ロードレースの映像作品5選

2022年6月8日

Amazon Prime Video自転車ロードレース映像作品

Amazon Prime Videoで見られるお勧めロードレース映像作品ベスト5

Amazon Prime Videoでボクシング村田諒太vsゴロフキン戦井上尚弥VSドネア戦が放送された流れで(どんな流れだ?)

Amazon Prime Videoでお勧めできるロードレースの映画作品ベスト5を紹介します。

自転車ロードレース映像作品Amazon Prime Video

ランス・アームストロング ツール・ド・フランス7冠の真実

原題はTHE ARMSTRONG LIE ランス・アームストロングの嘘

ランス・アームストロングのドーピングに関する映像は少なからずあるが、この映画はドキュメンタリー要素が最も強い。

当時の映像や関係者、当事者へのインタビューを交え、ランス・アームストロングについては最も史実的要素の強い記録映像作品。
頂点に君臨し周囲を支配しないと気が済まなかったランス・アームストロング。
UCIとヨハン・ブリュネルは当時のことを今だ正確に証言はしていない。
EPOに代表される1990年代以降のドーピング問題。罰するか罰せないのか、善か悪かを決めつけることを目的としてはいけない。
このような事実があっても、ロードレースが素晴らしいスポーツであることに変わりはないのだから。

ランス・アームストロング ツール・ド・フランス7冠の真実(日本語字幕版)

疑惑のチャンピオン

こちらもランス・アームストロングのドーピング問題を描いた映画。

アームストロング1人だけを悪者に仕立て上げることなく、チームぐるみで行われ自転車競技に組み込まれていたことが理解できるように描かれている。

公開直後映画館で観ました。改めてAmazon Prime Videoで視聴。
1990年代からロードレースシーンを圧巻したランス・アームストロングと同時代に蔓延したEPOに代表されるドーピング。
フェスティナ事件以前は組織的でチームぐるみのものだった。
しかし、その中で何故アームストロングは頂点に君臨し続けていたのか?
勝利に対し貪欲で傲慢。勝つ為には手段を選ばないアームストロングではあったが、選手個人を裁いて終わりにしてはいけない。
癌からの復帰と克服。必要以上に感動物語に仕立てようとする周囲の環境に問題は無かったのか?アームストロング1人がドーピングのパイオニアだったのではない。
ロードレースの歴史を知る意味でも、見ておくべき映画だが駆け足感は歪めない。
タイラー・ハミルトン『シークレットレース』も併せて読みたい。

勝利に貪欲で支配欲の強いアームストロングが、EPOが普及し始めたプロロードレースと時代が重なってしまった。

トップレベルの持久力を持った選手でもナチュラルな状態でレースに臨めば、集団に埋もれ勝利を収めることが出来なかった時代。

これもまたロードレースの歴史の1幕なのだ。

疑惑のチャンピオン(日本語字幕版)

疑惑のチャンピオン(日本語吹き替え版)

批判とか悪口だとかという話ではなく、ロードレースに限らずスポーツ界にドーピングはあってはならないこと。

過去から何を学び、未来に向けて何を考えるかが大切なのではないでしょうか。

パンターニ 海賊と呼ばれたサイクリスト

生粋のヒルクライマー、イタリアの英雄マルコ・パンターニの栄光と挫折。
明るく楽しい映画ではない。栄光のマイヨジョーヌがロードレースの陽なら、この映画は陰。しかし、どちらもがロードレースであり、目を背けることが出来ないロードレースの歴史のひとつなのだと思わざるを得ない。
パンターニの空を飛び宙を舞うようなヒルクライムはYouTubeで見ることが出来るし、その生涯はテキストで調べることも出来る。
新たな発見がある映画ではないけれども、ロードレースの歴史を深堀りしたいコアなファンならば見て損はない映画。
当時組織ぐるみ、チームぐるみで行われていたドーピング。しかしパンターニは孤独だったのだ。『沈黙の掟』を守るために孤独にならざるを得なかったのかもしれない。
パンターニを孤独を描いた映画だけれど、当時のロードレースを取り巻く世界を知るには、この映画だけでは足りないと思う。

余談だけれどベリツィンは引退後太ったな~

マルコ・パンターニは1990年代半ばからプロロードレース、特にステージレースの山岳で活躍した生粋のヒルクライマー。

1998年にはジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスの2大ステージレースで総合優勝。ダブルツールを達成した人気と実力を兼ね備えたプロロードレース選手。

