GOKISO固体潤滑チェーンオイルを使ってみた!
価格も凄いが、その価格に比例するように脅威的に回転するハブ(ホイール)で有名なGOKISO
GOKISOは近藤機械製作所の自転車部門オリジナルブランドである。
そのGOKISOからチェーンオイルが発売されました。
数年前からイベント会場のGOKISOブースで試験販売されていたり、一部のサイクルショップでもショップスタッフさんがテストしたりしていました。
オイルの含有成分である微粒子が固体潤滑剤として作用する。その固体潤滑剤がチェーン内部やギヤとの間でベアリングのように作用して摩擦抵抗を低減するという。
ペダリングのみならず変速時にも、その効果が体感できると言う謳い文句となっています。
【GOKISO 商品情報 1/2】
— GOKISO Bicycle (@GOKISO_Bicycle) November 15, 2020
固体潤滑チェーンオイル 正式販売開始!
オイル中に含まれる固体潤滑材の微粒子が、チェーンプレート内部やチェーンとギアの間でベアリングの球のように転がり、チェーンの駆動を滑らかにします。
変速時のチェーンの横方向への移動でも、その滑らかさをご体感頂けます。 pic.twitter.com/MMvHzGrin9
GOKISO固体潤滑チェーンオイル
・20ml 1本入 750円(税別)
・20ml 3本入 1,800円(税別)Amazonでは3本入りのみの販売
使い方
- よく振ってから使う
- 注油の際、ボトルは真下に向けず斜めにして使うこと。真下に向けると固体潤滑成分でノズルが詰まることがある。
- 1コマづつ丁寧に注油する
- 注油後に表面の余分なオイルを拭き取ること
- 二硫化モリブデン含有オイルとの併用は不可
- 固体潤滑剤の成分は公表されていない。二硫化モリブデンではないようだ。何が違うのだろうか?
固体潤滑剤といえば、今は無きSACRAからPTFEパウダー含有のチェーンオイルが発売されていました。
色が黒いので、その名もブラックオイル。
対してGOKISOのチェーンオイルは乳白色。
沈殿している白色の固体成分は、PTFEのようでもありラジコンのチューニングに使われるドライフルードのようでもある。
ドライフルードも宇宙空間での極低温で液体で潤滑が出来ない環境下でも、潤滑性能が発揮できるように開発された固体潤滑剤。
GOKISO中の人に確認したところ、GOKISO個体潤滑チェーンオイルに使われている個体潤滑剤はタングステンフラーレン等の極圧潤滑剤ではなく、素材は明かせないがベアリングの玉や”ころ”のように金属間の隙間に入り込んで金属摺動面の摩擦を減らす仕組みだそうです。
チェーンオイルに求めるもの
金属同士の摺動面には必ず潤滑が必要になります。しかも自転車のチェーンは密閉されていない。剥き出しで外気に晒されています。
小まめな清掃と注油が不可欠なロードバイクのチェーン。
チェーンオイルも油膜の持ちや雨に対する耐久性、ペダリングのフィーリングもオイルによって驚くほど違いがあります。
チェーンのコマ内部に入り込んだ汚れを洗浄してから注油することも重要です。
汚れを落とさないで注油だけを繰り返していると、汚れが堆積し続けるだけです。チェーンの寿命を縮めてしまうし、ペダリングフィールも重く悪くなっていってしまいます。
機械的に必要な潤滑、摺動抵抗の低減と摩耗を抑えて寿命を延ばすこと。そしてオイル、潤滑剤の種類や施工方法によってペダリングのフィーリングが大きく変化します。
適切で丁寧なクリーニングと好みに合ったチェーンルブで、気持ちの良いライドが楽しめるようになります。
そのチェーンオイルの好みは、、、
衰えと共に油膜の厚いタイプから油膜の薄い回転抵抗も軽いタイプにと、はっきりと志向が変化してきました。
ワコーズのチェーンルブで言えば、パワー⇒パワー50%スピード50%のブレンド⇒スピードと使用オイルの好みが変化。
そんな好みの変化を実感する中、評判の良いGOKISO固体潤滑チェーンオイルはどう感じるのか。
その性能や耐久性は如何なものなのか?
届いた!
Amazonで発注してから数日後、GOKISO=近藤機械製作所から直送でGOKISO固体潤滑チェーンオイルが届きました。
『ペダリングのみならず変速時にも、その効果が体感できる』
このキャッチコピーが果たして本当かどうか、体を張って確かめてやる!!
