MAVIC COSMIC Ultimateシューズ

2021年11月23日

MAVIC COSMIC ULTIMATEシューズ

MAVIC COSMIC Ultimateシューズのレビュー記事を書いていませんでした。旧モデルになりますがMAVICの高剛性軽量シューズに共通する特徴がありますので、改めて解説をしたいと思います。

MAVICコスミックUltimateビンディングシューズ

1~2年に1回のマイナーチェンジを繰り返し、高剛性軽量なレース用ビンディングシューズとして確かな地位を築いているMAVIC COSMIC Ultimate。

黄色で目立つことと相まって愛用者も多い印象です。

現行品はケブラーと高強度ポリアミド素材=MATRYXをアッパー素材に使用。通常のアッパー素材と比較して5倍の強度と耐摩耗性を誇るMATRYXで、アッパーの伸びを防ぐ補強も最小限。裏地を省略することによって通気性の向上と更なる軽量化を達成しています。

MATRYX素材を使っていない旧モデルは、アッパーをカーボンクロスで補強。伸びを防ぎガッチリしたフィット感があります。シューズの中で足が遊びません。

個人的な感覚では新型はアッパー全体で包み込んでホールドするような感じ。僕の使っている旧型はカーボンクロスで強固に足を固定しているような履き心地です。

軽量ビンディングシューズの特徴と選び方

1万円台のビンディングシューズと比較して、片足あたりの重量差は50g程度。

税込み55,000円也のMAVIC COSMIC Ultimate

50gの軽量化に要するコストを3万円とすると1g当たり約1,500円!

果たして価格に見合う性能やメリットがあるのでしょうか?

複数のシューズを使い分けているので、そこで感じた長所短所をレビューします。

軽量ビンディングシューズの長所

・引き脚が軽い

引き脚を強く意識するペダリングをするとき、ダンシングやケイデンスを上げて高強度高回転のペダリングのとき、明らかに軽い。
これはレース中なら勝負所の重要な場面です。少しでも速く楽に走りたいことを考えると、軽量ビンディングシューズの最大のメリットはここにあります。
感覚的には引き脚を強く使っているペダリングでは、ホイールやタイヤを軽量化して加速が軽く楽になったときの感覚に近いです。

アタックが掛かったときに重くて千切れてしまっては元も子もない。

運動強度の高いシリアスライダー、ダンシングや高ケイデンスで引き脚を強く使う頻度が高い程、軽量ビンディングシューズのメリットは大きく感じられます。

速さを追求しているシリアスなサイクリストほど、ビンディングシューズの軽さを体感出来てメリットも有ると言えます。

軽量ビンディングシューズの短所

明らかな短所となる欠点は全くありません。しかし価格を考慮してコストパフォーマンスの観点から、敢えて短所を挙げてみると、

・軽さを感じるのは引き脚のときだけ。踏み足は変わらない。

低ケイデンスの平地でのゆるポタライド、踏み足重視で引き脚をほとんど使わないで流して走っているときは、軽さが全く感じられません。
ゆる~く走っているときは、1万~2万円台のビンディングシューズと何も違いが無いのです。

平地中心のエンジョイ勢にとっては、価格に見合ったメリットを感じられないと思います。

高剛性ソールの特徴

MAVICのロードバイク用ビンディングシューズは『パワー伝達係数』という独自の数値で、ソールの剛性を表しています。

COSMIC Ultimateのパワー伝達係数は100

ノーマルCOSMIC(BOA)のパワー伝達係数は50

ソールの剛性に2倍の開きがあります。

パワー伝達係数が高ければ、出力を上げてもソールがしならない。パワーロスがありません。

その反面、硬く衝撃を吸収しないため、サイクリング用途、ゆるポタロングライドでは足の裏に痛みが出たり、疲れやすく感じてしまう場合があります。

僕は痛みや疲れやすさを感じませんが、ソールが硬すぎるビンディングシューズは誰にでも向くとは限らない。
硬すぎないソールのシューズを選んだ方が、快適に走れるサイクリストも多いと思います。

ここでもガチ勢シリアスライダーは高剛性シューズを、エンジョイ勢なら剛性の高すぎないシューズを選ぶべきかと。

フレームやホイール選びにも同じことが言えます。値段の高いものほど良い、はサイクリスト全てに当てはまることではありません。
むしろ入門グレードの普及価格帯のモデルを選んだ方が、シューズもフレームもホイールも、適度な剛性で乗り心地が良く疲れにくい場合もあるのです。

また足に合っていない高剛性シューズは短時間のライドで足に痛みが発生しやすい。必ず足にフィットしたシューズを試し履きして慎重に選ぶべき。

MAVICビンディングシューズのワイズ(幅)は感覚的に2E位。2Eと3Eの中間の幅の僕の足でもピッタリとフィットしています。

ソールの反りは大き過ぎないので、足型に合えば比較的日本人の標準的な足にフィットしやすい。

マイナーチェンジでつま先側のトーボックスの形状が年々変わっています。少しずつ大きく余裕のあるトーボックスにマイナーチェンジされています。

新型を試し履きすると、形状が変わっているので試着では違和感を感じてしまいます。しかし年度違い機種違いのシューズを数足使い分けていますが、自分のシューズとして使っていくと、慣れるのか馴染むのか違和感は全く感じなくなります。

自転車用ビンディングシューズは、ウェア以上にフィット感が大切です。

長距離長時間のライドでも痛みが出ない、自分に合ったシューズを探して選びましょう。

シマノ(SHIMANO) サイクリングシューズ SH-RC903 S-PHYRE ブラック41.0(25.8cm)SPD-SL
シマノ(SHIMANO) サイクリングシューズ SH-RC903 S-PHYRE ブラック41.0(25.8cm)SPD-SL