2004年2月14日、ホテルの一室で孤独な死を迎える。享年34歳。

プロロードレースとドーピング

同時代に走っていたライバル、エフゲニー・ベルズィンがこの映画の中でインタビューに答えている。余談ですが現役時代と比べると、えらく太ったな~
※ベルズィンも2000年ジロ開幕直前のドーピング検査において、ヘマトクリット値が50%を超え参加を拒否される。同年に現役を引退。

ベルズィン、モレノ・アルゼンティンピョートル・ウグルモフらゲビス・バランチームが一世を風靡した。ワンデーレースのスペシャリストで山岳が苦手だったアルゼンチンがジロでベルズィンを好アシスト。ワンツースリーフィニッシュも記憶に残っている。

1994ジロ・デ・イタリア
パンターニは1994ジロ・デ・イタリア個人総合2位。降雪に見舞われたチマコッピ・ステルビオ峠越えが見どころ。

ゲビス・バランのチームドクターは、後にランス・アームストロングと個人契約を結んでいたミケーレ・フェラーリ医師である。

疑惑のチャンピオンの冒頭には短い時間ですが、ゲビス・バランとフェラーリ医師のことが描かれています。

英語版ウィキペディアにはフェラーリ医師と契約していたプロロードレース選手が名を連ねている。日本語版が無いのは何故?

コンコーニ医師とのつながりも記載されています。

リアルタイムで接していた当時は、ゲビス・バラン所属選手の大活躍に夢中になっていました。しかしその後になって「同一チーム内で何人もの選手が優勝争いに絡んで、圧倒的な強さを発揮するのは怪しい」と囁かれるようになります。

タイラー・ハミルトン『シークレットレース』ランス・アームストロング『疑惑のチャンピオン』で分かるように、フェスティナ事件以前のドーピングはチームぐるみ。組織的に行われていました。

パンターニは孤独だった。映画の描き方も暗く孤独感に包まれている。

明るく楽しい物語だけを目にしたい人、ネガティブな話が苦手な人は見ないことをお勧めします。

しかし、これもロードレースの1面であり、歴史に刻まれた過去の1ぺージであることを忘れてはならない。

栄光のマイヨジョーヌ

『パンターニ 海賊と呼ばれたサイクリスト』が陰ならば、栄光のマイヨジョーヌは陽。

ロードレースや競技に興味が無くても、ロードバイクで繋がる良き人間関係は、サイクリングやゆるポタでも変わらない。

仲間や友情って良いな~と改めて思う。ネガティブ系の物語が苦手な人にはコレしかない!明るく楽しいロードレースを描いた映画。

自転車競技は、ロードレースは個人競技ではない。団体競技でありチームスポーツであることが、明るく楽しく理解できる素晴らしい記録映画。
チームの団結と結束。チームメイト同士の友情と協力。
頂点の世界でもアシストがあるのだから『ゆるポタ詐欺』など解決できる小さなこと。
映画館で公開直後に鑑賞。DVDも持っていますがAmazon Prime Videoでも紹介。
競技に興味が無くても全てのサイクリストに見て貰いたい。

公開当初に映画館で観た感想記事。

栄光のマイヨジョーヌ(日本語字幕版)

美しき敗者たち もう一つのジロ・デ・イタリア

アシスト選手の役割と責任感を理解すれば、ゆるポタ詐欺など撲滅できる思うのだけどな~

プロトン(ロードレースの集団)最後尾をドクターカーやサポートカー目線で映した映像を中心に、文字通り『もうひとつのジロ・デ・イタリア』としてアシスト選手にスポットを当てる。
ボトル配りや補給食渡し。落車や怪我の治療のサポート。入院とリハビリ。
大観衆に包まれ両手を挙げてゴールするシーンは1度だけ。
アシスト選手の役割と苦悩。そしてプロロードレースへの適応。
勝者を支えている縁の下の力持ち達の姿がここにある。

栄光のマイヨジョーヌと撮影時期がダブッています。合わせて観ておきたい映画です。

美しき敗者たち もう一つのジロ・デ・イタリア(日本語字幕版)

光と影。栄光と挫折。美しい部分もそうでない内容も、その全てがプロロードレースの世界。深いからこそ自転車ロードレースの魅力は尽きないのだと思う。