GOTAL チェーンディグリーザーの素を使ってみた【PR】

2022年7月27日

GOTAL チェーンディグリーザーの素

※【PR】製品の提供を受けて書いた記事になります。

粉末をお湯に溶かして使うアルカリ性ディグリーザー『GOTAL チェーンディグリーザーの素』を使ってみました。

水素脆化が発生しない。汚れや鉄粉を洗浄しにくいドライタイプのWAXルブも強力に分解洗浄(もちろん通常のチェーンルブも)。航空機持ち込み可。廃液は家庭排水(下水)に流せる。匂いも無い。などが主な特徴。

GOTALブログ記事を拝見して自分の知識の上書き修正をしつつ「試してみたい!」と。とても興味をそそられる製品だったので商品提供&レビュー依頼を受ける運びとなりました。

「忖度記事、提灯記事は書かない。実際に使ってみた感想をレビューする。長期使用での経過も確認したい」という僕の希望にも快諾して頂き、と言うかそのような依頼はGOTAL様からは一切ありませんでした。
記事の書き方や感想に前もって注文があれば、依頼はお断りするつもりでした。

ざっとこのような経緯でGOTAL様よりチェーンディグリーザーの素をご提供いただきレビューに至った次第です。

GOTAL-Tokyo Twaitterアカウント:@gotal_tokyo

製品にはとても興味をそそられたので、商品提供の交渉が決裂したとしても、自腹で購入して実験レビューするつもりでした。

粉末をお湯に溶かして使用するGOTALチェーンディグリーザーの素

水溶性粉末、アルカリ性、お湯に溶かして使う、など特徴的なGOTALチェーンディグリーザーの素。

水素脆化が発生しない、アルミやテフロンコーティングも侵さないことも謳い文句となっています。

GOTAL チェーンディグリーザーの素
GOTAL Chain Degreaserの素
GOTALチェーンディグリーザーの素 

・付属スプーン1杯を250ccのお湯(80℃が最適)に溶かして使用する。

・内容量:500g(約35回=8.5L分)

・主成分:ケイ酸塩、炭酸塩、アルカリビルダー、防錆剤、界面活性剤(3%)、水酸化ナトリウム不使用

重曹(炭酸水素ナトリウム)と性質が似ていますが成分は異なっています。炭酸水素ナトリウムや水酸化ナトリウムは、金属に対して攻撃性が高くチェーンを始め自転車に使わないことをお勧めします。
※重曹などアルカリ性洗浄剤はアルミに対しては良くないとされています。

一口に界面活性剤と言っても、その成分は様々。GOTALチェーンディグリーザーに配合されている界面活性剤は

当社の洗剤のアルカリ成分と界面活性剤には分散効果の高い材料を配合しております。
そして、界面活性剤は水に溶けたときに、疎水基のついている部分がマイナス(負)イオンに電離し、分散した汚れの粒子を中心にミセルと呼ばれる球体を形成して汚れの再付着を防止しています。
このため、汚れをチェーン内からかき出しやすくなっています。

GOTAL Tokyo

とのことです。そして界面活性剤の成分を工夫することによって、金属に対するダメージを最小限に留めることも可能なようです。

アルカリ洗浄剤は油汚れを良く落とす。しかし金属へのダメージが心配・・・。
工業用の洗浄剤にも、アルカリ性ながらも界面活性剤の配合を工夫して、金属にも使える洗浄剤がありますね。
※一般論として鉄やステンレスは対アルカリには不活性。アルミはアルカリに弱いとされています。

GOTALチェーンディグリーザーの素の特徴

GOTAL チェーンディグリーザーの素
経済的

付属のスプーン一杯で250cc分のディグリーザーが作れる。約8.5L分の大容量。

室内メンテに最適

チェーン、スプロケット、プーリー等をタッパー等に入れて洗浄。周囲を汚さず洗浄。ほぼ無臭。

チェーンを傷めない

水素脆化を起こさない特殊成分。テフロンやアルミの強度も低下させない。

水溶液は常温でpH11前後の弱アルカリ性。酸性が強いと水素イオン濃度が増加し、逆にアルカリ性に寄ると水素イオン濃度は減少します。

アルカリ脆化や応力腐食割れは1部特定のアルカリ性物質のみで発生します。GOTALチェーンディグリーザーの素にはアルカリ脆化を発生させない成分だけが配合されているとのこと。
炭素鋼は高温NaNO3溶液や高温高濃度NaOH溶液で応力腐食割れが発生しやすいなど。

