で5mm以上のクリアランスを取っておくと、ガタを取ったときにクリアランスが狭まって適切な状態になるということです。

ステムを交換した際には、ステムの種類によってクランプ部の高さが異なる為に位置関係が変わり、スペーサーの変更や追加等が必要になる場合もあります。

ステムとアンカーの位置を合わせる

コラムカットの注意事項

カーボンコラムの場合、ステムとプレッシャーアンカーの位置合わせは重要です。

完成車メーカーがしつこい位に「ステム上に5mmスペーサーを必ず入れる」「ステム上に10mmスペーサーを入れないと保証対象外」などと言うのもこの位置合わせ、高さを合わせる為です。

プレッシャーアンカーはコラムを内側から広げる力を加えている。

ステムはコラムを外側から締め付ける力を加えている。

肉厚のあるアルミ製コラム、Cr-Mo製コラムの場合ではさほどトラブルになりにくいのですが、カーボン製コラムでは、これを守らないと確実にコラムが変形します。

コラムカットの注意点。コラムの変形や割れ。

円形の断面が楕円形に変形してしまったり、長期使用でクラックが入ってしまう可能性も有ります。

コラムベタ切りの結果、断面の変形が原因となって、フロントフォークが抜けなくなった事例を見ています。

フロントフォークは頻繁に分解やメンテナンスを行う箇所ではありませんが、抜けなくなるとグリスアップやベアリング交換が出来なくなってしまいます。

ステム上にスペーサーを入れないベタ切りツライチを目的としてしまうと、この位置関係が崩れコラムの変形や上端に割れが発生してしまう可能性が高まります。
コラム上端をステムが強く締め付けてしまうと、アンカーの内側から広げる力が加わっていない空洞箇所、しかも端でステムを固定してしまうことになってしまっているので、経年変化で変形や割れなどの故障が発生しやすくなってしまいます。

プレッシャーアンカーのコラム内部での固定位置は

プレッシャーアンカー組み付けの注意事項

・プレッシャーアンカーはステムと高さを合わせること

・コラム上端よりも奥に(ガタが取れなくなります)

プレッシャーアンカーには様々な形状や種類があります。

FSAのプレッシャーアンカーはLOOK純正と形状や構造が同じ。

LOOKはヘッド小物がFSA製なので、プレッシャーアンカーもFSA製でLOOKのネームを入れている同じ製品。

アンカー部の長いDIXNAのプレッシャーアンカー

BBBとKCNCでは組付け時のアンカー固定位置が変わってきます。

カスタムで手を付けやすいトップキャップも凸型や凹型など、色やデザインの違いだけではありません。トップキャップを交換したら、アンカーの固定位置に微調整が必要になることもあります。
スペーサーでの位置合わせが必要になるケースもあります。

コラムカットまとめ

コラムカットはステアリング周りの構造を良く理解し、自分のポジションが固まってから手掛けるべきだと思います。

ワイヤー類完全内装の完成車の場合は特にハンドルの高さ変更が大変。ポジションが完全に決まってからショップに購入相談すべき車種ですね。

ステムとトップキャップの間にスペーサーを入れないセッティングを一部では漢切りと言うそうですが、、、

漢切りを目的としたわけではありません。

LOOK 785 HUEZ RSは剛性を上げる為にヘッドチューブが長く設計されています。

ライディングポジションが決まった乗り続けているロードバイクと乗車寸法、ポジション合わせをした結果、たまたまステム下にスペーサー無しになっただけです。

2台目、3代目のロードバイクを検討する場合、このように数字で自分のポジションを把握することもお勧めです。

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