東京オリンピックに向けたトラック競技用自転車開発競争が熱い!
箱根駅伝を圧巻したナイキのシューズ、ズームヴェイパーフライ。
自転車界でもビンディングペダル、ディスクホイール、DHバー、カーボンフレーム、デュアルコントロールレバーなど、今では当たり前に使われていますが、最初に世の中に登場した時には他を圧巻したエポックメイキングな製品の数々がありました。
1996年のアトランタオリンピックでも、LOOKのトラックフレームをオリンピック出場に内定した競輪選手がこぞって自腹で買っていました。ブリヂストンが日本ナショナルチームに供給している新型トラックバイク、イギリスのHope GB.Tと東京オリンピックに向けて各国の機材競争が白熱している。
NIKEズームヴェイパーフライは品薄が続きプレミアまでついている。ハイレベルな競技者でなければ同様なコンセプトで開発されたズームフライが価格も手ごろだし履きやすいそうです。
LOOKのロードバイクで言えば785 HUEZ RSと785 HUEZの違いみたいなもんですね。価格が高い方がいいとは一概には言えない。自分にとってどちらがよりフィットして使い心地が良いかと言う話。
「エポックメイキング」を題材に記事を書こうと思い、検索していたらこんなニュースを発見!
LOOKが東京オリンピックに向けて新型トラックバイクT20を発表
2019年12月31日のUCI認定ギリギリのタイミングで完成&発表が行われた、LOOKの新型トラック競技用バイクT20。
フランスのオリンピックトラックチームのために設計されたT20は空気抵抗を11%削減。10%の軽量化。動力伝達は27%向上。自転車のCDa11%削減は、ライダーと合わせると空気抵抗の削減率は2%になる。時速75kmのトラック競技での高速域では、同じ出力で時速0.6kmの速度向上が可能となる。
比較対象が不明ですが前作R96比だったら凄い進歩だけど・・・。
前作R96比でボトムブラケット部は25%、リア3角のバック剛性は12.5%、ヘッドチューブは12.5%の剛性向上。800gの軽量化。
コリマと共同開発によって成し得た前後スルーアクスルのディスクホイール。12.5%の横剛性向上とナットを排した空気抵抗の向上。トラックバイクでスルーアクスルを採用したのは、おそらく世界初の試みなのではないだろうか。リアエンドものっぺりして如何にも空気抵抗は少ないように見える。
トラックバイクはチェーンのテンション調整のために、リアハブの取付位置は可変式でなければいけない。LOOK T20のリアエンドはカバーで画像からは確認できないけれど、スルーアクスルで可変式を実現するには、JAMIS DRAGON SLAYERと同じ構造の可変式のリアエンドになっていると思われる。
200%も剛性が高く、2.5mm刻みでクランク長が可変可能なZEDトラックモノブロッククランクセット。
トラック競技専用のKEOブレードカーボンセラミックトラックエディションペダル。
トラック競技短距離種目のMAXスピードでは出力30W分のアドバンテージ、200mスプリントで自転車1台の全長分の差を獲得したとか。
カーボン素材は三菱マテリアル製。フランス国内生産。
ドロップバーバージョンでは6,999ユーロ、TTバージョンでは7,499ユーロのプライスタグが付いている。日本国内での販売は未定。
一般人が乗りこなせないような、剛性のカタマリのような予感。ロードバイクでは2020年、新製品が出なかったLOOKがこんなことをしていたとは。
BellatiSportでLOOK T20限定1本特価!
