河野啓「デスゾーン 栗城史多のエベレスト劇場」

2020年10月14日

第18回開高健ノンフィクション賞を受賞、出版を心待ちにしていた本書が11月26日に発売されます!

2020年 第18回開高健ノンフィクション賞受賞作

2020年7月、第18回開高健ノンフィクション賞に河野啓著『デスゾーン栗城史多のエベレスト劇場』の受賞が決まった。

受賞を伝える報道での著者の紹介「北海道放送に入社。ディレクターとしてドキュメンタリー番組などを制作してきた。」でピンと来た。

過去ブログで栗城史多さんのことを書き、それも僕のような只のウォッチャーではない、TVディレクターとして取材や撮影やインタビューをしていた内容を…だ。そして「もっと、ちゃんとした形で書きたくなった」とブログを閉鎖した方だと。

アメブロで運営されていたそのブログは

チェ・キタラの隅っこまで照らすな!

関係者にしか知りえないリアルな遣り取りとその内容。そして取材のための行動力。

シェルパや登山家に「ジャパニーズガール」と呼ばれているマナスルに眠る遺体は誰なのか?

ジャパニーズガールのことをブログで発信していた栗城史多さん、女性隊として世界初の8,000m峰登頂をマナスルで成し遂げた森美枝子氏との3者面談。

その席で森美枝子氏は栗城史多さんに言い放つ。

「あなたはマナスルには登頂していない。あなたが登ったのは手前のコブ。本当の頂上は、その先にある。わかってるわよね?」
口調は穏やかだが、強い目だった。栗城さんは、渋い顔になった。
「あのナイフリッジ(ナイフのように尖った尾根)を進んだら、絶対に落ちると思いましたから……」

チェ・キタラの隅っこまで照らすな!

この3者面談は2010年頃と推測されます。栗城史多さんの没後に放送された「NHKスペシャル“冒険の共有” 栗城史多の見果てぬ夢」番組内でマナスルでは山頂まで行っていない証拠となる映像が公開。

その後、栗城史多事務所が「マナスル日本人初の単独無酸素登頂」のフレーズを撤回しました。

栗城さんはなぜ登り続けたのか? 最期の瞬間に何があったのか? そして、どんな人生を送ろうとしていたのか? その答えを知りたくて、私は取材を再開した。
登山関係者、エベレストに向けて彼をサポートした「山の先輩」、幼馴染、大学時代の教授と仲間たち、彼の応援団長、講演の手ほどきをしたビジネスの師匠、そしてネパールのシェルパ……。
栗城さんは、彼が信奉していたある人物に意外な言葉を残していた。
そしてわかった。本当の「デス・ゾーン」は栗城さん自身の中にあった……。

http://gakugei.shueisha.co.jp/kaikosho/list.html

この記事に発売後感想を書き加えます。

「否定の壁への挑戦」「冒険の共有」「応援し合える社会」の行きつく先は何だったのだろうか?

アンナプルナ、エベレスト北壁、エベレスト南西壁など、できないことが初めからわかりきっているのに挑戦を演じるのはなぜだったのだろうか?

広告