GOKISO固体潤滑チェーンオイルを使ってみた
先ずオイルの性能や使用感をきちんと把握したかったので、特上コースのチェーン洗浄をしてから注油することにします。
以前のオイルや汚れが残っていては、その効果や性能を充分にインプレできなくなってしまう。
チェーン洗浄の儀
- ワコーズ・チェーンクリーナーをチェーン全周に渡ってスプレー(ボタボタと垂れて来るまで)
- ブラッシングの後に、軽く汚れと共に拭き取る。
- ディグリーザーを入れたクリーニングマシンで洗浄&クランクぐるぐる回しの刑×2回
- ワコーズ・チェーンクリーナーを再びスプレー(垂れてきた液が透明に近く、汚れが「3」までで落ちている事を確認)
- 水を入れたクリーニングマシンでクリーナー成分を落とす&クランクぐるぐる回しの刑×5回
(クリーニングの水がほぼ透明になるまで) - ウェスでチェーンの水分を拭き取る。
- 休息タイム。時間の許す限り放置プレイで水分を蒸発させる。
- 普段はコマの中に残った水分の完全除去のため、ワコーズ・ラスベネをスプレー
(今回は無し。GOKISOオイルのフィーリングをできるだけ体感するため。そのぶん長時間乾燥させます) - クランクを逆転させながらGIKISO固体潤滑チェーンオイルを注油。
- 暫く時間をおいてからチェーン表面をウェスで拭い、余分なオイルを拭き取る。
- 汚れと古い汚れたオイルを可能な限り洗い落とすこと
- ディグリーザーなどの洗浄剤を完全に除去すること(その後に注油したチェーンルブが分解されちゃう)
- 水洗いした際には、水分を完全に除去して残さないこと
- 注油後にチェーン表面を拭き取って、余分なオイルを残さないこと
ボトルを傾けると意外にたっぷりとオイルが出て来ます。1コマずつ丁寧にやり過ぎると付け過ぎになりそう。
クランクを逆転させながら注油して丁度良いくらい。
追加情報:GOKISO中の人に確認。注油は1コマに1滴でも多過ぎるそうです。
注油後に浸透する時間を置いてから、拭き取り作業推奨です。
粘度が低いので注油量が多いと下記に記載したように、飛散するし汚れも目立ってしまいます。
ここまででチェーン洗浄と注油が完了。他のチェーンルブよりもチェーンが艶々でピカピカしているのは気のせいだろうか。
走ってみた。試してみた。そのフィーリングは如何に?
軽いぞ!!
ペダリングは軽めのギヤでゆっくりめで走っても、ケイデンスを上げても、重いギヤでトルクを掛けても、どんな状況でも軽く感じる!
宣伝文句通りに変速時のフィーリングも軽い!
ワコーズ・チェーンルブ・パワーやMuc-off HYDRO DYNAMIC(LEDライトが付属しているTEAM SKY御用達のチェーンルブ)などの油膜厚い系ルブは、重めのギヤをガンガン踏み込むときは良く感じる。
しかし軽いギヤでケイデンス高めの走りや、ゆるポタライドでは厚い油膜のねっとり感というか、チェーンとギヤの間に何モノかを挟んでいる感覚と、その厚い油膜が重さとなり抵抗と感じてしまいます。
僕の場合は。
しかし、このGOKISO固体潤滑チェーンオイルは低トルク高ケイデンス、高強度で高出力、どんなペダリングをしても違和感なく軽い!
成分として配合されている何だかわからん個体とやらが、厚い油膜と同様な作用としてペダリングのフィーリングに感じられるのかも?と試す前は危惧していましたが、全くの杞憂に終わりました。
ペダリングのタイプや好みの違い、出力W数の違いなど、幅広いライダーに受け入れられそうな高性能チェーンオイルです。
情況を問わず、僕のレベルではどんなペダリングをしても違和感なく軽く感じる。今まで使ったどのチェーンルブよりも軽い!
汚れも付きにくいようだ。ワコーズ・チェーンルブよりもライド後の汚れは目立ちません。
GOKISO固体潤滑チェーンオイルはマジで気に入った!
あえて欠点を挙げれば、ノズルが太くてボトルを逆さにすると予想以上に多量に出てきてしまう。細身のノズルでもっと少量ずつ注油出来た方がいいかな。
ワコーズ・パワー系のルブが好みのサイクリストや、メンテナンス頻度を減らしたいサイクリストには向かないかもです。
あえて汚れが増えそうな使い方をしてみた。
GOKISO固体潤滑チェーンオイルを多めに注油してから、余分なオイルを拭き取らない。その後もノーメンテで250kmほど走行。
春先に次いで冬場は空気が乾燥して風も強いのでホコリも多いです。
わざと汚れが1番増えそうな使い方を試してみました。
汚れの付き方が注油後に粘度が増してくるワコーズ・チェーンルブとは異なっています。
ノーメンテでの油膜の耐久性はワコーズ・チェーンルブ、特にパワーの方がずっと良いです。正直耐久性には欠ける。油膜の持ちよりも軽さ重視のチェーンオイルです。
クリーニング+注油直後の軽さも薄れてきます。ライド毎に又は100km以内にメンテしていくのがおすすめです。
頻度の高いメンテナンスを怠らなければ、GOKISO固体潤滑チェーンオイルの軽さは魅力的です。
固体潤滑チェーンオイル+ プラス
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