また配合された成分が80℃の温度で薄い網状の膜を形成し、この網の中にオイルが入り抵抗を低減するとのことです。

様々な基油に対応

WAXタイプからエステル、脂肪酸、鉱物油まで様々なオイル(ルブ)を強力洗浄・脱脂。

廃液処理が簡単

鉄粉などを取り除けば、廃液は薄めながら下水に流すことができます。

遠征に便利

粉末タイプなので航空機への持ち込みが可能。飛行機輪行でも持ち運び可。

酸性かアルカリ性かによって、金属に対する攻撃性や特性が異なることも改めて確認し学びました。
アルカリ脆化という現象もあるんですね。

家庭用洗剤も、アルカリ性の重曹は油汚れに向いていて、酸性のクエン酸と用途によって使い分けるのが良いですし。

継続使用による経過を観察しつつ、改めてこのあたりの事も記事に書く予定です。

使い方

GOTALチェーンディグリーザーの素
付属スプーン1杯分を250ccのお湯に溶かす。

1.付属スプーン1杯分のGOTALチェーンディグリーザーの素を250ccのお湯、80℃が最適に溶かす。40℃以上推奨。

2.タッパーやクリーニングマシン、ジップロック等の密閉容器を使用する場合は、蓋を閉める前に約2分程度待つ。※炭酸ガスが発生するため。

3.密閉容器を良く振って洗浄。クリーニングマシンの場合は機器の使用方法に沿って洗浄。※火傷や肌荒れ注意。手袋の使用を推奨。

4.廃液を水に入れ替えて、水が透明になるまですすぎ洗いを繰り返す。

5.最後にお湯ですすぐ。※乾燥時間が短くなる。

6.完全に乾燥させる。その後注油。

チェーンやスプロケットの洗浄では「充分なすすぎ洗い」と水洗い後は「完全に乾燥させる」ことは重要ですね。
この製品に限った話ではなく。クリーニング後、拭き取りして終わりにしているサイクリストも少なくないような・・・

例えば揮発性の高いパーツクリーナーでも、チェーンのローラー内部やスプロケットのギヤとスペーサーの隙間に沁み込んで、なかなか乾きかないのです。
表面を拭き取っただけでは洗浄剤の成分や水分が残ったまま。その後の注油効果が台無しになってしまいます。
水置換性のあるオイルを使用した場合は別。

※パーツクリーナーは油分を良く溶かしますが、汚れや鉄粉などの固形物が残ってしまうのでチェーンのクリーニングには適していません。
ワコーズの実験ではパーツクリーナー3本も!使ってやっとこさ内部の汚れが落ちる。そしてフッ素系樹脂に対しては洗浄効果が無いそうです。

「汚れが落ちて綺麗になった」だけでは適切な駆動系のメンテナンスとは言えないと思うのです。

レビュー

汚れの落ち具合や使い勝手は如何なものなのか?早速、実際試してみました。

洗浄前のチェーン。シマノCN-HG901-11。

汚い( ^ω^)・・・

洗浄前のチェーン。シマノCN-HG901-11

いざ準備開始。

容器はDAISO税抜き100円タッパーですが耐熱温度は140℃。蓋付きなのでチェーンを外せばシャカシャカ洗浄も出来ます。

今回はPEDRO’Sチェーンピッグを使用して試してみることにします。
チェーンを外さない=バイクに取り付けたままの洗浄では、ローラー内部の汚れを搔き出すためにブラシの使用が推奨されています。
ブラシでこすると汚れが周囲に飛び散るし、ブラシでローラーを回して内部の汚れを搔き出さないと、チェーンの奥に汚れが残ったままになってしまいます。

PEDRO’Sチェーンピッグは周囲に汚れが飛び散らないので室内メンテにも最適です。

粉末状のGOTALチェーンディグリーザーの素は、お湯を注いだだけでは溶けませんでした。かき混ぜるか容器を密閉して振る必要があります。

PEDRO’Sチェーンピッグクリーニングマシンは1回に使う液体、ディグリーザーや水の量の規定があります。規定量を守っておけばスポンジが溶液を吸って周囲に飛び散らない仕組みになっています。