Look T20 Speed frameset XS-XXS 限定1本スペシャルオファーのお知らせです!!https://t.co/a7F8PcqoNopic.twitter.com/cF7WJn4XV7
— BELLATI SPORT JAPAN (@bellatisportjp) July 16, 2020
Hope HB.T by Hope Technology and Lotus Engineering
ディスクブレーキで知られているイギリスのHopeが、ロータスエンジニアリングと共同開発。東京オリンピックへ向けたトラックバイクHB.Tを発表済み。
自転車界にロータスの名前が出てくるのは、ミスタープロローグの異名を持つクリス・ボードマンが活躍していた90年代以来でしょうか。相変わらず特異な形状のフレームですね、ロータスが開発に絡むと。
前例のない形状のフロントフォークとシートステーは、乗車実走時の空気抵抗削減を煮詰めた結果。ロードバイクでは近年流行しているドロップドシートステーとは真逆の発想。高い位置から横方向にもせり出しているシートステー。推測ですがペダリングしているライダー脚後方での乱気流の整流効果がありそうです。フロントフォークも横に広がっていますが、ライダーの足と重なって前面投影面積は増えていないはずです。
無塗装。
剛性を確保しながらもホイールは軽量らしい。※数値は公表されていない。
販売価格は15,550ユーロ。1ユーロ=120円換算で186万6,000円。
ブリヂストン・アンカー新型トラックフレーム
東京オリンピックでメダルが期待されている日本ナショナルチームが使用するブリヂストンアンカー。
中距離用のPRP(左)と短距離種目用のPRZ(右)
フレームセットでお値段税別100万円。短距離種目用のPRZはフレームセット+ハンドル+クランク+ホイールセットの完成車仕様では、なんと530万円也!
受注数量が初回生産台数に達しているため2020年1月現在、受注は一時停止されています。いったい誰が買ったんだ?東京オリンピックで日本人選手のライバルとなる他国の手にも渡っているのかしら?
詳細はメールで問い合わせになっているので、スペックの詳細が不明ですが気になりますね。
自転車競技トラック種目で日本代表選手を支えるブリヂストンアンカー。アジア選手権やトラックワールドカップでのメダルラッシュで、東京オリンピックでのメダル獲得が現実味を帯びて期待されています。
脇本雄太選手はバンクでの自己最高速度を更新し、そのトップスピードはなんと時速80km!一般公道で練習したらスピード違反になる速度ですよ。
UCI国際自転車競技連合Keirin種目で世界ランキング堂々第1位の新田祐大選手は、ロンドン五輪出場時よりもバンク1周250mで0.5秒もタイムを縮めています。もちろん両選手の練習と努力の賜物でもあります。
トラックワールドカップ第4戦で優勝したチームスプリントの最終走者、深谷知広選手も急成長!
中距離種目ではチームブリヂストンサイクリングが個人&団体パシュートで日本記録を更新。
国際大会では橋本英也選手と梶原悠未選手が、トラックワールドカップのオムニアムでメダルを獲得し、東京オリンピックでも活躍が期待されています。
2020年1月末、新兵器のハンドルバーが投入された。
ブリヂストンアンカーPRP&PRZを駆る日本代表の選手達は、東京オリンピックでのメダルを間違いなく狙える位置にいます。
ロードは?シマノは?新型デュラエースR9200はオリンピックに間に合わないような噂もあるし・・・。Di2の発売は更に翌年。ロードバイクの方はアッと驚く機材は出てこないかのかな。
FES
深谷知広選手のtwitterより
空気抵抗を極限まで減らす工夫が見られるトラックバイク。こう見るとLOOK 795のステム回りの設計は最先端をいっていたんだなー。
PINARELLO MAAT
こちらはイタリア代表ピナレロ
中長距離種目でエアロポジションがとりやすい、MOSTのハンドルバーは良く考えてあるなー。
開発競争が熱い
東京オリンピックに向けたプロトタイプに近いトラック競技用自転車に、値段がついて市販されているのは、国際自転車競技連盟UCIが規則で市販を義務付けているからです。
東京オリンピックでメダル獲得が期待されている日本代表選手が駆るブリヂストンアンカーのトラックバイク。我らが日本軍のリサールウェポンに、輸出規制措置や軍事機密保持のような規制はできないのかしら?
日本軍、イギリス軍、フランス軍、そしてプロトタイプのような特殊車両をゲットした選手。機材競争がヒートアップし、東京オリンピックへ向け期待が高まりますね。
追加情報
トラック競技情報サイトMore CADENCEでも各国の新型トラックバイクが特集されていました。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません