高野秀行「辺境メシ ヤバそうだから食べてみた」

2020年2月21日

食の可動域が広がると、色々な物を食べてみたくなる。環境や文化が全く異なる人たちのところに行って溶け込むために最も大切なことは、その人たちと同じ生活をすることだ。
同じものを同じように食べ、なるべく彼らの言語を話し、同じ場所で寝て、一緒に歌ったり踊ったりする。

高野秀行氏の取材ポリシーである。食に限らず僻地に赴く前に、そんな言葉を話す人が日本に居るのか?といったマイナー言語でも探し当て、語学学習をしてから取材先に赴く。

人類最後の秘境は食卓だった!

食のワンダーランドへようこそ


早稲田大学探検部主将時代に遠征したアフリカ・コンゴを皮切りに、30年以上に渡る辺境旅における「食」をピックアップ。僻地や世界中の珍しい食べ物にスポットを当てた高野氏ならではの珍妙な書である。

コンゴで高野氏が食したゴリラやサルのように著作の中で紹介済みの食材?もあれば、こんなところでこんなものも食べていたのか!と驚きを隠せない、辺境作家の面目躍如たる1冊となっています。
ここまで行けば食の冒険家、探検家と名乗って良いと思える。怪しさ満点。
登山に例えたら記録的な単独無酸素未踏ルート初登頂もあるのではないかと思われる。歴史的な書なのだ。

高野秀行
twittterで辺境メシ~のプロモーション動画を紹介したら、高野秀行氏ご本人からリツイート頂きました。

これは果たして食べ物なのか?

動画でも紹介されているのでネタバレになるけど、これはゲテモノ食なのか?世界各地の食文化なのか?

サルの丸焼き、水牛の脊髄ちゅるりん炒め、イモムシのピリ辛煮、巨大蜘蛛の素揚げ、ハッピーピザ、バッタのサンドイッチ、フグの卵巣、、ホンオ(発酵エイ)、蜘蛛&ムカデ&サソリ&バッタ昆虫の盛り合わせ、胎盤(何の?)、カエルジュース、ラクダ、巨大ネズミ、口噛み酒、チャオちゅーる・・・etc
どんなゲテモノに見えても、地元の人が食べていれば大丈夫をモットーに、辺境旅を通じて高野秀行が食した数々の珍味が紹介されている。

ゲテモノ以外に人類の食べ物とは言えない物も高野氏は食べている、そう・・・猫のエサ。チャオちゅーるである。

チャオちゅーる、知らなかったよ

猫のくせに知らなかったんだな。

鯨肉は様々な感想が溢れているけれども、小学校の給食で食べた鯨の竜田揚げは確かにまずかった。硬くてパサパサ。ふくよかさやジューシーな肉の質感や味わいにまったく欠けていた記憶がある。
しかし、処置の仕方なのか、肉の寝かせ方なのか、はたまた鯨の種類の問題なのかは不明だけれど、美味しい鯨の刺身はその後に何度も食べた事がある。馬刺しに近い。しかも馬刺しよりも口の中で溶けやすいのか、肉質も柔らかくて旨味が口の中に広がる。鯨は美味しい。

僕は昆虫が苦手だ。幼少の頃は原っぱでバッタやカマキリと戯れていて苦手意識はなかった。イナゴの佃煮も食べたことあるし。
しかし、大人になってからは逃げまわる程ではないけれども、大型の昆虫はちょっと苦手。釣りでは平気でイソメやら触れるけれど。ゲテモノ系の大型昆虫はとても食べる気にならない。

ムカデやサソリ、特大芋虫を食べる高野氏は勇者としか思えない。

デーツ

デーツ(ナツメヤシの実)

これが本書P35に登場するデーツ。ナツメヤシの実です。ビタミンB1、B2、C、マグネシウム、カリウム、鉄分等ミネラル類が豊富に含まれ、栄養価が高い。

これは No sugar added つまり砂糖を加えていない製品。砂糖を加えていないのにかなり甘味があります。

しかし、これならゲテモノ際物の類いではなく、普通に美味しい。

ナマズ

本書P107から登場する東南アジアのなまず料理。

東南アジアのなまずと日本ナマズでは種が異なりますが、埼玉県吉川市や千葉県印旛沼などでも、なまずは養殖され郷土料理として提供されています。

クセのない淡白な白身で、天ぷらなどで食べると美味しい。

ドキュメンタリー作家としての高野秀行

今更ながら辺境1人旅など出来ない僕は、高野秀行氏の著作が好きだ。自分では経験できない世界へ連れて行ってくれる。文章もウィットに富み微笑ましいというか、笑えたり共感できるところも多い。

辺境旅では上から目線にならずに、現地の文化や人に完全に同化しているからだろう。
ドキュメンタリーや旅行記の中でも異彩を放つオンリーワンの作家である。
これからもポリシーはブレずに辺境旅を続けて、面白い著書を書き続けていて欲しいと思う。

連載 言語の天才まで1億光年 高野秀行

学んだ言語は20以上、言語の天才に憧れる高野秀行さんが、自らの言語体験をたどるnoteでの人気連載

集英社インターナショナルのページで「言語の天才まで1億光年」まとめサイトが公開。

【言語の天才まで1億光年】

高野秀行さんに匹敵する衝撃!あまぼしすずめさん

ブログ界でひときわ異彩を放つあまぼしすずめさん。

僕の中ではブロガー界の高野秀行と勝手に認識しています。パンチの効いたテーマ。ユーモアを交えた読ませる文章力。ただただ圧倒されます。面白すぎます。
あまぼしすずめさんのブログ中ベストワン記事から、是非ともお読みくださいませ。

腐敗or発酵? 牛乳を12年間放置して出来たチーズを食べてみた

ブログ記事のパーマリンクが2020年の今年から数えて12年前のものなのでmilk2008になってるw

その後・・・

あまぼしすずめさんに突如訪れたものは・・・

あの記事って何よ?全部ヤバイんじゃないですか?

ちなみにtwitterアイコンがおっさんスズメに変わっているのは一時的なもの。女性陣に流行っているみたいです。

相変わらず破壊力抜群のNote

相変わらず面白すぎます。

あまぼしすずめさんのTwitter

Twitterで開催された高野秀行本の人気投票結果

追加情報。2020年4月中旬外出自粛要請のさ中に、Twitterで高野秀行本の人気投票が行われました。

堂々の第1位は

高野秀行さん本の人気投票結果ですって。

1位 アヘン王国潜入記
2位 謎の独立国家ソマリランド
3位 西南シルクロード

4位 ワセダ三畳青春紀
5位 イスラム飲酒紀行
6位 恋するソマリア
7位 謎のアジア納豆
8位 ミャンマーの柳生一族
9位 移民の宴
10位 異国トーキョー
https://t.co/PgXxzWJlzk

— スダナツキ (@sudanatsuki) April 16, 2020“>アヘン王国潜入記。いずれも甲乙付けがたい本ばかりですが、本選びの参考にしてください。

1位 アヘン王国潜入記

2位 謎の独立国家ソマリランド

3位 西南シルクロードは密林に消える

4位 ワセダ三畳青春紀

5位 イスラム飲酒紀行

6位 恋するソマリア

7位 謎のアジア納豆そして帰ってきた日本納豆

8位 ミャンマーの柳生一族

9位 移民の宴|日本に移り住んだ外国人の不思議な食生活

10位 異国トーキョー漂流記

僕的には、孤高のオンリーワン変態度数1位はアヘン王国潜入記

ゆるゆる面白本の1位がワセダ三畳青春記です。