250cc分で4回洗浄を繰り返しました。1回に使うディグリーザーの使用量が少ないので、その分回数が増えてしまっています。
※これは洗浄を4回繰り返さないと汚れが落ちない、と言う意味ではありません。1回で終わらせてしまったら、せっかく作ったディグリーザー溶液がもったいなかったので・・・。
密閉容器に入れて洗浄するなら、250cc1回の洗浄とその後の水洗いで十分かと思われます。※改めて検証いたします。

画像のピンボケご容赦を。改めて撮り直します。

1回目の洗浄で既に汚れの落ち具合はかなりのもの。普段使っているワコーズやフィニッシュライン・ディグリーザーに匹敵。

強力な洗浄能力を誇るワコーズ・フィルタークリーナー(現在は生産中止)に次ぐかもしれない。

汚れを落とす能力はかなりのもの。なかなかの実力者です。

3回目には1回目、2回目よりも汚れの黒ずみが薄くなり、4回目にはかなり汚れが少なくなり透明に近づいてきました。

チェーンをウェスで拭い、次に水洗いを開始します。

水が透明になるまですすぎ洗いを繰り返します。マニュアルに沿った方法であり、ディグリーザー成分が残ってしまっていると、その後に注油してもチェーンルブが分解されてしまい、注油の意味が無くなってしまうからです。

ウェスで水分を拭き取って(拭き取れるのは表面だけ、プレート間やローラー内部に水分は残ります)プーリーやチェンリングに残っている水分も拭き取っておきます。

その後に風通しの良い場所で数時間放置して乾燥させます。

綺麗になりました。入念にクリーニングマシンを使い、また密閉容器なら十二分に良く振って、面倒がらずにチェーンの内部の汚れまで良く落とすようにしましょう。

GOTALチェーンディグリーザーの素で洗浄後のチェーン

交換時期が近いチェーンなので、、、結構傷んでます・・・。でもピカピカに綺麗になりましたね~!

表面の水分を拭き取った後に、風通しの良い場所で数時間乾燥させました。

その後に水置換性のあるワコーズ・チェーンルブを多めにスプレーして拭き取り。
※水分を残さないため。ルブ注油前にワコーズ・ラスペネの使用もお勧めです。この場合も多めにボタボタと垂れるまでスプレーして、水分を完全に取り除くことが大切です。雨天走行後にもお勧めです。

これでチェーンディグリーザーの素を使用したチェーンのメンテナンス、掃除と注油が完了です。

まとめと所感

今回提供を受けGOTALチェーンディグリーザーの素を初めて使ってみました。

充分な洗浄力があり匂いも無し。使い勝手の良いディグリーザーです。500g=約35回分/2800円とコスパも良し。

洗浄力の評価は5点満点中4.5点

しかし現時点では初めて1回使っただけなので、長期の継続使用によるレビューは出来ません。
入念に充分なすすぎ洗いを行って洗浄剤や続いて水分を除去すれば、チェーンへのダメージはなさそうですが現時点では推測を踏まえての話です。
どんなディグリーザーを使うにしても、洗浄後は充分に濯ぎをして洗浄剤を落とさなければいけないことは同じです。

継続使用の経過や洗浄方法を変えて、チェーンを取り外して密閉容器を使ったり、スプロケットを洗浄したりと内容や方法を変えて追加記事にする予定です。

PEDRO’Sチェーンピッグは周囲に溶液が飛び散りません。よって塗装面やアルマイトへのダメージは現時点では未知数です。
もしチェーンやスプロケット以外に付着したら、よく拭き取っておくことをお勧めします。
今回のチェーンリング=シマノ・アルテグラFC-6800のアルマイトやシマノプーリーの樹脂はノーダメージでした。
カラーアルマイトは用心しておいた方が良いかもしれません。アルミは1部のアルカリ物質に弱いですし。
→付属スプーン半分で濃度を薄めて使用する方法が安心です。

僕は肌は強いので手袋を使わないで素手で作業してみました。お湯で溶かすとアルカリ性が強いためか、水酸化ナトリウムのように肌がヌルヌルしてきます。肌荒れやダメージはありませんでしたが、手袋の使用をお勧めしておきます。

新規参入メーカーのGOTAL。今までにないコンセプトのディグリーザーです。

興味があれば使用方法を良く守って使ってみてください。

GOTAL チェーンディグリーザーの素 超音波洗浄機対応【自転車用 粉末濃縮型チェーンクリーナー 500g】
GOTAL チェーンディグリーザーの素 超音波洗浄機対応【自転車用 粉末濃縮型チェーンクリーナー 500g】